ロビンソン本を読む

本とデザイン。読んだ本、読んでいない本、素敵なデザインの本。

橋の上の天使

2018-11-02 18:58:59 | 読書
ジョン・チーヴァー『橋の上の天使』





 雑誌『モンキー』vol.15に、ジョン・チーヴァーの短編が6本掲載されていた。

 初めて読んだジョン・チーヴァーは、想像していたより面白かった。

 もっと読みたいと手に取った『橋の上の天使』、実は何年も前に古書店で買ったものだ。


 15本の短編があり、そのうち半分くらいが好みの小説。

 何かが起こりそうな、かすかな緊張感があって、本当に何か事件が起こってしまうと、もとの生活に戻れなくなってしまう感覚が、読後しばらく続く。

 そんな中、表題の『橋の上の天使』は、ホッとする。

 一番最後に入っていて、とても短いのだが、それまでの14編で凝ってしまった身体をほぐしてくれるようだ。


 作中の天使は女性で、表紙に描かれている男性とは、イメージが違う。

 1992年刊行の本で、それほど古くはない。

 しかし写植からDTPへと、変化の激しい時代に取り残されたようなデザインの表紙、という印象はある。

 文字の詰め方は、とっても好きだけれども。



 装丁は渡辺和雄氏、装画は宮いつき氏。


 村上春樹氏訳のジョン・チーヴァーの新刊が出るようで、装丁ともに楽しみ。(2018)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする