中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

西安で(9) 雑記②

2009-11-01 09:11:30 | 中国のこと

 西安の車は10年前に比べると格段に増えた。ラッシュアワーの時には大変な混雑だ。運転はかなり荒っぽく、ちょっと隙間があればどんどん割り込むし、クラクションの音がけたたましい。よく事故を起こさないものだと思うが、Hg君達は滞在中の5日間で5回ほど接触事故を見たと言った。この程度の事故の場合は警察を呼ぶことはなく、当事者同士で話し合い、埒が明かない場合は呼ぶと言うことだ。
 
 車以上にすごいのは通行人の道路の横断だ。西安の車道は広い。その車道を車の流れを見計らいながらどんどん横断していくので見ていてもひやひやする。車はスピードを落とすことはない。これは10年前とは変わっていない。いつか李真に、事故が起こったらどちらが悪いのかと尋ねたら「さあ、人間のほうでしょう」と言ったが本当なのかどうか。横断歩道ではない所を渡るのだから人間が悪いと言えばそれまでだが、横断歩道のある所は間隔が長い。つい渡ってみたくなるのは人情かもしれない。

  西安のタクシーは以前は小型で、それもくたびれた感じのものだったが、今では国産の中型車となり色も鮮やかだ。初乗り6元(約70円)でかなり安い。タクシーの数は多く、市民はよく利用するようだ。私も滞在中は何度も利用した。運転席と客席の間には頑丈な鉄柵が取り付けてある。強盗防止なのだろうが、こういうことをするのは、以前は強盗が多かったのかも知れない。


唐人形
 西安に着いた最初の夜に、通訳の張さんに案内されて粥料理がおいしいというレストランに入った。ここは普通の団体客は案内しませんと言ったが、天井の高い落ち着いた雰囲気の店だった。

 私たちのテーブルにはまだ10代に見えるような女の子がついて、茶を注いだりしてくれた。目の細い下膨れの頬が紅い、純朴そうな娘だった。その顔を見ていると、博物館などで見た唐代の女性の土俑の顔に似ているのに気がついた。

 食事が一通り終わってから手招きしてその娘を呼んだ。怪訝そうな表情でそばに来た娘に「あなたは唐代の人形だね。とても可愛い」と言うと首まで紅くなって小走りに柱の陰に隠れた。その様子がまた初々しかった。帰り際に見送ってくれたので「再見」と言って手を振ると笑顔で応えてくれた。

    Hg君撮影