↑ A3 サイズの画用紙に無造作に墨をポタポタ垂らして
KITTYちゃんの年季の入った12cmの定規の角を
ツーツ、ツーッと静かに滑らせ【楽】の文字を産む。
自在に滑らかに動く定規。
なんて、なんて 楽しいのだろう。
周りにあるものは全て有難い道具。
「私を使って!いい仕事するよ!」
時折、目の前の道具たちがそんな風に
アピールしているようにも感じる。
ふと思った。
もし、世の中に筆とか、紙とか、墨が無くなったとしても、
きっと私は困らないだろう。
私は大地をキャンバスに見立て、木の切れ端を手に取り
木の切れ端がなければ 自分の指を道具とし、
好きな歌を口ずさみながら 楽しんで、
絵や文字を自由に伸び伸びと書いていることだろう。
もし、目の前に悲しんでいる人がいたら、
何度でも書き直しのきく、おおらかな大地のキャンバスに
その人から笑みがこぼれるまで
言葉や絵を書き続けるだろう。
描くことが、書くことが 好きで好きでたまらない。
気取らず、勘違いをせず、
自分自身を、目の前の人達を、ご縁のあった方々の
心が元気になるような、時にそっと寄り添うような
ぬくもりのある絵や言霊を
生涯届けてゆきたいと、改めて思った暑い夏の日に。