今日23日は地蔵盆、地蔵祭りの日です。
池上地区にある熊野神社の境内には、熊野大権現を祀る本殿のほかに社が二つありまして、地蔵菩薩六体をお地蔵さんとしてお祭りし、9月には阿弥陀如来を、阿弥陀さんと崇めて祀り、11月には荒神さんも祀ります。
戦時中、村の外れの観音さんを、神様仏様は一緒が良かろうと同じ境内に移して祀っていましたが、戦死者が次々出たので怖れをなして、7月に祀る観音祭りは今では村の外れの観音堂ですね。
本日の地蔵祭りは特別にも賑やかに、子供のおる家はお菓子をどっさりお供えします。
村で祀るお地蔵さんは、地蔵菩薩には違いありませんが、村々でお盆のこの時期に祭るお地蔵さんは、村々の辻や路傍にある地蔵が対象の、どちらかと云うと道祖神を祭る感じのものですね。
地域の子供にとって、この日はお参りした後お菓子やジュースがたっぷり配られる、夏休み最後の楽しい日を心に刻む、ふるさとの思い出の一日の日です。
池上の地蔵堂はとってもこじんまりの小さなお堂、それに比べてとてつもなく大きく立派な地蔵堂が写真に写る六地蔵です。
同じ国府地区でありますがこの六地蔵は、府中新(ふちゅうしん)区のものでして、不思議が二つありますね。
一つの不思議は、こんな立派な六地蔵が府中新の区の中に建っていないこと、隣の堀(ほり)区にある事なのです、不思議です。
子供の頃に、露店も出るほど賑やかな府中新の六地蔵祭り、遠く府中新から六地蔵までの道には、絵を描いた手作りの灯籠が、ロウソクの火に揺られてきれいに並ぶ素晴らしい光景を思い出しますね。
隣の区の中にある理由は、大人になって分かりましたね。330年くらい前の時代、堀区から分かれて新村(しんむら・しむら)となり、明治になって府中新村になったそう、それから今までずっとそんなわけで、飛び地の六地蔵さんと云うことなのですね。
もう一つの不思議は、大きな立派な堂には、六地蔵でありながらお地蔵さんが七体ある事不思議です。
地元の方が云うには、真ん中の一番大きく立派なお地蔵さんが実は後から仲間に入ったお地蔵さんで、その由来は200年前の時代だそうですね。
ある時、豪商の奥さんと子供が通りがかり、子供がマムシに噛まれたその時に、地元の親切な治療で命が助かったお話なのです。
豪商の母親は、お礼にお地蔵さまを一体寄進、それ以来六地蔵と云いながら寄進された大きなお地蔵さんを真ん中に、左右に三体ずつ並ぶ七地蔵のお地蔵さんになったわけです不思議です。
ふるさとの村々は、どこを走っていましても、夕刻、道端のお地蔵さんをきれいに飾ってお祭りなのです。
夏の終わりの地蔵盆、今宵は、ふるさと子供に返る懐かしい、地蔵祭りの夜なのでした。
《六地蔵 六道輪廻 救う神》