三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

東大での講義、無事終了

2013年05月11日 09時29分06秒 | Weblog



さてきのうは、身に余るお役を仰せつかった東大での講義。
東大の学生さんたちに、学生時代ほとんど勉強した記憶がない(笑)わたしが、
こんなふうに講義を依頼されるというのは、
まことに人生の不可思議さと、玄妙な思いが胸に去来いたします。
でもまぁ、どんなことでもあちらから来たお話しは、
なにかの機縁でしょうから、ありがたくその機縁に感謝して
誠心誠意、微力ながら、務めさせていただきました。
講義後、申し出をいただいた前真之東大准教授から、
過分なまでに喜んでいただけたこと、
深く感謝申し上げたいと思っております。

さて、その後、故あって
沖縄に来ておりますが、追いかけるように
前さんの研究室から「ミニテスト」採点依頼というのが来て
これも仰天させられました。
え、今度は学生さんを「採点」までするの? というところですが、
でもまぁ考えてみれば当然で、
講義を行ったわたしが行うしかないワケですね。
学生さんたちの「答案」には、
こちらの意図を遙かに超えるようなお答えもあり、
むしろ、謹んで意見を聞かせていただいた、という感じであります。
ひとつの設問で、
地球を「外断熱」しているものはなにか?
という設問をお出ししたのですが、
まぁ、答としては「大気」と言うことになるわけですが、
さすがに活発に意見が書かれていてまことに楽しい。
ふむふむと読みながら、若いみなさんと対話しているような気がしました。
やはり若いみなさんは、生きている時代感覚が違う部分もあります。
司馬遼太郎さんの著作の一節を引いたりしていたのですが、
ふと気付いて
「みなさん、司馬遼太郎さんの本を読んだことありますか?」
と質問してみた次第。
やはり不安的中で、誰も読んだことがないそうです。
ちなみに40代の前先生は愛読されていたということですから、
やはり時代の移り変わりと言うことを表しているのだろうと、
深く納得させられました。
コミュニケーション、私たち年代が当然と考えるものも、
やはり環境が大きく変わってきているのでしょうね。
逆に「じゃぁ、みなさんはどんな本を読んでいるのですか?」と
質問すれば良かったと思いましたが、
時間が本当に足りなかったので、やむを得ませんね。

そういうことですが、
まぁなんとか、お役は果たせて、ほっと安堵であります。


<写真は、東大本郷の構内の様子。正面が工学部11号館>
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絵巻絵画の描写力

2013年05月10日 07時30分26秒 | Weblog




ことしは伊勢神宮と出雲大社の「式年遷宮」にあたります。
それもきょう10日が、伊勢の方はクライマックスなんだとか。
まぁ死ぬまでに一度は伊勢には行ってみたいのですが、
まだ、霊験あらたかな伊勢には行けておりません(泣)。
なんですが、その神社の年にあたって、
上野の国立博物館で、「大神社展」というエスニックな催事が行われているので、
今回出張の貴重な勉強機会として、見て参りました。

先日、真言宗でも偉い位階をお持ちのわが家のお坊さんと
宗教談義で盛り上がっていたのですが、
そのとき、お坊さんなのに
「いやはぁ、神社って面白いんですよ」と笑って話されていましたが、
この展示で見られる「神宝」の数々は、
まさに歴史のワンダーランドであります。
わたしたち民族のなにごとかに深く触れてくるのは間違いがない。
なにを見ても、深く啓発されるものばかりなんですが、
ひときわわたしの心に突き刺さってくるのは
「縁起」という絵巻物の類であります。
まぁ以前から大好きで、死ぬまでに一枚でもいいから手元に欲しいほどなんですが、
今回は、藤原氏が造営したという春日権現さんの絵巻物と、
やや時代を下った豊国社祭礼の屏風図にまったくノックアウトされました。
写真はインターネットで探したその絵巻物写真(一部)ですが、
まことに一瞬の切り取り方の中に
その時代が醸していた空気感が凝縮して表現されていて
まことに生き生きと伝わって参ります。
掻かれている人物が、それぞれにその瞬間になにを為そうとしていたか、
そういうものが観るものにありありと見えてくる。
春日権現のほうの解題を読んでみると、
こういう絵巻物の製作発願は有力者による文化的営為であり、
スポンサーになって、今日で言えば映画を制作したようなものだと
思い至りました。
どんな人物にもみごとにキャスティングが為されていて、
それぞれのドラマがきちんと「取材」「表現」されている様子がわかる。
わたし自身も、現代日本でそういう類の仕事をしているので
なにか、こういった表現者たちに感動を覚える部分がある次第です。
それも昔人の肉筆感が伝わってくる迫力は
圧倒的な臨場感でこっちを刺激して止みません。う~~~む。
やはり、歴史はこういう伝播力が必要ですね。
こういうことが感受できると
人間社会、またまったく見方が変わってくる部分がある。
まことにいい体験をさせていただきました。

さて、本日はいよいよ、東大工学部での講義であります。
なんとか、なにかのお役に立てられるものかどうか、
一生懸命がんばりたいと思います。ではでは。


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北海道サクラ開花予想

2013年05月09日 03時49分26秒 | Weblog



気象庁からの発表であります。
2013年の桜の開花前線は、津軽海峡を1週間かけて渡り、
5月6日にようやく北海道(松前町)に到達しました。
ゴールデンウィーク期間中の寒さの影響を大きく受け、北海道の桜の開花と満開は
平年より1週間から10日遅いところが多いでしょう。
札幌の開花は5月12日の見込みで、
およそ30年ぶりの遅い記録となりそうです。
桜前線の終着は根室で5月23日でしょう。
開花から4~5日で満開になるところが多いでしょう。

ということであります。
きのう、久しぶりの青空が広がって
空が明るいというのに、なんとも感動させられておりました。
まぁ、幸せ感じ上手、ということでおめでたいものです(笑)。
で、クルマで町を走るとあちこちでツツジが咲いたり、
レンギョウが咲いたりしている。
この寒さですが、季節は確実には歩んできているのだと気付きました。
まぁそうはいっても、サクラのつぼみは堅いままのようで、
さてどうなるのかなぁというところですね。
でも悲しいことに、本日からしばらくは出張の身の上になります。
とは言っても例の東大での講義と、その後の週末を利用しての沖縄行きです。
あたたかい、というよりも暑いくらいの予想温度25℃以上なんだとか。
札幌ではまだ、ダウンジャケットが手放せないほどなのに
もうすっかり初夏の地域に移動することになるので、
着ていく服もまことに微妙であります。
北海道では長時間外にいる時間はないので、
シャツは半袖にしていくようにカミさんからは指示がありまして、
そうする予定ですが、1枚は長袖シャツも持参する。
しかし4泊5日程度だし、なるべく身軽で行動したい。
ということなんですが、なかなか季節感の違いに惑わされる時期ですね。
まぁしかし、せっかくの北海道の長く待ったサクラの開花をみられないかもという
ちょうどこの時期に出張がぶつかってしまうのは、いかにも残念です。
できれば、帰ってくる13日以降にサクラは開花してほしい。
なんていう罰当たりなことを願ったりもしている次第(笑)。
せっかくのGWもまったくの期待はずれで、
悲しい連休を過ごした北海道民としては、
小さな幸せの願いでもあります(泣)。
ということですが、まぁ、元気に行ってきたいと思います。ではでは。
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Adobeのソフト「料金改定」

2013年05月08日 07時30分19秒 | Weblog



きのうは現在取り組んでいた作業に一定の方向性が出て、
ほぼメドが立って参りました。
ということで、ここからはある程度、仕上げのような段階に突入であります。
そういうことで、ここしばらくはMacと格闘する毎日なのですが、
Adobeがかなり大胆な「料金改定」を発表した。
Adobeというのは、ソフトの会社でPhotoshopなどDTPの世界では
Appleとともに基本を構成する企業です。
その会社が、これからはクラウド上でサービスを提供して
既存のユーザーは毎月5000円の「使用料」を払って、
ソフトを使うようにサービスを根本的に変えていくと発表したのです。
1ユーザーあたり年間で60000円の出費になります。
人数が多くなれば、その倍数というのがかかる経費ということになる。
これまでは、DTPに使用するソフト群がワンパッケージで、
おおむね100000円程度で購入できていた。
アップグレードというのは、バグに遭遇する確率も高いので
すこしずつやっているケースが多く、
まぁ、3年に一度くらいしか、アップグレードはしないので、
単純に言って、この率で計算していくと、
年間に掛かる経費は、場合によっては倍以上になる可能性がある。

きのうも缶詰めで自宅で作業していたので、
きょう会社に出て、いろいろな情報を集めていかなければなりませんが、
なかなか悩ましい発表だと思わされております。
ソフトの会社というのは、事業環境が大きく変わってきているので
やはり経営、かなり難しくはなっていることは理解は出来るのですが、
さりとて受け手側としては、唯々諾々と受け入れられる内容とは言えない。
Windowsにしても、PCメーカーの地盤沈下状況があって、
今後の事業展開は難しい舵取りだろうと思います。
いわんや、各ソフトウェアの企業では、
スマホやタブレット端末などの拡張で、PCの事業分野が小さくなっている。
Adobeのような専門的な領域の企業にとっては、
死活的な事態が進行しているということなんだと思います。
ディファクトスタンダードという言葉が踊っていた頃、
事実上、ひとつの会社が業界標準を握っていく事態が進行した。
その弊害がささやかれてはいましたが、
それが、このような独占的発表というかたちで表面化してきたのではないかと思います。
ユーザー側にどのような対応手段があるのか
ちょっと見通せないのですが、
慎重に対応していきたいと思っております。むむむ・・・。


<写真は、無関係のマンガ文化展示です>
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明けない夜はない、かなぁ?

2013年05月07日 05時33分20秒 | Weblog



今朝も早くに起きて仕事であります。
完全に時間軸が変わった生活になってしまっています(笑)。
小さいとき、高校くらいにこれくらいの勉強時間を確保していたら、
だいぶ違った人生になっていただろうか、と想像すると、
さてどうだったのか?
しかし、きのうも思ったのですが、
あの時こうすればよかった、とかの考え方を、最近、すっかり忘れています。
歳とともに、振り返るよりも先のことへの想像力の方が勝ってきて
どんどん未来志向が強まっております。
たぶん、息子と話す機会が多いことがその理由なのだろうと考えています。
息子と話していると、
父親として、ああすればよかったとか、そういう後悔を思うゆとりはなくなる。
いっしょにこれからのことを真剣に考えると
よし、こうしてみようとか、
これからの人たちのことを考えたら、
自分は今、何をしなければならないのか、
というように考えるようになる。
自分自身のことも相対的に考えられるように思うのですね。
もちろん、振り返って自省することは必要欠くべからざることではあると思うのですが、
また、自分自身のこともひとつの駒、役割だと認識することも
自分自身で驚くほど、前向きな考え方をさせる力がある。
まぁどうせ、生きている時間には限りがあるのですから、
なにかの役に立てれば、それがいちばん幸せなのだと思うのですね。
っていうようなことで、夜中に仕事に精を出しております(笑)。

で、きのうまで天気に愚痴っぽいことを書いていたら、
東の空が、やけに明るく感じた。
タイトルのような印象を持ったのですが、
いま5時半になってきたら、ふたたび雲が多くなってきました(泣)。
まぁでも、きのうまでのような雨降りではない。
ようやくにして、雨から逃れられるかも知れません。
なんとか天候も前向きになって欲しいものだと思います。
さて、もう一踏ん張り、頑張るぞっと。


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5月GWに雪かよ(泣)

2013年05月06日 11時30分53秒 | Weblog



今朝もひたすらデータ制作に精を出しておりまして、
世間の連休はいっさいわたしに関係ないものと思っておりますが、
しかし、今朝もまた札幌は雨でありまして、
これで連休中はすべて雨という信じられない悪天候であります。
で、テレビを見ていたら、帯広では8年ぶりとかで
雪が積もっているのだとか。
いやはや、オホーツク海に停滞しているという低気圧、
なんとも殺生でありますね。
わが家は、坊主がきょうは特別テストとかで出掛けていまして
まぁことしはそういう行楽には縁がないのでいいのですが、
ほかのお宅の子どもさんたちのことを考えたら、
なんともお気の毒と言葉もありませんね。

それにしても、この悪天候はどういうことなのでしょう。
東北に冷害をもたらすという「やませ」は、
夏に近づいてから、一向に気温が上がらずに、という状態。
今年の場合は、そのずっと前の春自体がこない。
たしかに雪は融けたので、まぁ季節としては春になるのでしょうが、
気温はまったく上がらず寒いままで、エアコンはずっと暖房運転しています。
東北の津軽、弘前でもサクラが遅れていて、
連休にも5分咲き程度なのでしょうか。
いわんや、北海道においておや、でして、
サクラの名所も各地で、まったくつぼみが膨らまない。
静内の二十間道路のサクラ、楽しみにしていますが、
きのうHPでチェックしても、サクラは堅いつぼみのままであります。
この長雨が5月中旬くらいまでは引きずりそうで、
ことしは観測史上一番遅いサクラの開花になるのではと思われます。
わたし自身は、10日の東大での講義が終わるまでには、
ほかの執筆作業も完了させ、その週末には少し休息したいと考えています。
でも、この調子では来週末もこういった天候が続いていそうですね。
春よ来い、って歌もややヤケ気味の今日この頃であります。
やれやれ・・・。

写真は寒々しい、近所の「屯田兵屋」であります。
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日本人の色彩感覚

2013年05月05日 19時46分02秒 | Weblog




日本人と西洋人には色彩について
多くの相違点があるように思います。
雑誌の仕事などをしていると、必然的に色彩について
いろいろ感覚すべき世界が広がるのですが、
やはりこの世界は奥が深いなぁといつも思わされる次第。

色彩感覚というのは、
やはり四季が織りなす自然からの色彩情報をどれほど
いっぱい感受するかで決まってくるのではないかと思います。
きっと民族ごとに、その受容する色彩には違いが微妙にあるに違いない。
だんだん歳を取ってきて
花鳥風月、という日本的感受性に、
抗うことの出来ない、圧倒的な力を感じるようになってきた。
ヒマラヤ山脈がアジア大陸とぶつかって
そこから吹き下ろされる偏西風が、日本海や東シナ海という
湿度の多い海を渡ってくることで
四季に十分な水分がたっぷりと加えられて、
日本では樹木が自然的に力強い生命力を持っている。
そして、伝統的に日本には金が発掘されてきた。
塗り壁の色彩世界の彩りの鮮やかさは、ちょっと驚くほどです。
印刷のインクの世界でも、ジャパンカラーという
オリジナルの色味が存在していて、
日本人の豊かな感受性を表している。
いろいろな色彩の世界を眺めていて、
本当に日本に生まれた悦びを感じてしまいます。

本日も多忙で、ブログ更新に気付きませんでした。
この調子では、そのうちついに継続が途切れるかも知れません。
なかなか、厳しくなってきました。
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かきの店「開~ひらく」

2013年05月04日 19時30分22秒 | Weblog



昨晩は久しぶりに夫婦で会食に。
高校の先輩で、不動産関係の仕事をしていた後、
奥さんといっしょにかきの専門店を開いている藤井さんという方がいまして、
そちらのお店で、かきをおいしく食べさせていただいておりました。
実は、Replan100号の記念行事で東北の被災地の小学校に
プレゼントをする企画を行っていまして、
そのボランティア署名にご協力いただけたので、
そのお礼を兼ねて行ってきた次第であります。
かきは大好物ですが、
こちらのお店では、年中、いろいろな産地のかきを食させていただける。
厚岸はかきの名産地で、
湾内にかきが蝟集して、島のように盛り上がっていた、という伝説があるほど。
かきの専門店という目の付けどころが良かったか、
いやそれ以上に、女将さんの奥さんの
家庭料理、いわゆる「おばんさい」のメニューが魅力的なので、
いつ行っても飽きの来ない家庭料理風の親しみやすさがあるようです。
店内でも、おひとりで来られている方も多く、
きっとそういった家庭的な味が郷愁を誘っているものと思います。
ぜひみなさん一度、味わってみてください。
お店は、かきと旬鮮料理とおそば 開(ひらく)
札幌市中央区南1条西5-17-2
プレジデント松井ビル2F
011-241-6166  17:00~23:00(ラストオーダー 22:00)

本日は、すっかりブログ更新を失念しておりました。
ほぼ徹夜のような状態で仕事していて、
さすがに睡魔が襲ってくるのですが、
それでも日ハムの試合が始まってからは、そっちも気になる。
で、きょうは本当にフラストレーションの溜まる一戦でしたね。
捕手の大野君のリードを見ていて、
その外角低め一辺倒の要求ぶりを見ていて
ちょっと理解出来なくなっておりました。
なにか、意図があったのか、
あれだけ一辺倒のリードでは、相手打者やベンチに読まれやすくなって
狙いを絞りやすくなるという不安は素人にも感じられる。
案の定、点を取っては取り返されるという消耗戦。
まぁ、かれだけの考えではなかったのかも知れませんが、
どうもベンチや、ほかのチームメート、投手陣・野手陣と
呼吸があっていないように感じられてなりませんでした。
キャッチャーにも「スランプ」っていうのがあるのかどうか、
これだけ、出てくる投手が先頭打者に四球を与えるのも記憶にない。
むむむ、明日に影響しなければいいのですが・・・、やや不安です。
がんばれ大野君、頑張れ北海道日本ハムファイターズ!
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進まない季節

2013年05月03日 06時15分57秒 | Weblog



どうも北海道は、春が来ません。
一応雪は融けて、道路はアスファルト面が露出するようになったのですが、
そこから雨と風の強い日々が連続しています。
たまに日中、やや薄日が差すくらいが関の山。
GWとはいっても、行楽に行けるような天候にはほど遠く、
堪え忍ぶような春の遠さを実感させられる毎日であります。
サクラは、もう1カ月以上前、3月中下旬には本州地域では
咲き乱れて、すっかり散って、
もうすっかりサクラのことは忘れていることと思いますが(笑)、
当北海道では、この調子では5月下旬くらいにまで
開花しない可能性があると思います。

きのうは夜、スタッフと会食していたのですが、
出掛けるのについに真冬のコートを再度着込んでおりました。
氷雨と強い風で、体感的には真冬並みの寒さ。
実際にヒョウとかも降ってきて、
ふるえながら帰宅であります。
ここまで長雨が続く春、というのも記憶があんまりない。
シベリアからの寒気団がことしは異常に強力なのでしょうか。
冬と夏の気団がせめぎ合って、ちょうど梅雨のような状況が
今のこの時期の北海道に現れているような感じです。
今朝も窓を開けたら、またいつものように冷たい雨が降っております。
きょうから4連休と言うことですが、
この天候では、どこへも行きようもない。
まぁ、わたしは執筆作業があるのでいいようなものですが、
せっかくの休みに冬ごもりというのも、景気にも非常に悪影響。
なにか切り替えて、家の中でも愉しめるようなことを
考えていかなければならないように思います。
でもそういえば、きのうの仙台でのナイターでも
選手たちは寒そうに戦っていましたね。
きっと全国的に寒い春なんでしょう。
ただ、いっときの暖かさで温暖地では一気にサクラまで開花したけれど、
その恩恵が全くないまま、季節が閉じ込められているのが北海道のようです。

春よ、こい、早く来い!というところであります。
あんまり快活でないブログで申し訳ありません、
つい愚痴っぽくなってしまった(笑)・・・。
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お坊さんから中国仏教事情を聞く

2013年05月02日 08時36分43秒 | Weblog



日本人というのは、インド発祥で東アジア全体に大きく広がった
世界宗教としての仏教に大きな影響を受けてきた民族だと思います。
読み進めて、ついに読了した「黄金国家~東アジアと平安日本」という歴史専門書を見ても
いかに仏教世界が現実政治に深く関わっていたか、
思い知らされる気が致しました。
であるのに、わたしたち戦後教育では、こうした宗教への理解はまことに少ない。
アメリカの東洋史研究者であり、駐日大使を務めたライシャワーさんが
唐代中国を旅した比叡山第3代天台座主、円仁さんの日記
『入唐求法巡礼行記』を研究して発表されてはじめて
その世界史的意義に気付くというような状況にあるわけです。
写真は中国の「五台山」という仏教聖地なわけですが、
ここを円仁さんは日本の宗教界を代表して訪れ、
その遣唐使としての、国家的な目標を果たすことになるのですね。
そういった知識を得ることが出来て
はじめて、東アジア世界の時の流れが理解出来る部分がある。

きのうは、母親の命日の法事で
わが家のお寺さんに来ていただいてお経を上げていただいたのですが、
その直来として、お坊さんにお話を伺っていた次第。
文化大革命以降、ようやくにして中国国内でも仏教が復活して来たようで、
そうした事情をいろいろお教えいただいておりました。
わが家は真言宗でして、弘法大師・空海さんが開祖です。
文革以来、日中間では宗教界の交流も盛んになって来たそうです。
共産主義が一応国是になっているのですが、
その範囲の中で実質的に宗教はその自由を取り戻しているようです。
まぁ本音と建て前を上手に運用できるようになっているということのようですね。
で、高僧になればなるほど、
「仏教の伝統が一度滅んでしまった中国は、日本から学ばなければならない」
というような率直な言葉が出てくるのだそうです。
こういった東アジアの歴史を共有する時間の長さ、
その深さというのは、やはり人類史上でも稀有の民族関係だと思います。
奈良時代には、中国の枢要な高僧である鑑真が、
日本の衆生を救済したいという崇高な理念に燃えて、
ときの皇帝の禁令にも逆らって日本への渡航を2度までも失敗しながら、
3度目にしてようやくの思いで日本への上陸を果たした。
その苦難の旅で、かれは失明したけれど、
日本側は「唐招提寺」を建立して、その辛苦に報い、
世界宗教、文化としての仏教世界の真髄を受け入れようとしてきた。
また、生き仏としてのダライラマのありよう、
その宗教指導者の伝承の仕方などには、東アジア的な王権の伝承のありようとも
大いに関係したに違いない、経験知が存在しているようにも思えました。

いまは仏様になっている母の供養に
いいお話が聞けたなと、手を合わせている次第であります。
合掌。


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