いよいよ、早く来て欲しかったような、欲しくなかったような日がやって来た。
退職後のまた癌春人生の夢の一つだった「日本三百名山」完登・・・最後の山として残しておいた、言わずと知れた日本一の山・富士山。
コース上でどこからでもご来光が見える吉田口コース五合目登山口へ前夜の内に入った。
満天の星空も薄くなった4:30、ヘッドランプを点けて出発。すでに300台入る駐車場は満杯。東の空の雲海線上に赤い帯とその上に快晴の青空。6合目でご来光ショーを堪能。
9月になったら空くと聞いてやって来たが、週末で、営業小屋が多いことから一番人気のコースでもあり、凄い登山者の数に驚く。渋滞になることはなかったが、駐車場のおじさんに言わせると、今年の7、8月で25万人を越えた最高記録の勢いが9月になってもまったく衰えないとのこと。下山時にすれ違った人数も凄い。果たして全員泊まれるのかと心配になるくらい・・・間違いなく登山者数も日本一だろう。しかも、外国人がやたらと多い。
あと、目に付くのが、新品の登山靴の多いこと。この富士山に登るために買い揃えたと思われるようなスタイルの若い人が非常に多い。私の周りにも山をやらないのに、家族で富士山だけは登ったと言う人も多い。山そのものよりは人物ウオッチを楽しんでしまう。
そんなこともあり、舐めて掛かったが、予想したよりはるかにきつい山だった(所要時間参照のこと~登りに5時間近くいのはそんなにない)。特に8合目からは空気の薄いこともあり、あえぎながら登った。
しかし、ここ数日で最高という天候に恵まれた。明日からは崩れるらしい。これまでこの富士山を見ては感激したすべての山が見えるのが見えた。
噴火口の向かい側にある最高峰の剣ヶ峰まで行く人は少ないようだ。用意して行った完登記念の一文字を広げて、他人に頼んだ写真撮影もゆっくりできたが、気づいた周りの人から「凄い!」「おめでとうございます」の声や拍手が起きた。
あまりの展望の良さに去りがたい気持ちを振り切って下山開始。残りのお鉢を回って、合流する8合目白雲荘まで須走コースを下った。登下山中にうれしい電話やメールが入って対応に忙しかった。
三百名山完登の実感はまだない。帰宅して、これまでの記録を見ながら振り返ったら、じんわりと来るのかも・・・?今日も頂上で「次の目標は?」と聞かれたが、まだ見つからない。
○所要時間等
4:30スタート、登り(剣ヶ峰まで)4時間50分、下り3時間15分、13:10ゴール
下山後、まずは温泉。観光地なので、安いところはない。河口湖入口の1000円の温泉に入り、生ビールで祝杯を上げる。甲州名物のほうとうを食べて、ブログを打つ。酔いが醒めるまで仮眠して、高速に乗り、ETC割引の利く今日と明日で帰路に就く予定。
〈追加画像〉
1、6合目で迎えたご来光、手前は雲海に覆われた山中湖
2、吉田口コースの頂稜から万年雪の残る噴火口越しに望む最高峰の剣ヶ峰
3、展望台から南アルプス方向を望む
4、こんなスタイルのお兄さんも・・・気持ち悪がって誰も近寄らないが、三百名山に関心が強く、彼から寄ってきた。マイナーな難しい具体的な山名をいくつか挙げて、いろいろ聞いてきて、心から祝福してくれた。下山時、もの凄いスピードで追い越して行ったのが彼だった。
5、下山後、登山口から仰いだ秋色漂う山肌
〈追記〉