中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

お客様は神様か。

2009-11-08 09:38:36 | 身辺雑記
 ある新聞の投書欄に、20歳の大学生が投書していた。全文をあげる。


 「お客様は神様」という言葉は、接客指導で「お客様を大切に扱いなさい」という意味でよく使われる。私もコンビニエンスストアでアルバイトをしているので、お客さんに気持ちよく買い物をしてもらえるように、この言葉を胸に仕事をしてる。
 しかしこの言葉を勘違いして、自分が「神様」のように扱われて当然と思うお客さんが増えているような気がする。わざわざ買いにきてやっているんだからと言わんばかりの態度で、店員に無理難題を突きつけたり、不要なレシートを投げつけたり、やりたい放題だ。
 だから、私が買い手の時は、「お願いします」「ありがとうございました」を言うのを忘れないようにしている。それだけでお互い気持ちのよい買い物ができるはずだ。「神様」と勘違いしているお客さんも早く気づいてもらいたい。


 私は「お客様は神様」という表現には違和感を覚えるほうだが、それはさて置いて、買い物をした時には支払いをすると必ず「ありがとう」は言う。これはだいぶ前に、米国ではスーパーで買い物をした客がレジ係に「サンキュー」と言うということを読んで、これは良いことだと思って実行している。喫茶店やレストランで、ウエイトレスが注文の品を持ってきた時にも言う。中国では食卓に出された茶を飲むと絶えずお代わりを注いでくれるが、その時にも「謝謝」と言うが、ほとんどの場合ウエイトレスは小声で「不客気 ブカチ」(どういたしまして)と応じる。何でもないことだが心が和らぐものだ。

 日本では、サービス業従事者、例えば店員やウエイトレスに対して一段と見下したような態度や物言いをする者が少なくないという。まして店側に何か落ち度があると居丈高に怒鳴りつける者もいるようだ。これは自分が「神様」と思っているわけではなく、個人の資質なのだろうが醜いことだ。

 日本のサービス業の接客態度は世界でも有数のものだと言われる。かつての中国やソ連などの社会主義国家の国営企業の従業員の接客態度は最悪と言われていた。およそ客を客とも思わない「売ってやる」と言わんばかりの態度で、言葉遣いも乱暴だったそうで、西安の李真などは店員に怒鳴られたこともあったと言っていた。最近の中国ではかなり接客態度は良くなって、とくに北京オリンピックがあったり、上海万博が開かれることもあって、空港での服務員の態度はここ数年でも格段に良くなっている。それでも一部にはまだ無愛想な店員もいるらしい。

 ことさらに客を「神様」扱いにする必要はない。慇懃無礼でない限り、物柔らかい接客態度でいいし、客のほうも相手をねぎらうような気持ちと態度で接すれば、お互いに気持ちが良いというものだ。

ハナミズキ