中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

雑記・雑感

2009-11-09 11:23:48 | 身辺雑記
稠酒
 先日西安を訪れた時李真の親からもらった稠酒(チョウチョウ)は、アルコールに弱い私でも飲めるおいしい酒だ。私がこの酒を初めて口にしたのは1906年のことで、西安の李真の家で食事をした時に出された。香りの好い、薄く白濁した甘い酒で、アルコール度は2~3度で弱いから、左党は敬遠するかも知れない。李真は甘酒と言う。西安特産のこの酒の起源は古いらしく、趙珩(Zhao Heng)という随筆家は「殷周代に神を祭り、祖先を祭った醴(れい)は稠酒にほかならない。『詩経』「周頌」の「豊年」で詠じられている醴は稠酒である。これで甘酒を作り、祖先にすすめ献じる」と書いている。唐代の有名な詩人の李白は酒豪としても知られていたが、彼が飲んだのはこの稠酒なのだそうだ。この酒ならやはり唐代の詩人杜甫が「李白斗酒詩百篇」と詠じたのも誇張ではあるまい。寝る前にガラスのコップに入れ、小鍋で沸騰させた湯で温めて飲むととても美味い。この酒のことは前(06・9・21)にもブログに書いた。(11/4)



 今年は柿の生り年なのか、あちこちでたわわに稔った柿の木を見かける。近所の農家の畑地の一隅にも色づいた柿がたくさんあり、いかにも秋の風情という感じである。










 こんなにたくさんの柿をどうするのかと思うが、おそらく渋柿なのだろう、放置しておくようだ。干し柿にするにも手が足りないのではないか。(11/5)


食事をしない
 少し前に、NHKが夜の7時半からの「クローズアップ現代」で、「“食”がいのちを救う」というタイトルの番組を放映していた。近頃の若い人たちの中にはまともに食事をせず、アイスクリームやスナック菓子で済ませるのが増えているらしい。要するに一時的に腹が膨れればいいのだ。そのため栄養不足となり、血液が薄くなって、献血しても受け付けられないこともあるようだ。番組に出ていたある大学教員は、主食はカップ麺や菓子だけで、食後にサプリメントだけを飲んで済ませている。彼は食事することには無関心で、食事が生きていくための最低限という時代ではなくなったというようなことを言い、机の引き出しの中の山のようなサプリメントを見せた。このサプリメントを60種類、300錠飲むのだと言う。掌に山のようにサプリメントを盛り上げて口に入れる様子は寒気がするような光景で、これでは絶対にいつか障害が起こるだろうと思った。このようにまともに食事をしない者の多くは、幼時から食事の楽しみを知らないままに育ってきたことがあるらしい。「飽食の時代」と言われる裏にはこのような精神的に貧しい現実があるのかと考えさせられた。(11/7)