癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

稀府岳~天狗岩~谷藤川(縦走~MTB帰還)

2015年12月02日 | 登山・旅行



  伊達市の背後に聳える稀府岳(702.2m)の北尾根の末端に、天狗岩(522m)と地図上に掲載されているピークがある。岩の名前とその標高が掲載されているのは珍しい。

 稀府岳は、11/20に、拙筆による「ほっかいどう山楽紀行」で紹介したせいか、その週末と先週末、非常に混んだらしい。その中に「残雪期にでも天狗岩へ縦走してみたい」と書いた。

 だからというわけではないだろうが、先週末に何人か方の「天狗岩までピストンしてきました」という報告があった。その中に、「ずっと右側が断崖絶壁の細い尾根が続くので、積雪期は雪庇が厳しそうだ。今なら笹に掴まりながら歩けるので安心」という下りがあった。

 自分が天狗岩へ行くときは、末端まで行って戻るのではなく、「稀府岳から藪こぎで縦走し天狗岩手前コルの沢を下って谷藤川ぞいの林道へ出て、MTBで登山口へ戻る」という計画を立てていた。MTBで林道が走れて、笹やぶこぎも今ならある程度の雪で覆われて歩きやすそう・・・この機会を逃す手はないと、急きょ、今日トライすることにした。

 家を6:00に出て、まずは、谷藤川沿いの萩原林道の下山口にMTBをデポ。稀府岳登山口へ移動。
 9:50、登山口をスタート。まもなく夫婦連れを追い越す。「天狗岩へ縦走しますので、頂上に着いても多分私はいないと思いますが、心配しないでください」と挨拶をした。「天狗岩って先日の新聞に出ていましたね」と言われたので、その記事は自分の連載記事であることを白状せざるを得なかった。いつも楽しみに読まれておられ、HPも参考にしておられるとのことで感激された。

その後は、誰にも会うことはなく、以前より広く刈払われて、さっと雪で覆われた登山道を進々と登る。


621ピークの前稀府岳から左奥の頂上へ続く登山道


10:05、稀府岳頂上着。10分休憩し、雪に覆われた笹やぶこぎに備えて雨具の下を履く。


頂上から登ってきた登山道と絵鞆半島や白鳥湾を見下ろす。右奥い微かに昨日登った駒ヶ岳。


北峰に続く刈分け道。情報とおり北峰の先のコルまで刈分け道が続いていた。


尖った岩峰の北峰を越えてコルから振り返る。


先の笹やぶの尾根は、前週末のトレースが残っていた。
笹も雪で抑えられているので、非常に歩きやすかった。

 しかし、672ピークからは北尾根を下らなければならないことを地図で何度も確認していたにもかかわらず、トレースのつられていつのまにか672ピークを越えてそのまま西尾根進んでいた。10分ほどで気づいて戻った(そのトレースは、下山後登山口の入山届けを見たら、11/29の登別山岳会の東尾根~西尾根縦走のものだったことが判明)が、往復で20分のアルバイトになった。


右側が断崖絶壁の岩峰が続く北尾根を下る。笹の丈のやや低くなり、下りでもあるので歩きやすかった。



天狗岩が近づいてくる


12:20、天狗岩に到着。久しぶりの新ピークゲット。根元をぐるっと回れるようになっているが、地中から突き出ているのではなく、岩の上に乗っかっているだけの感じだった。

天狗岩の南面側をバックに(白く写っているところはレンズに着いていた水滴)


天狗岩の北面側。ただ立っているだけのような感じで、高さは10m以上はありそう。
本州なら、絶対に祠が祀られている感じだが、それらしいものは探しても見当たらなかった。


根元から伊達市街地を見下ろす
 
 15分ほど休んで、コルまで戻り、北面の急な沢を下った。上の方は背の高い笹やぶだったが、すぐに抜けて、急な普通の沢になった。

 この沢は滝もなく、淡々と下れるとの情報を得ていたので、安心して下った。
 谷藤川に合流し、少し上流へ歩き、13:15、MTBをデポしている林道へ出た。


 林道は未舗装だがずっと下りなので、ペダルを漕ぐことはなく、ブレーキ操作だけだった。結局トータルで9kmのMTB走行で、14:15、登山口へ戻った。その後、弄月館の温泉に入り、帰路に就いた。

 登山口9:50~(1時間15分)~11:05稀府岳11:15~(1時間05分)~12:20天狗岩12:35~(40分)~13:15谷藤川林道<縦走3時間25分>  MTB走行1時間 

 MTBで移動しても、時間的には、ピストンするより速かったし、藪漕ぎの登り返しがない分体力的にも楽だったと思う。単独行でなく、もう1台車があればもっと楽である。

もっと多くの写真と詳しい山行記録は、下記でどうぞ!
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強風・氷雪の「砂原岳」

2015年12月01日 | 登山・旅行

砂原岳の岩場(左)へ続く7合目付近の尾根を登る。右は剣ヶ峰。

 仕事が休みだったSHOさんと二人で、望洋の森コースから砂原岳を目指した。自分は、駒ヶ岳も砂原岳も冬は登ったことがないので楽しみだった。しかし、岩場から上は夏に比べて迫力と厳しさが増し、冬山の醍醐味を味わうことができた。

 一昨日の袴腰岳の失敗を教訓に、プラブーツ、12本爪のアイゼン、ピッケル、冬用ストック、カンジキ等、本格的な冬山装備で臨んだ。しかし、カンジキの出番はなく、5合目より上はアイゼンに助けられた。8合目の岩場からは、まさに氷雪の世界で、アイゼンとピッケル、さらには、万が一の場合に備えて、冬山の大ベテランであるSHOさんとアンザイレン(ロープで繋がること)で登った。

 北西の風が強く、とくに8合目の岩場から上は、強風の上にホワイトアウトになり、頂上手前200mの火口原分岐標識のところで撤退した。岩場までは、正面からの強風と闘いながら、ホワイトアウトの中、登りのピッケルの穴を見失わないようにして下山した。

 8:20スタート、登り3時間、下り1時間40分、13:05ゴール、森町のちゃっぷりん館で 疲れを癒し、温まった。


登山口手前の畑地から砂原岳を見上げる


西円山分岐から尾根を見上げる


アイゼンを付けた5合目から砂原市街地を見下ろす。左下は西円山の登山道


上から下りてくる先行者。室蘭の方で、アイゼンとピッケルがないので、8合目で断念したとのこと。


8合目の岩場が近づいてくる


8合目の岩場の下から森町市街地方面を見下ろす


カンジキとストックをデポし、8合目の岩場を登る


だんだんホワイトアウトになってくる頂上稜線を進む


頂上200m手前の火口原分岐の標識をバックに。無理しないでここで撤退。


もっと詳しい山行記録は、下記でどうぞ!
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「北海道雪山ガイド・最新版」発刊

2015年12月01日 | 登山・旅行

 自分が創設者の一人である北海道の山メーリングリスト編著で、自分も執筆している「北海道雪山ガイド・最新版」が、今年1年間の編集委員を中心とした改訂作業を経て、このたび(11月28日)に発刊され、執筆者用として1冊送られてきた。

 内容的には、「技術編」と「ガイド編」からなっている。
 初版は、2006年12月26日で320ページで、ガイド編が54コースだった。
 その次の増補改訂版が、2011年11月25日で397ページ、ガイド編が67コースだった。
 3回目の改訂作業となる今回は446ページ、ガイド編が80コースとかなり分厚くなった。


最新版の裏表紙とガイド編のコース

 今回の改訂は、新コースの追加とこれまでの記事の写真をなるべく新しくすることだった。自分の担当は、道南の横津岳、七飯岳、二股岳、カスベ岳・メップ岳、砂蘭部岳、夕張山系の松籟山・御茶々岳・槙柏山、布部岳、オダッシュ山である。再取材可能な道南の山だけは、一部写真を入れ替えたが、夕張山系の方は再取材には出掛けることはできなかった。

 なお、これまでの印税は、すべて自然保護団体や東日本大震災の義捐金とし寄付してきた。今回も同様の寄付することになっている。

 いずれにしても、「北海道夏山ガイド」の著者である菅原靖彦氏が、メンバーの一人で、この編集長を務めて下さるから発刊できた快挙である。感謝!感謝!


左が増補改訂版、右が初版本