千曲市にある「長野県立歴史館」を訪ねました。ここで開催中の開館25周年記念特別企画「土偶展」の見学です。実は秋にあった「国宝土偶展」の全国の国宝土偶大集合を見に行きたかったのですが、たった2週間の会期でどうしても行くことが出来ず…第2弾の「中部高地の土偶展」を見てきました。
国宝土偶は↑左の縄文のビーナスと、このパンフレットの4体の合計5体です。この時の入場者数はすごくて、ニュースでも取り上げられていました。
土偶は縄文時代に人々の祈りや願いを捧げるために作られた素焼きの人形です。縄文時代の中でもその形は変化しています。
今回の土偶展は中部高地の土偶が集められています。
ここでは沢山の土偶が展示されていて、写真撮影もOKでした。あまりにたくさんの土偶たち…まず展示されていた地元の土偶です。富士見町の井戸尻考古館の縄文中期の土偶です。(重要文化財)
これは辰野町の新町泉水遺跡の縄文後期の土偶です。仮面の女神に似ています。
これは復元されたもの…縄文晩期のもので頭部は小諸市石神遺跡から出たそうです。
もちろん地元では茅野市尖石縄文考古館の国宝の縄文のビーナスと仮面の女神があります。(これは複製)
もっと地元、市立岡谷美術考古館の壺を持つ妊婦土偶です。とっても小さな土偶ですがこのタイプの土偶で完全な形のものは貴重だそうです。
この企画展での注目は中部高地の山梨県側の土偶たちです。今まで釈迦堂遺跡博物館で沢山の土偶に出会ってきましたが、今回改めて山梨県の土偶たちに出会えて嬉しかったです。
まず釈迦堂遺跡の縄文前期の土偶です。(重要文化財)
これは南アルプス市ふるさと文化伝承館の鋳物師屋遺跡の土偶です。(どちらも重要文化財)
甲州市の宮之上遺跡の土偶…表情豊かです。
これは以前に韮崎市民族資料館で出会いました。仮面の女神とよく似ていてビックリしたものです。
これは北杜市考古資料館の金生遺跡から出た土偶です。(重要文化財) 金生遺跡と聞いて金精軒を思い浮かべてしまいましたが、字が違っていました。金生遺跡は台ケ原ではなく、大泉の方でした。
こんな可愛らしいものもいくつもありました。人気投票の上位にランクされていました。
展示室内には沢山の土偶たちがいて、どれも縄文時代から蘇ったように生き生きとしていました。夢中になって見学し、充実の時間でした。
ここには縄文時代の建物も復元されていました。
せっかくなので、常設展も見学しました。長野県の生い立ちが分かる展示の数々…興味深いものばかりでした。縄文時代から近世に至るまでの生活の様子や道具など、時代の変遷とともに展示されていました。こんな再現された家も…
近代化遺産の建物(片倉組事務所…現在は岡谷市中央印刷の建物で登録有形文化財)の復元です。 県内に残る近代化遺産の数々も興味深いところです。旧開智学校や牛伏川階段工も…
製糸の機械や生活用品も懐かしく、興味深く見学してきました。
歴史館のある場所は「科野の里歴史公園」になっていて小高い山の上には国史跡「森将軍塚古墳」があります。
ここには「森将軍塚古墳館」がありますが、ここも古墳も時間切れで見学できず…公園内には古墳時代中ごろの村が復元されていて、そこは見学してきました。
森のあんずの花はみごとですし、またその時期にでも訪れたい場所となりました。