三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

工期3ヶ月の「長期優良住宅」

2010年09月25日 08時22分30秒 | Weblog






きのうは北海道の工務店グループ・アース21の
「北海道選出参議院議員との懇談会_2」です。
今度は自民党の長谷川岳さんをお招きしての1時間でした。
長谷川さんは、身内に工務店などもあって
比較的スムーズに話し合いが出来ました。
また、自分でも住宅リフォーム体験があり、
そういった意味でも、話し合いの基盤があったと思います。

しかし、きのうの話し合いで
決定的な意見だったのは、
旭川の工務店さんから出た端的な発言でした。
「長期優良住宅は、とても3ヶ月じゃぁ出来ません!」というもの。
今年度で終了といわれている「長期優良先導事業」ですが、
これは毎年、国の政策がそうであるように
「単年度事業」で行われています。
で、国交省から事業規模や、応募要領などが示されるのが
5月から、場合によっては6月。
そこから提案応募があって、審査期間が設けられ、
事業の採択は早くても7月になります。
そこから事業者側では、顧客を募って
工事をスタートさせなければならない。
そういうプロセスになっていくけれど、
今度は、3月までの年度内に
基準を満たすすべてのプロセスを終了させる必要がある。
具体的には、書類作成送付などの事務手続きにも1ヶ月近く掛かるので、
その前の「現場公開」は北海道では2月中に終えなければならない。
そういうことが、
北海道では、ほぼ半年の間にすべてが集中化する。
通年雇用が出来なくなる、半年近く資金が眠るので工務店経営にも
悪影響を及ぼす。
実際上、工務に割ける時間的ゆとりは3ヶ月しかない。
2百年持たせるに足る住宅を3ヶ月以内の駆け足工事にしなければならない。
なんとまぁバカバカしい。
工務店の良心として、そういうプロセスには本来したくない。
けれど、国はそういうことを事実上強制してくる。
霞ヶ関の官僚機構の机上の都合にすべてを合わせろ、
といっているに等しい。

たぶん、こういう工務店の現場の声なんて
まったく理解していない、国の施策なんだから、当たり前だろう、
国には従え、というように感じられてならない。
この問題は、以前から指摘されてはいたことですが、
ここまで明快に意見として出てきたのは、すばらしい。
聞いていた長谷川さんも、すっかり納得して
「今度、国交省に・・・」と言っていただけました。
民主主義は、やはりこういう声を発信し、
それを汲み上げていく中にしか、進歩はあり得ない。
そう、深く感じました。







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