上野を後にして品川へ向かいました。ここに在る「原美術館」がこの日2つ目の目的地です。久しぶりの品川です。高層ビルが立ち並んでいます。
駅の山手線内側にはプリンスホテルなどの高層ビル…まず線路に沿ってマリオットホテル方面に進みます。
ゆるやかな坂を上る右側は、ずーっとい高い石垣が続いています。
石垣の途中には、こんな趣きのある通用口(?)も…
広大なこの石垣の中は「開東閣」です。ここは岩崎彌太郎が伊藤博文から買い取った敷地と建物…三菱の賓客をもてなす場として使われているようです。一般人は入ることができない場所で残念です。ここの洋館は旧岩崎邸庭園の洋館や鹿鳴館、ニコライ堂などを手掛けたジョサイア・コンドルのよるもの!ぜひ見てみたいものです。
ここを通り越して住宅街を行くと、「原美術館」があります。ここは実業家、原邦造の私邸として1938年に建てられたもの…手がけたのは、渡辺仁(東京国立博物館本館や服部時計店(現・和光)の設計者)です。美術館になってから、磯崎新(昨年訪れた群馬県立近代美術館などを手掛けた)によってカフェとホールが新設されています。でも築80年を過ぎ、老朽化もあって来年には閉館してしまうとのことです。その前にぜひ行って見たいと思っていたところです。
玄関前の庭にも作品が展示されていました。
光を上手に取り入れた素敵な造りの建物です。
全体がカーブされた作りになっていて、素敵な雰囲気に設計されている建物です。
階段もそれぞれに趣があって素敵です。
暖炉跡でしょうか、壁も趣があります。窓も一幅の絵のような…
建物を見るだけでも価値のあるこの美術館、現代アートの作品ともマッチして、素敵な空間が作られていました。中庭に面したカフェも素敵な空間…外のテラス席でティータイムです。特製泡コーヒーはシュガースティックと共に提供され、美味しかったです。
このテラス席の前の庭にも、イサム・ノグチの作品などが展示されていました。都会の喧騒を忘れる落ち着いた空間に身を置いて、とってもいい時間が過ごせました。この庭には煉瓦作りの建物も…
今回の展示は「加藤泉」の作品展です。
現代美術に疎い私ですが、加藤泉さんの作品は金沢21世紀美術館や新潟の大地の芸術祭で見た気がします…何だかミステリアスな雰囲気で惹きつけられます。絵画や立体作品など多岐にわたる作品が展示されていました。
この日はゆったりしたスケジュールだったので2つのミュージアムを堪能できました。
品川駅に戻る途中、ふとバス停を見ると東京ミッドタウン行きのバスが!ミッドタウンのイルミネーションを思い浮かべて思わず乗ってしまいました…六本木に着いたのは夕暮れ迫る時間でした。
でもあちこち見まわしてもイルミネーションらしきものはなく…唯一有ったのは、この点灯をチェックしているものだけ…なんと、この日の2日後からの点灯でした!開始日の確認を怠った私の失敗…でもミッドタウンの周辺を散策し、買い物をして新宿に戻りました。
良く歩いた一日…遠い時を経た正倉院の宝物に出会い、来年閉館してしまう原美術館に出会えて、充実の一日でした!