中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

千吉おどり

2010-08-23 11:14:56 | 身辺雑記
 毎年8月19日の夜に、近くの児童公園で千吉おどりが行われる。雨が降ると中止で順延はない。千吉おどりは私の家の近くにある千吉稲荷に奉納されるもので、稲荷社の由来や年代は知らないが古くからあるものらしい。







 19日には地区の世話人達が稲荷社の神体3体を公園につくられた祭壇に移して、この前で踊りが奉納される。





 踊りは当市の郷土芸能に指定されていて、この地区の大人や子ども達が参加する。今は保存会ができていて、紺の市松模様に千吉踊りの文字を染めた揃いの衣装で踊る。



 公園の中央には櫓が立てられ、太鼓が櫓の天井から吊り下げられる。囃子方はこの櫓に上がって音頭をとる。



 ひとしきり炭坑節で踊られた後、しばらく休憩。この間に小さい子ども達はあちこち跳びまわったり、櫓の周りに置かれた樽太鼓を叩いたりして興じている。













 保存会には小学生の子ども達のグループがある。



 千吉おどりで音頭をとる子ども達が集められて指示を受ける。



 音頭をとる子ども達の代表の挨拶。



 櫓に上がった子ども達は太鼓を叩いたり、順番に歌う。歌詞には決まったものがなく、歌い手の即興とのことだが、子どもには即興はできないだろうから、決められた歌詞で歌うのだろう。どのような歌詞なのかは聞き分けられなかった。





 櫓の周囲で樽太鼓を叩いて拍子をとる。







 子ども達の踊り。やや覚束ない仕草の子どももいる。









 見よう見真似でついていく幼児が可愛い。




 この踊りはこの地区に伝承されているもので、古くからの住民は多く参加していたが、私の家を含む一角の住宅は新住民ばかりで参加者は少なかった。それで妻にはできるだけ地域の行事に協力するようにと勧めた。それで妻は地域の人たちと親しくなり、毎年保存会から浴衣が届けられ、それを着て踊った。
 妻が参加していた10数年前は婦人の踊り手は今より多かった。踊りの輪を見ていると踊っている妻の姿がだんだん近づいてきて、私に気づくとちょっとはにかむように微笑んだのが懐かしい。逝く前の年は病が進んでいたので踊りには参加せず、2人で踊りを見たが、無心な様子で踊りの輪を見つめている妻の横顔を見ながら、来年にはもういないのだなと思うとたまらないほど悲しく、愛おしく思われた。
 妻の思い出のためにも毎年踊りを観に行き、ささやかな寄進をすることにしている。