三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

土器による煮炊き

2010年01月21日 06時02分43秒 | Weblog




さて、本日は岩手県水沢市で講演を予定しています。
札幌からは武部建設・専務さんもフライトしてきて合流予定。
なんですが、わたしはきのう、秋田に来て仕事の会合一件。
ということで、今現在は秋田市におります。
ここんとこ、めまぐるしく移動しているので、日の感覚と場所の感覚が
どうも不明になって参りました。
きのうは歴史好きな方とすっかり意気投合しておりましたので
話はあちこちと飛び回っておりまして(笑)
で、本日は土器の煮炊き研究であります。
写真は、どっかの展示で見たイラストなんですが、
底が三角になっていて、安定の良くない土器ってよく見ますね。
あれって、どうやって使うんだろうか、
って、ちょっと考えればすぐに推定は付くのですが、
あんまりわかんなかったんです(笑)。
で、この写真を見て納得。
なんですが、描き方はどうもあいまいで、描いたひとも半分わかっていなそうです。
こういう円錐状の底面を持つタイプの土器は
どうも、かまどに乗っけて煮炊きしたようだと思います。
かまどに穴を開けておけば、ちょうどピッタリとはまるようになる。
それで、下から火を焚いてやればいいのでしょうね。

土器の発見って、
けっこう新しい発見だったようで、
人類の食生活が飛躍的に豊かになっていったものなのだそうです。
こういう煮炊き道具ができたことで、いろいろな食材を食べることが可能になった。
北海道の歴史で言えば、こういう土器の時代があって
その後のアイヌの時代になると
煮炊き道具は、ヤマト民族との交易の結果得られる「鉄鍋」になって
その結果、住宅から「かまど」が姿を消したのですね。
そういう意味では、どうも退化したような印象を受けます。
鉄鍋だと、いろりにそのまま自在鉤で火にあぶれるので
わざわざ、面倒な思いをしてまでかまどを造作する必要がなかったのでしょうね。

どうもさすがにやや疲れ気味のようです。
もう少しでいったん札幌に帰れるので、頑張ります。
どうも内容の薄いブログで申し訳ありません(笑)。





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青森・雪まみれの暮らし

2010年01月20日 06時49分26秒 | Weblog




きのうは青森市内での住宅取材。
前日に仙台から車で移動してきていました。
この時期なので東北道も通行止めとか、いろいろあるかと思っていて
場合によっては、その後のスケジュールを考慮して
北上とか、盛岡とかにクルマを駐車させて列車での移動も覚悟していましたが
まぁ順調な天気が続いていたので、一気に青森まで高速で移動。
安代を通り過ぎて、秋田県に入るあたりから
それまでの晴天状態が怪しくなってきまして、
津軽平野に入るあたりでは、むせび泣いているような空模様。
湿度のある雪景色が、心の襞に染みこんでくるようでした。
で、青森はすっぽりと雪におおわれた景色。
北海道の雪は、さらさらと箒で掃けるような軽さのある雪質ですが、
こちらの雪は、目で見ても量感の感じられるもの。
やはり青森は、濃厚に「津軽」を感じさせてくれますね。
こういう冬を持っていることで、
棟方志功のような、津軽三味線のような感受性が育まれたのでしょうね。
寒さは北海道の方が厳しいけれど、
この独特の「雪の重さ」の冬には、ほんとうにやるせなさを禁じ得ません。
同じ雪国で、すごく親近感を持つのだけれど、
申し訳ない、冬は北海道の方が過ごしやすいです、って感じてしまいます。

カメラマンのひとと話していて
ホテルからほんの3kmの距離を、30分以上前に出かけようと言われました。
うずたかく積もった道路脇の雪と、狭くなってしまった道路。
そのなかを、フラフラしながらなぜか自転車で通行するひともいるし、
車道を歩いて横切ってみたけれど、歩道にたどりつく前に
車列が動き始めてしまって、雪山に座り込んでしまう高齢者の方、など、
この「重量感のある雪」が、青森の冬の暮らしを彩っている。
確かに計画的な都市計画がなされていないので、道路幅が狭すぎて
いったん雪に覆われてしまうと、にっちもさっちもいかなくなる。
雪を処理したいけれど、そういう空地や公共的空間がない。
そういうなかで、冬を乗り切る暮らしがあるのですね。
北海道は寒く雪も多いところも多いけれど、
まだ、土地は広々としている。
おおらかに「お互いさま」とか、「なんもさ」と言い合えるゆとりがあるのかも知れません。
青森の冬の暮らしのなかを歩いてみて
ついつい、エールをいっぱい贈りたくなってしまいます(笑)。
おたがい、がんばりましょうね。






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現代住宅の豪華ぶり

2010年01月19日 06時26分05秒 | Weblog




最近、とくに強く思うようになってきたのですが、
現代建てられているような住宅って、
いかにこれまでの時代の住居と隔絶があるか、ということ。
やはり、近代的合理主義というか、
西欧近代文明の及ぼした到達点というか、すごいものだと思ってしまうのです。

洞窟住居や竪穴住居の昔から、
人間が居住すると言うことについては
いろいろに工夫され、知恵が凝らされてきたものと思いますが、
それでもつい百年くらい前までは、
その進歩のスピードというのは、比較にならないくらいゆったりしたものだった。
江戸のころの庶民の賃貸住宅は、独り者の場合、約8畳程度。
もちろんトイレもなく、水道もなく、電気もなく、なにもない。
そういった生活インフラは、長屋共同の施設として
共同生活を余儀なくされていた。
江戸の街で一軒家を構えられるなんて言うのは、
相当にレアなことがらだった。明治から戦前までそう大きくは違いがなかった。
そういうほんの少し前までの人間の住宅体験からすると
今日の「快適性進化」はまさに驚異的だと思う。
ちょっと前までは、王侯貴族も想像すらできなかったような暮らし方を
わたしたちは一般庶民に至るまで享受している。
写真は取材の時のワンシーンですが、
寝室からこんなにも開放的な眺望を得られるような暮らしが
当たり前のように実現している。
まぁ、その結果、資源やエネルギーの大量消費がともなっている。
そういうインフラ的な部分の維持すら、すごい高コストになっている。
こういう西欧近代の快適性優先の考えが、
いま、広く世界全体に資本主義の拡大という形で広がっている。
中国などでも、不動産・住宅への投資がレベルアップして行っているそうです。

ただ、こういう進歩の方向性の真ん中には
社会や家庭の共同性よりも、個人の欲求の方に大きく着目する文化性があったと思う。
個人の欲求拡大って、さてこのまま進展し続けていくものかどうか、
そのあたりが、わたしには少しわからなくなっている部分があります。
こういう方向だけが、幸せなのかどうか、
どうもわからなくなってきている気がしているのです。
ちょっと、変な考えでしょうか、ね?






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新年第1回建築家イベント

2010年01月18日 04時45分31秒 | Weblog




きのう一昨日の土日は、ふたたび建築家イベントでした。
イベントの開催って、いろいろ気苦労はあるのですが、
建築家のみなさんもご理解いただいて、
なんとか継続し続けています。
当初は右も左もわからないまま、やってきましたが、
アットホームな雰囲気で、家を建てるお客様が主役、というかたちが
ようやくイベントとして、出来上がりつつあるように感じています。
建築家の側からのメッセージもありつつ、
来場されたみなさんの側からの積極的な質問や、提起など、
活発な対話スタイルがようやく確立してきたように思います。
やっぱり継続は力と信じて、あせらずに取り組まないといけませんね。

昨年中に、多くの設計契約も実を結びつつあり、
なかには大型のユニークな住宅やら、話題になりそうな病医院の物件など、
面白みのある住宅や、建築計画が進んでいます。
そういう事例が、こうした地道な取り組みの中から生まれ、
そして、現実の形になってくると、もっと大きな広がりが生まれるものと確信しています。

さて、本日からは東北地方に移動いたしまして、
取材やら講演やら打合せやらと、いろいろと要件を片付けて参ります。
ことしから、Replanの雑誌の方の編集長にも復帰いたしました。
なので、通常の代表としての仕事も兼ねながら、
誌面の作りの実際作業にも大きく関与していかなければなりません。
ありがたいことに、スタッフが気遣ってくれたりしているので、
そういう支えに感謝しつつ、頑張っていきたいと考えています。
今回の出張では、木曜日に岩手県水沢で講演を予定していまして、
なんでも参加予定が60名ということ。
こちら北海道からは、ビルダーさん代表で
武部建設さんにも、わたしといっしょに講演していただくことになっています。
まぁ、わたしは前座で武部さんがメインということで(笑)
少し気軽になっております。
でもその後、金曜日夜に帰ってきて、すぐに土日と札幌市内でも講演。
それが終わったら、今度は翌週には関東甲信中部と、取材予定。
いろいろとスケジュールがたて込んできますし、
合間を縫ってやる作業も多いので、まぁ、ことし最初の大きな多忙期。
せいぜい体調管理に気をつけて、乗り切りたいと思います。
講演会、お近くの方、ぜひお越し下さい。






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小沢一郎の抗戦宣言

2010年01月17日 07時16分25秒 | Weblog


小沢一郎の民主党大会での演説では、どうも不退転の決意のようだ。
そのうえ、友党としてのあいさつなのか、
きのうブログで触れた、朝日にインタビューを受けた鈴木宗男の発言もあった。
この問題、どういう展開を見せていくのか、予断はできない。
しかしどうも、構図としては
政治と「清潔な官僚」との戦い、という問題になっていきそうな雰囲気がある。

戦前、日本が破滅的な戦争に突入していった状況を書きつづった
司馬遼太郎さんの文章の中に
ひときわ目の覚めるような記述を読んだことがある。
文藝春秋月刊誌に書かれていたと記憶するけれど、
そのなかで、大きなポイントに指摘されていたのが「統帥権問題」。
統帥権とは、戦前の天皇制において国家元首として規定されていた天皇が
もっとも大きな権力として所有していた軍指揮権だが、
司馬さんらしい、その具体的な分析を通じて、
軍部・官僚組織が壟断したプロセスが明らかにされていた。
腐敗している政治家連中には国家運営を任せておくことはできない、
という「使命感」からなのか、
この「非常大権」を政治から「清潔な」軍部・官僚機構が奪ったのだ。
戦前でも統帥権は、政治主導が建前では貫かれていたのだけれど
かれら軍部・官僚機構は、真空的な権力として参謀部に統帥権はあるのだと主張した。
政治家の腐敗に対する意図的な暴露を通して、公正な選挙によって権力を得た
国会議員、政治家を抹殺して、なんの民意も反映していない軍部・官僚機構が
事実上、国家を壟断して、アメリカとの全面戦争に日本を引きずり込んでいった。
腐敗していようがいまいが、政治家がまともな感覚で外交をしていれば、
ああいう状況でアメリカと正面切って戦う愚は犯さなかっただろう。

やはり民主主義である以上、
われわれは選挙によってしか、民意を表現できない。
選んだ政治家には、政治を通して仕事をしてもらいたいのだ。
直近の選挙で言えば、民主党にチェンジを期待して国民は民意を託した。
その大きな取り組みの中で、それも緒に就いた段階で、
このような問題で、簡単にその主導力を葬り去っていいものかどうか、
この問題は非常に大きいと言わざるを得ない。
マスコミにも大きな問題があると思う。
なぜこの種の事件の時、検察リークを大きく書き飛ばすのか
あとになって裁判になって検察側資料になる、それも
裁判の結果、否認されることもあるような検察資料を、いとも簡単に
今現在の情勢の中で、そういう情報を通してしまう。
いま、民主党政権が誕生以来、大きな問題として浮上してきた「官の肥大」に対して
その一方の官の側の情報を無批判に掲載するのは、いかがなのか。
官僚組織というのは、一度として責任を取ったことがない。
わたしたちの仕事の範囲で言えば、国交省は、
耐震の問題で、自分たちが推奨した基準と、それ以前の建て方の建物を
いっしょに地震の実大実験をやって、公開し、
しかも自分たちが推奨した基準建物が倒壊してしまったのに、
そういうことについて、今現在、3ヶ月近くになろうとしているのに、
責任を取ったりしようとはしないし、いわんや、間違いを認めようとはしない。
それにお墨付きを与え続けている学者アカデミズムにも問題はある。
学識経験者と、官僚機構、いわゆるプロの世界で無責任に、ことは進行していく。
最終的にはそのときの大臣・政治家が責任を取らされるのが慣例なのだ。
大きな権力を行使しているのに、その責任は一切負わない、
それなのに身分は法律で保証されている。
政治家は選挙で簡単に落とされるのに、かれらにはそういう機会がない。
こういうのは明らかにおかしい。
少なくとも懲罰について、明確にすべきだ。
官僚システムについて、大いに論議を開始すべきだと思う。
もちろん、官僚機構のすべてが悪いというわけではない。
公正に官僚機構を運営するための仕組みであるとか、考え方について、
国民にわかるように、国会で大いに論戦をやって欲しいと思うのだ。
がんばってほしい。

知り合いの民主党参議院議員で、法務政務官の中村てつじさんのブログに
党大会での小沢一郎の発言が動画で紹介されていました。
中村てつじの「日本再構築」





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小沢一郎と官僚システム問題

2010年01月16日 06時12分49秒 | Weblog



東京地検が、小沢一郎の元秘書の国会議員の身柄を拘束した。
かなり異常な状況が推移している。
国会開会直前のこの時期に、あえてこのような手段を執ることは
過去の疑獄事件でもかなり類例を見ない。
国政への影響はかなり深刻なものにならざるを得ないと思うけれど、
そもそも東京地検は、いったいなにを目的にしているのか、
小沢が土地を購入した資金がダム工事の利権からの贈賄的な色彩の濃い
大手ゼネコンからの表にはできないお金であり、
それをあぶり出すのが狙いである、というような報道がされている。
ただし、当時は野党の有力政治家にしか過ぎず、
贈収賄事件としては立件できないだろうといわれている性質だと言うことだ。
というような報道の流れからしても
いきなり国会議員の身柄拘束という手段は、すごい。
朝日新聞WEB版の現在の(1.16AM05:29)トップニュース順は、

日航の法的整理 440億円の国民負担が発生(03:02)
東京地検、石川議員ら逮捕 大久保秘書にも逮捕状(01:13)
小沢氏公開の「確認書」は07年の会見直前に作成(03:03)
石川議員逮捕 鈴木宗男氏「異常としか言えない」(01:15)
時効直前の強盗致死事件、関与認めた1人も不起訴 茨城(03:04)
JPモルガン、3四半期連続の増益 強まる風当たり(22:22)

というものになっている。
3番目に検察リーク情報、
4番目に鈴木宗男議員による検察批判発言ニュースがある。
このあたり、大手メディアもどうバランスを取るべきか、
計りかねているのではないか。
鈴木宗男の発言では、
「家宅捜索を受け、証拠隠滅の恐れもないのになぜ身柄をとる必要があるのか。異常としか言えない。官僚政治の打破を掲げて政権交代したが、検察も官僚組織の一部。このまま民主党政権が続けば自分たちがどうなるかわからないから暴走したのだろう。鳩山政権つぶしだと受け止めている」
というように発言している。
問題の推移が、このような方向になっていく可能性があるのだろうか。
だとすると、この国の今の閉塞状況の本質的な問題が
一気に露わになっていく可能性があると思っている。
それは、官僚システムの基本原則の再検討、という問題。
いまや、官僚システムが無謬であるなどと思っている国民などいないと思う。
遠山の金さんとか、銭形平次とか、
江戸時代以来続いてきている官僚システム礼賛世論喚起システム教育は
日本社会に深く根付いてきたけれど、その正統性というものが
どうもいま、機能不全になってきている。
ひょっとすると官僚システムって、自分たちの組織防衛を最優先してはいないか、
っていうような大きな疑問が多くの国民にわき上がってきている。
小沢の問題で言えば、先日来の
中国要人との天皇会見問題での、対官僚発言が想起される。
「政府機構の一官僚が、政府方針に対して異議を唱えるのならば、
職を辞してから発言すべきだ」と正論を宮内庁長官に対して宣告したけれど、
どうもそうした発言からの流れが感じられてならない。

もし、鈴木宗男の発言が正鵠を穿っているとすれば
問題はいよいよ、核心点に迫ってくる気がしてならない。
官僚システムって、一度も選挙されることがないのに、大きな権力を実際に運用している。
であれば、どのようにこれは運営されるべきなのか、
そろそろまっとうに論議がされるべきだ。
政権が交代したこの時期だからこそ、根底的に論議することができるのではないか。
そういう国家百年の大問題解決のためであれば、
小沢のお金の問題などどうなっても構わない問題だと思う。
国会はこの問題でこそ、徹底的に論議をはじめてもらいたいと思う。







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札幌電車復活の動き

2010年01月15日 06時13分22秒 | Weblog




最近の都市計画の動きの中で、
都市内の公共交通機能について、見直しの機運が強まってきています。
札幌では、これまで衰退の一途にあった市電が
あらたに路線を増やす計画に取り組んでいるようです。
こうした流れは、エネルギー問題の解決という意味から考えて合理性のある動き。

わたしの子どものころには
札幌の市電はよく利用していた交通手段でした。
ちょうど市電の停留所まで100mほどしか離れていなかったので、
「札幌駅」までだと停留所は2つ。
そこから市内繁華街中心部までまた2駅ほど、という位置でした。
大変便利で、中学生くらいまではよく利用していたものです。
その後、自動車の時代になってすっかり邪魔者扱い。
除雪が追いつかない道路状況の時には
大きな幹線道路に通されていた電車路は、それだけで2車線の幅を専有するため
ほかの車道部分が割りを食っていて
違法駐車車両などあると、途端に大変な渋滞になっていました。
たぶん、そういう経緯が基本的にあって、
そのうえで「地下鉄」の導入も同時に計画が進行して
路線がダブっている区間の運行を中心に廃止してきたものでした。
ただその過程では、「え、この路線も?」というようなケースもあった気がします。
廃止のころには未成年でしたので、
意見を求められるようなこともなかったのですが(笑)、
わたしとしては、やはり残すべきではないかと思っていました。
そんな思いを持っていたので、ふたたび復活という方向だと聞いて
大変楽しみにしています。
札幌の街は、自動車文化を反映して拡大の一途だったのですが
これを契機に、「コンパクトシティ」の発想が膨らむことを願っています。

現在の状況をその流れで考えてみると、
自動車って、とくにガソリン自動車って、
そのうちに今のたばこや、喫煙者と
同じような見方をされる存在になっていく可能性がありますね。
エネルギーの社会的な無駄遣いを追求させていくと、
自ずとこのような事態の進行があり得るのではないかと思います。
きのうのブログで書いたモロッコのフェズの街ではありませんが、
究極的な、エコロジカル人間集団コロニーと考えると
自動車よりも、公共的交通機関がやはり、どう考えても合理的。
その自動車も、近距離は電気自動車で、遠距離はハイブリッドというように
棲み分けが進んでいくことになると思います。
住宅では電気自動車に対するサービス機能が欠かせない要件になると思います。

写真は函館の市電の様子。
昨年、久しぶりに乗ってみたのですが、
なかなか速度感と、周囲の風景感覚がちょうど良くて
都市、というものの意味合いをいろいろ考えさせてもらえたものでした。






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行ってみたい街・・・

2010年01月14日 06時38分00秒 | Weblog




仕事の関係で、日本国内は比較的たくさんの場所に行っていると思うのですが、
わたし、海外はそれほど行ったことはありません。
仕事的にもせいぜい北ヨーロッパが多く、ほかでは北米くらいでしょうか。

たまにBSやCSのチャンネルを見ていると、
海外探訪ものなどに目が行くことが多いのですが、
そういう願望がもともと強いのかも知れません。
で、不思議とそういう番組でよく出会う都市がありまして、
すっかり、わたしのなかで夢の街と化しております(笑)。
写真はWikkipediaにあったもので、使用許諾されたものですが、
街の名前はフェズという街でして、アフリカ大陸の北西岸、
モロッコ北部の街です。その旧市街なんですが、世界遺産にも登録されているそうです。
イスラム教圏の都市、という意味でも知りたいなぁと思うのですが、
この街の様子を、画像で見ていて驚嘆させられるのは
道路が非常に狭くて、まるで迷宮になっているようなのです。
住居は、外側に閉じられていて内部には開放的な天窓というか、
大きな中庭のような空間がしつらえられている。
屋上は「女の空間」だそうで、洗濯物を干したり、
家事作業をする空間になっていて、丸天井のもと、
隣近所のひとと、「井戸端会議」する場所になっているのだそうです。
なかなか、この街の住宅の平面図のようなものがインターネットではわからなくて、
いったいどういう暮らし方をしているのか、
興味がムクムク状態になっているのです(笑)。

砂漠のような気候に対して、
どのような住宅を造ってきているのか、
単純にそういう部分が興味を引かされるのですね。
それと、イスラムの社会の生活習慣とか、知りたいなぁと。
先日見た番組では、水道のことにも触れられていて、
昔から地下水を汲み上げて、土地の高低差を利用して
各家庭に水路を順繰りに回して行っているさまが見られました。
自分の家の分を大きな水瓶に貯水するわけですが、
伝統的な絶対のマナーとして、次のお宅への清潔の配慮が考えられていました。
また、旅人から求められれば水を供給するのはイスラムの最大のマナーなのだそうです。
街の端々に、馬などの動物への水場も確保されていました。
そういう全体としての街のありように強く惹かれたのです。

しかし、この街でも旧市街とは別に新市街が造成されていて、
若い世代の人たちは、現代的なマンションでの生活に憧れているのだそうです。
エトランゼとしてみれば、なんとも暮らし方の豊かさを感じさせてくれる
旧市街なのですが、やはりわかりやすい「快適性」の部分で
そういうものに飛びつきたいのが人間なのでしょうか。
番組では、フランス人のリタイアした学者さんがこの街に惹かれて
終の棲家として購入し、昔ながらの職人を捜して、
いわば「古民家再生」的な住まいを作って住んでいるのも紹介されていました。
その両方の志向性が理解できるなぁと。

まぁ、あまりにも遠すぎるし、
それに短期間ではちょっと雰囲気も掴めなさそう。
住宅と文化の取材くらいしかテーマはないので
リタイアしたあとの楽しみとして、カミさんに希望を伝えても
旅行願いは却下されるのは間違いないだろうなぁ・・・(笑)。





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北方日本の暖房の歴史_8

2010年01月13日 06時04分45秒 | Weblog




写真は「蓄熱暖房器」の解剖写真です(笑)。
大変単純な構造になっていて、200Vの電熱線が配線されている周囲に
蓄熱のための「レンガ体」が配置されているという原始的とも言える機器。
こういうものなので、メンテナンスというのがほとんどいらない。
まぁ、地震などの時に転倒すると困る、という程度。
そのために建物としっかり固定させる必要がある。
ただし、場所を取る(笑)。
けっこうでかいのですね。
熱を持っているものなので、あまりカーテンと近づけたくはない、
周囲に可燃性のものは置かない方がいい、
などという条件を考えていくと室内の広さが一定必要になる。
っていうようなことが、住宅設計上、注意しなければならないというところ。

きのうも触れましたが、
この暖房方式では、蓄熱の容量が限度があるので、
燃焼機器の暖房のように、必要に応じて暖房をどんどん焚くというわけにはいかない。
必然的に、住宅の性能の方で熱ロスを抑えない限り
安定的な室内環境を維持できない。
ほかの地域の条件とは格段にきびしい条件の中で、
北海道電力や東北電力はオール電化を進めなければならなかった。
要するにビルダーによってはオール電化をお勧めできない場合がある、ということ。
こんなことが、全体としての住宅性能向上に
大いに力になった部分があるのではないかと思います。
実際に、2×4ビルダーとしては地域一番店と思われたビルダーさんの
住宅実例をオール電化初期に取材しましたが、
そこではいま考えると、過剰なまでの台数の蓄熱暖房器が設置されていた。
やはり、万が一寒かったら困る、というプレッシャーは相当だったのですね。
その家ではなんと、真冬でも窓を開けたりして室温を下げていました。
初期にはそのような過剰反応まで出たりしていたのですが、
ビルダーさんの方でも、自分の建てる住宅の性能について
見切りも付いてきて、またそういう性能を数値化して計算も可能になってきて
徐々に、暖房機器の台数は減少していきました。
現在では十勝地方で、1台だけで済ませているケースも出てきています。
しかし、多くのビルダーさんにとって、
オール電化住宅のブームのお陰で自社の住宅性能が向上した、
というのも見逃せない事実なのではないかと推測いたします(笑)。

北海道でのオール電化は、
現在までに約20年くらいの実績が積み重なってきていますが、
考えてみると、こういうこともやがて歴史的なことになっていくものなのだなぁと、
不思議な気持ちになってきますね。
当初は、電気で暖房なんて・・・、
という声が一般的だったものが、
いまでは、新築では常識的にオール電化、という選択になってきている。
まさに隔世の感しきり、といったところです。






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北方日本の暖房の歴史_7

2010年01月12日 06時21分55秒 | Weblog




北海道では、ほかの地域とはまったく違う暖房の発展を見せていた。
北東北の一部で、北海道に追随するような動きが見られたけれど、
それ以外ではまったく暖房が進化する、という動きは少なかった。
たぶん、セントラルヒーティングと言っても
関東以南では、聞いた人が理解できなかったものと思います。
そういう状況だったところに
各電力会社が、「オール電化」住宅ということを唱えだした。
いまから20数年前ということになります。
家中のエネルギーを全部電気でまかないましょう、
とくに北海道では「電気で暖房しましょう」ということがポイントだった。
こういうキャンペーンを行ったのは、
世界的にもきわめて珍しかったのではないかと思います。
北欧の一部で電気による暖房は行われていたとはいえ、
それは豊富な北海石油のお陰で国内の電気料金が大変低コストで入手できる、
というような条件があってのことであって、
日本のような電気コスト構成の中での提案は珍しいものだったと思います。

こういう提案は、
しかし、住宅性能の向上が基本的な背景としてあったもの。
高断熱高気密になれば、室内空気を必要とする燃焼系機器では
室内に水分を結果させることもあり、確かに合理性はあった。
また、社会全体のエネルギー利用として考えたら、
昼間の必要電力量にあわせた配電システムを維持するためには
たとえ、利用されなくても深夜にも電気を通電させていなければならない。
その社会的な無駄になっている「余剰電力」を
生活利用する、というのは大きな意味での無駄をなくすることにつながる。
どうせなら利用した方が社会にとって価値がある、
っていうような側面もあったのです。

まぁ、とにかく北海道では
「え、電気で暖房するの? 大丈夫なのかなぁ」
というのが一般的な反応だったと思います。
それはコストの心配が一番大きなものだったといえるでしょう。
深夜電力利用普及のために、ドリーム8(北海道電力)などの
低価格な電力メニューが用意され、大きくPRされていきました。
さらにこのようなエネルギーの転換のために
地域密着型企業の典型とも言える電力会社が、一生懸命にセールスする、
というような意味合いでも、画期的だったと思います。
それぞれの地域で、地域で住宅を造っている企業に対して
営業活動を行っていったワケですね。

写真は蓄熱暖房器ですが、
安価な深夜電力を夜間に通電させて
それを内部のレンガ蓄熱体に熱として貯えておいて、
ゆっくりと室内に暖房熱源として放熱していくのです。
また同時に温水器で給湯をまかない、
キッチンではクッキングヒーターで調理する、という3点セット。
まぁ、北海道や東北ではそういうセットだったのですが、
それ以南の地域では、とくに暖房のないオール電化というものだったようです。
北海道の常識では「え、なにそれ」というところですが(笑)
しかしそれだけ北海道の住宅が性能進化してきていることも表していた。
住宅ビルダーの方にしてみると、
燃焼系のエネルギーを使っている分には
たとえ、性能の良くない住宅を造っても
暖房費はかさむけれど、まぁ購入時点ではそれほど問題にならない、
そういうふうにも逃げ道があった(?)けれど、
オール電化と言うことになったら、電気機器の暖房熱量には
はっきりと計算値としての限界が設定されるわけで、
そういう意味で、明確に住宅性能のそのままがユーザーにも知れ渡ることになる、
っていうようなプレッシャーがあったものと思います。
従って、北海道の住宅性能の向上には、
このオール電化という考え方は、相乗的な効果を持っていたといえるでしょうね。
しかし、当初のキャンペーンでは
「未来の住宅のかたち」というような訴求が多くて
モデルハウスを一般の人が見に行って、
「あんな高額なのでは、ウチには無理」と感じていたという声も聞きました(笑)。
そんな反省から、徐々にコスト的にも安心だというキャンペーンに
方針転換が行われ、浸透していったと思います。

さて、きのう坊主が名古屋合宿から帰還。
相当に疲れ切っている感じで、まぁ、修学旅行みたいなもので
きっと合宿先で寝不足に陥っているものと思います(笑)。
疲れていて何が怖かったのか、父の寝床の隣に来て
爆睡モードであります(笑)。





北のくらしデザインセンター
NPO住宅クレーム110番|イザというときに役立つ 住まいのQ&A
北海道・東北の住宅雑誌[Replan(リプラン)]|家づくり・住まいの相談・会社選び
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