三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

300年前の旅行ブーム

2014年07月12日 11時31分53秒 | Weblog


先般の北陸紀行で立ち寄った富山の豪農の家で
当主が生涯に巡り歩いた旅程紹介がありました。
江戸時代というのは、たいへんな旅行ブームだったそうで
「東海道中膝栗毛」などの旅行随筆風の本が出版されたりもしていた。
そんな時代の雰囲気が伝わってくるようで興味深かった。
1701年に生まれて、1780年に亡くなっている方の旅路地図ですが
上の写真はその「東日本」部分を切り取ったもの。



で、こちらが、日記などで残されている旅程を
概略として書き出したもの。以下、年代と旅程を少し書いてみる。
20歳 伊勢参り~奈良・高野山・大阪・京都
60歳 京都
64歳 伊勢参り~京都・大阪
        越後・山寺・松島・日光・江戸・善光寺
っていうようなことで、たぶん若いときの見聞旅行から
隠居してからの道楽旅行の様子が見て取れる。
その後も、65,66,67,68,69,71,73,76歳と、活発に旅行している。
富山在住と言うことで、目的地は
京・大坂・伊勢から西国方面と、
越後・奥州・江戸方面の2方向に分かれている。
しかし73歳の時にいちばん遠くの太宰府・長崎などを訪れている。
当時は、歩くのが基本だろうから、
年齢を考えると、まことに元気いっぱいだったものと微笑ましい。
なにやら現代の高齢者の過ごし方のひとつの典型を見るようです。
この人は、現代にまで「豪農の家」という
立派な建物が残っているような家系の方ですが
しかし、江戸時代はこのような旅行熱が一般民衆レベルで
高かったのは間違いないようです。
陸路ばかりを旅していますが、
海路の方は、やはり一般の旅行では避けていたのかも知れません。
北陸は日本海交易の中心地域ですが、
ふつうの旅行にはあんまり利用しなかったのでしょうね。
想像していると、なにか、楽しくなってきます。
コメント
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