三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

ニセコの移住者の家

2006年01月15日 06時50分52秒 | Weblog

一時期、リプランでは「建築家との家づくりセミナー」を開催していました。
当社2階には、そこそこのオープンスペースをつくっていて
住宅に関連するミニイベントを行っていたワケです。
いまは、まったく時間がなくなって、しばらく開催しておりませんが・・・。
で、写真の住宅のオーナーさんは、このイベントに来た方なんです。
関西の方から、北海道に移住してきて、ニセコで農業を営みたい、
という希望で、どうせなら「北海道らしい家を建てたい」というご夫婦でした。
ちょうどその日、建築家の小室雅伸さんに講演してもらっていて
話題が盛り上がり、「あなたたち、もう関西に帰った方がいいんじゃないですか」
なんて、本音の話もしていて、ハラハラしちゃった記憶があります。
が、なんとそれから数日して、小室さんから電話があり
「あの人と、設計契約しました」という思いがけない知らせだったのです。

へえ~、とびっくりしましたけど、考えてみれば、
家づくりするのに、お互い本音をぶつけ合う関係って、確かにいい。
頼む側は、自分の家なんだから好き勝手に好みや希望をぶつければいいし、
設計する方だって、熱が入ってくれば、よい建築という意味では妥協したくはない。
「そりゃぁ、楽しみですね、どんな家ができあがるか(笑)」と話しておりました。
で、できあがって、雑誌でも取り上げたのですが、これがその家のお風呂。

家自体は、コンクリートの外断熱2重壁、ツーバイフォーの屋根という構成で
高断熱高気密の高性能な住宅。平屋で屋根には屋根緑化も乗っけて
小室さんが以前から話してくれていた、北海道らしいたたずまいです。
むしろ防御的で、壁面積の大きい性能重視の仕様ですが
お風呂だけは、おもいっきり飛び跳ねて(?)います。
まぁ、写真の通りです。
周辺には家はありませんので、他人の視線というのは
確かに気にする必要はない、
とはいえ、しかし・・・
という大胆、かつ極限的な開放感を楽しむ仕掛けですね。

吹きすさぶ猛吹雪のなか、この風呂から北海道の自然を「全身で」感じる・・・。
まさにそんな、わかりやすい住宅のコンセプトを明快に表現している装置といえます。
もちろんサッシは「透明な壁」とでも呼べるような高性能なものですし、
住宅本体は気密性・断熱性が非常に高いモノなので
こういうことにしても、「絶対に寒くはない」住宅性能であるのは当然の大前提です。

住宅性能の向上が、いろいろな暮らし方の楽しみを膨らませてくれる
ライフデザインを多様にしてくれる、とわたし、考えているのですが
そういう思いをいっそう強く感じさせてくれる家だと思います。

面白いでしょ?、 北海道の最新の性能とデザインの住宅って。
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