孝を問ふ

2009年11月07日 | 私の思い
                    (出石川に遊ぶコウノトリ)

最近、周辺でコウノトリをよく見かけます。
蓼川大橋下流の円山川では、先日群れをなして川面に、今日は出石川で三羽が遊んでいます。
農作業する傍(そば)でドジョウを捕るコウノトリ、通学の児童に逃げもせず平気なコウノトリ、悠然と空を飛ぶコウノトリ、
どこにでもあった普通の風景、昭和30年代の豊岡の風景が、平成のわが故郷に甦(よみがえ)ろうとしています。
自然っていいですね、天地自然の法則ってどんな世界でもいいですね、とっても大切なことですね。

Tさんのご主人は元気者、奥さんと農業に精を出しておられましたが、最近足腰の衰えでほとんど介護状態に、
働き者の奥さんまでが腕を骨折し、身の回りの生活まで不自由なことに、Tさん夫婦、二人暮らしの老後が大変なのです。
奥さん曰く、「うちの息子も都会に出てしまい、仕事のない田舎になんて帰らないの」、
「知人の奥さんも悔んでいたよ、東大出て外国で活躍したって、な~んにも親はよ~ないわ」、
「電気屋さんみたいに、息子さんと一緒に働いて、いかめ~老後だわ」です。
私は、『東大出る頭がなくって良かったですよ、電気屋するくらいの、いいころの頭で私も息子もラッキーね』と応えます。

「神様が応援してくれる経営」の文中に、筆者井澤和馬氏がこう記しておられます。

「地元で親と子が一緒に仕事が出来る幸せを、地域に貢献できる生き方・仕事を大切に、出世や肩書を求めて有名官公庁や大企業に就職することだけがすばらしい生き方ではない、すばらしい人生ではないということを証明できるのはあなた方なのです。一生懸命生き、自分が納得のいく充実した人生を送ることこそが、一番の幸せだということを、日本中の人に教えてあげてください。」と。

私も同感です。本当に親子で仕事、素晴らしいですね

二宮尊徳の金言集にこう書いてあります。

「孝を問ふ、曰く父母に事(つか)へて我無き也。孝を問ふ、曰く父母の憂いを似て、わが憂いとなす。かくの如きは、父子一体なればなり。」です。

父母ありて我あり、わが命の根本を思いいたせば、父母の憂いわ我が憂いと感じずにはおれません。
老後の幸福ってことを感じる言葉です。