ロビンソン本を読む

本とデザイン。読んだ本、読んでいない本、素敵なデザインの本。

20世紀のパリ

2018-09-16 19:41:25 | 読書
ジュール・ベルヌ『20世紀のパリ』




 閉店する古書店が半額セールを行っていた。

 ジュール・ベルヌの『20世紀のパリ』を見つけ、262円で購入。

 読んだことはないが、ジュール・ベルヌの驚くべき数々の予言が書かれているらしい。(沢木耕太郎『ポーカー・フェース』によると)

 いま20世紀と聞くと、少々古い世界を想像するが、この小説が書かれたのは1800年代なかば。20世紀が未来だったころの話だ。

 過去となってしまった未来。

 日本語版のこの表紙は、出版されたのが20年近く前なので、若干古い雰囲気を持っているが、過去からみた未来が過ぎてしまったことを表しているようにも感じられる。
 いずれは過ぎてしまう、未来のある時期を見据えた装丁だとしたら、すごすぎる。

 装丁は坂川栄治氏。(2011)

ポーカー・フェース

2018-09-16 12:20:05 | 読書
沢木耕太郎『ポーカー・フェース』




 『ポーカー・フェース』を書店で見かけたとき、懐かしい感じがした。

 先に刊行されている沢木氏の『バーボン・ストリート』『チェーン・スモーキング』に似たタイトル周りのデザインのためだ。

 残念なことにこの2冊はいま手元になく、アマゾンで検索して表紙を確認した。

 こんな表紙だったのか?

 なんとなく覚えている記憶というのは、細部がとても曖昧だ。
 『バーボン・ストリート』の刊行は1984年。

 イラストは3冊とも小島武氏だろう。
 旅先での海外の風景を切り取った鉛筆の線画は、フットワークの軽い沢木氏のイメージに重なる。

 タイトルと著者名の周りを四角で囲み、文字を白く抜いているのは共通したデザイン。先の2冊は写植かもしれない。
 装丁は平野甲賀氏。(2011)

 2014年に、新潮文庫から別の装丁で出版されている。(2018)