動物は動くのに、植物はなぜ動かないの?

2010年08月16日 | その他
(黄金色の稲穂が広がる、ふるさと国府の平野はまだ真夏)


ちょっと前になりますが、学校が夏休みに入った頃のことです。走っている車のラジオから聞こえてくるこんな番組に耳を傾けますね。
「動物は走ったり鳥は飛ぶのに、木や草はどうして動かないのですか?」、
『エッ、エェ~』と、一瞬驚く質問ですね。
番組は、NHK「夏休みこども科学相談」と云って、とても昔から続く夏休み恒例の番組なのです。
子供たち、主に小学校は低学年の子供たちから、普段不思議に思っている生物や宇宙や地球のこと、どんな事でも科学のことを質問する番組なのです。
質問に答えるそれぞれ専門の先生は、どんな質問にもそれはそれは分かりやすく優しく、小学校一年生の子でも分かるように説明される素晴らしい番組、60年以上も生きている大人が聞いても本当にためになる番組なのです。
子供がする質問も、大人では気のつかない着眼点で問うものですから、質問を聞いたところから『エッ、エェ~』と驚いてしまうこともあるのです。

「動物は走ったり鳥は飛ぶのに、木や草はどうして動かないのですか?」の質問に、先生はどうして答えるのか固唾をのんで聞いていました。
「君はこの質問どうして考えたの?」、
「動物も鳥も、木も草も、人間だってみんな生物と言ううね、生物は石と違って生きているんだね」、
「動物も鳥も人間だって、生きていくためにはなにかを食べなくては生きていけないね。鳥なんて一日中空を飛んで地面にいる虫を探しているんだよ」、
「動物はね、じっと同じ場所にいると餌を探すことが出来ないの、なので一日中餌を探して動き回っていなければいけないの、だから動物には足があり手があって動けるように神様がしたんだよ」、てな風にやさしく解説していきます。
「では同じ生物でも、木や草は土に根を張ってその場にじっとしてるね、なぜだろうね?」、
「植物はね、動物みたいに栄養になる餌を探さなくとも、栄養を自分で作る事が出来るの、栄養を自分で作れるってところが違うんだよね」、
「生きていくための栄養を、葉っぱの緑の部分で作るんだよ。緑の部分は葉緑体と言ってね、太陽の光と空気中の二酸化炭素と水を使って栄養を作る事が出来るの」、
「葉緑体で作る栄養は、炭水化物と言ってデンプンなどを作るの、その時に一緒に酸素も作る事が出来るんだよ。この作業を植物の光合成と言うんだよ」、
「自分で栄養を作る事が出来る木や草は、歩き回る必要がないのでじっとしてるように神様が作ったの」、なんてやさしく説明します。

聞いてる幼い質問者は、「うん、うん」と分かったか分からないか頷くばかり、そんな楽しい番組なのです。
でも、どうでしょうか、質問の着眼点も素直なことです。気持ちいいほど素直です。
答える先生も、どんな小さな子にも分かるように原理を説明、なにか大人の世界でも、商売の世界でも見習わなければない素直さ、真面目さがありますね。

《忘れてる 歳をとり過ぎ 素直さを》