ヒマヒマノキ ~歩いて、見て、楽しんで~

庭園・街の花、まつり・名所。いろいろな出会いを,その時々の想いを交えて、皆様にお届けします。

日常の大切さ ~多聞院の庭で~

2023-03-13 | 公園・庭園・名所

所沢の多聞院です。

例の鬼の像が、庭の番人のように鎮座しています。

いつ見てもユーモラスです。

上が「鬼の悟り」、下が「鬼の寒念仏」です。

 

実は、去年シラネアオイの花を見損ないました

ので、もう芽を出しているどうか、あるいは

大きくなったか気になっていました。

残念ながら見当たりませんでした。

その代わりかどうか、「雪割l草」展の札が出て

いました。

 

園内のあちらこちらに可憐な花が顔を出して

いました。たぶん全部雪割草なのだろうと

思います。

ところで、雪割草というのは、ミスミソウ

など総称だそうですが、私には区別が

つきません。

 

上の写真は、鉢植えにしたものと思います。

洒落た感じになっていました。

 

園内には、キクザキイチゲも咲いていました。

しかし、今の時期の中心は花木です。

 

シキビと札がでていましたが、シキミとも

いうようです。漢字ではどちらも「樒」です。

 

オニシバリです。ジンチョウゲの仲間です。

花弁に見えるものは、「萼」のようです。

 

こちらはジンチョウゲ。だいぶ花が開き出し

ました。ジンチョウゲの花も花弁ではなく、

「萼」ですね。

 

アセビが穂状に花をつけています。

 

お読みになっていた方は多いと思いますが、

養老孟司さんは、読売新聞の連載(時代の

証言者:35最終回)で次のように指摘されて

いました。

「近代文明がおびただしい数の虫や生き物を

 殺してきたことに気づいている人はどれ

 くらいいるでしょう。加害する方にその

 意識がないことがいちばんの問題です。

 今のままの人間中心の日常がつづくと、

 多くの生き物の日常は維持できない。

 コロナ禍になり、ウクライナ戦争が起き、

 私たちは日常の壊れやすさを目のあたり

 にしている。そうなると人は、日常の

 ありがたみをかみしめます。」

 

 多聞院は、様々な草木の花を大切にして、

 訪れる人に安らぎを与えてくれています。

 小さな庭とはいえ、その維持には

 苦労が多いことと思います。

 養老さんがいう壊れやすい日常の大切さ、

 多聞院の庭は、もしかしてそれを示唆して

 いるのではないか、そんな思いがしました。


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