「小さいおうち」を見ました。
ベルリン映画祭で黒木華が最優秀女優賞を受賞のニュースがあり、
1ヶ月も上映しているけれど観客は多かった。
赤い三角屋根に、ステンドグラスがはめ込まれた扉や窓、
蓄音器、煙草セット、紅茶カップなどに至るまで、当時の流行が完璧に再現された。
やがて始まる第二次世界大戦の足音に微かに脅えながら、
だからこそ人生を楽しもうと華やぐ人々の命の輝きが、胸に迫るこの時代。
今、日本が昭和ブームに沸いているのは、その輝きに惹かれるからかもしれない。
一方で、そんな好景気に湧く華やかな日々のすぐ背後には、
恐ろしい戦争へと向かう軍国主義の影が急速に迫っていた。
「この作品は、東京郊外のモダンな家で起きた、ある恋愛事件の秘密を巡る物語が核にあるけれども、
そのストーリーの向こうに、あまり見つめられてこなかった当時の小市民家庭の暮らし、
戦前から敗戦の時代を描きつつ、更にはその先に、
果たして今の日本がどこへ向かっていくのか、というようなことも見えてくる作品にしたい」と
撮影前に語った山田監督。
夫が社長や同僚達とお酒を飲みながら、社会情勢などを話していた。
社長はアメリカへ仕事で行ったことがある。
「我々はひじきと油揚げを食べているけれど、アメリカでは厚いビフテキをバターで焼いて食べている。
そんな国と戦争したって勝てない。近衛首相は利口だから戦争はしないだろう」と話していたけれど・・・。
奥様の松たか子のモダンな着物を着ていた。黒木華は割烹着が似合うということで、
監督が女中役に選んだというだけあり、昭和の雰囲気があった。
本もとても良かったし、映画は昭和の雰囲気が目で見えるので良かった。
普通、映画は原作に勝つのは難しいと思うのだけれど、これはそれぞれ良かった~