ロビンソン本を読む

本とデザイン。読んだ本、読んでいない本、素敵なデザインの本。

小説『ぼくの伯父さんの休暇』

2018-09-14 18:16:45 | 読書
 『ぼくの伯父さんの休暇』(リブロポート)を近所の古書店で買った。





 箱入りの本で、中から出すと、一瞬フランス語の本かと見間違うような表紙。
 装丁は茂木隆行氏。

 ほぼ毎ぺージに挿絵が入っている。ピエール・エテックスのこの絵を見ているだけでも楽しい。

 アマゾンで調べると、この本の後にアノニマスタジオから、青と白のたてストライプの表紙のものが作られたことがわかった。
 さらに中公文庫からも出ている。

 そしてこの本は、映画『ぼくの伯父さんの休暇』のノベライズだということを知った。
 映画の感想をネットで見てみると、なんだかとってもおもしろそうだ。

 それならば、本を読む前に映画を見るべきだろう。(2011)



オモン・ラー

2018-09-14 14:21:37 | 読書
ヴィクトル・ペレーヴィン『オモン・ラー』




 表紙に不思議な写真が使われている。

 月面らしき地に立つ、宇宙飛行士らしき人物。顔は鳥らしきイラスト。
 身体と頭の接合部分は、タイトルが入る白枠で隠れて見えない。

 このちょっと不気味な雰囲気は、そのまま小説の異様さに結びついている。

 オリジナルのロシア語版の表紙はわからないが、英語版はアマゾンで見ることができた。
 真っ暗な宇宙空間に浮かぶ、白い宇宙飛行士の写真。古代エジプトの太陽神ラーもいるものの、怪しさがない。

 佐々木暁氏デザインの日本語版の方が、これから何が始まるのかわからない期待を含んでいる。(2011)





表1と表4は同じデザイン

活字と自活

2018-09-14 12:14:05 | 読書
荻原魚雷『活字と自活』




 この本は、フリーライターの辛さがにじみ出ている。

 著者が古本の中に、先人の悩み、生き方をみて共感し、救われているように、同じフリーランスという立場で、この本から教えられることは多い。

 荻原氏の名前を初めて知ったのは、神保町で見つけた『古本暮らし』だった。

 林哲夫氏の奥行きのある絵に、間村俊一氏の柔らかい装丁の本で、扉の隅に著者のサインがあった。
 自信なげに小さく記された文字を見て、この人は女性だと思い込んでしまった。本の半ば、奥さんが登場するまでは。

 上製本の『古本暮らし』より、並製で、どことなくフリーペーパーの匂いがする組み方の『活字と自活』の方が、荻原氏の文章には合っているかもしれない。(2011)