三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

高齢化社会のコミュニケーション産業

2010年09月29日 07時01分16秒 | Weblog





写真は、先日「現場見学会」をやっていた住宅。
これからこういうのが増えてくるものかどうか、
実は、そば打ちの趣味が高じて
店舗を、知り合い対象だけにでも開いてみたい、というケースなんですね。
団塊の世代が大量に退職年齢を迎えて
安定した生活が確保できている場合には、
こういった欲求を満たすような建築需要というものがあるのかも知れないなぁと、
そんな思いが頭をよぎった次第です。
写真は、その店舗的なテーブルの場所であります。
通常はここは居間的な場所としても使用するらしく、
併用なんですね。
ここ以外は、寝室ともう一室の個室的な部屋、それと「厨房」と言った方がいい
台所がある、というような間取りなんですね。

こういった形態も「終の棲家」のひとつの形態なのかも知れません。
結局、人間はコミュニケーションを希求するものであり、
人間が癒されるのは人間によってしかありえない。
そう考えると、現代生活では、
家族という基盤の他に、友人たちとのコミュニケーションが
さまざまに追求されることになるのではないか。
「終の棲家」の設計ポイントで最大のものは
こういった、コミュニケーションの仕掛けなのではないか。
わたしたち50~60代の年代が育った時代は、
テレビなど、マスコミのコミュニケーションが一番大きかったけれど、
そういう「大衆社会」、みんなが同じ方向を向いて
同じような話題で盛り上がる、というようなむなしさを
どうも現代は大きく感じている社会で、
大ヒットするようなテレビ番組とかは考えにくい時代なのではないか。
そうすると、趣味世界とか、特定領域によすがを求めるようになる。
趣味のそば打ちなどは、もっともありそうなテーマだと思います。
なによりも根源的な食のテーマ領域であり、
同時に、その食べ続けてきた経験値は、多くのサラリーマンには膨大に存在する。
尽きることのない「うんちく」の世界が広がっていく。
振る舞う方も、食べる方も、巨大なコミュニケーション領域が存在する。
そういった「媒介」が、必要性が高まるのかも知れない。

このように考えると、
こういう「高齢化社会の新しいニーズ」ということに
もっと光を当てて、新しい成長産業として
着目していっていいのかも知れませんね。
ゲームの世界なんて言うのも、もう少しで
そういう趣味を持って、高齢化人口が突入してくる可能性もある。
インベーダーゲームなんていうブームもわたしたちは経験した。
日本は高齢化社会について、世界でも最先端を切って急激に突入する社会。
だとすれば、世界に先駆ける産業実験が行われるという考えも出来る。
高度工業化社会の先の、高齢化社会で
生産の方に関与するのは、65才までとしてもいいけれど、
そのあとは、高齢化社会産業の開発に関わるのだと言うくらいの
そういった考え方も持つことが可能なのではないか。
なぜか、そんな妄想にとりつかれてしまっておりました。








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