うわさ

2013年11月06日 | その他
(ブドウ畑の周りのススキ、まっ白な穂がユラユラ揺れてます・・・豊岡市金剛寺)


売り出しの案内状を届けに歩きます。

庭先の車庫で作業中の、Mさん夫婦に挨拶します。
『こんにちわ~。今日はブドウの取入れですか』、『いい天気ですね、今日は気持ち良い晴れ間が広がり、仕事もはかどりますね。ブドウは豊作ですか』と尋ねます。
「まあね、天候の加減かな。ちょっと色の薄いのもできて、まあもう一つかな」、

『金剛寺のブドウってなかなか有名ですが、昔からですかブドウの栽培は』と聞きますと、
「いや、昔は梨、ナシ作りが盛んで、それからブドウも作るようになったんよ」と応えます。

Mさんちも、最初エアコンを買ってもらったきっかけは、パソコン操る息子さんが、ネットで当店を見つけて来たと言っていたはずでした。

最近、この数年のことです。店に初めて来られる方や、電話で問い合わせで買い始められる方のとても多くが、ネットで当店の様子を知ったと云われます。
街の電気屋さんからテレビやエアコンを買われる方は、最初はどんなきっかけからお付き合いが始まるのでしょうか。

40年近く昔です。
私が電気屋を始めた一軒もお客さんのない頃は、とにかく「こんにちは、今度電気屋を始めました。よろしくお願いします」と、歩いて歩いて顔出して頼んだ結果、ポツリポツリの電話やご来店の、小さな小さな御用ばかりのスタートでした。
買っていただきお客様になっていただいた方の、親戚やお知り合いへの紹介もポツリポツリと増えてゆく、さらに、一年たち二年たち三年たちますと、訪ねてもいない知らないお方からの、電話や注文が一軒また一軒と増えますね。

突然ご来店でテレビをお買い上げのお客様に、恐る恐る『どうして当店に寄っていただき、ご注文ですか?』と、テレビを据え付けながら聞くことしばしばありました。
「誰々さんからこの店を聞いて来たの」と、ズバリ名前をおっしゃる方もありますが、実は、ほとんどの方は誰ともなしの、ハッキリとは分からないけれど「どうもこの店は、親切ですぐ来てくれる、とにかく修理や頼み事でもすぐに来てくれると、うわさを聞いて」と、打ち明けたお方がありました。
ハッキリと誰がそう云ってるとは、その方も半分分かってるのか分からんようですが、「うわさ」で買ったと云いますね。

この30年間くらいの、初めて買っていただくお客さま、いちいちそのきっかけ聞くわけ少ないですが、今でも「評判のうわさ」で電話したとか、ご来店なったとかの気配が感じられるものが多いですね。
でも最近は、それにネットからの「うわさ」が加わり、知らない方が一人、また一人と電話やご来店がありますね。

先日のことです。

長楽寺の1300年記念行事の当日の朝のこと、急用で寺の下に駆けつけ、坂道の参道を歩いて行こうとしていたその時です。
「ジャンボタクシーで境内まで送ります。一人でも乗ってください」と、チャーターしています小型バスの運転手さんが呼び止めますね。
乗せてもらいました。

急な林道をタクシーは登ります。
全く見知らぬ運転手さんが、突然こんなことを私に云うのです。

「電気屋さんですか。急用の寺に修理ですか。大変ですね」、「それこそ国府ですね、この辺は。僕は豊岡ですが、今豊岡の方で私の知り合いや周りのもので、とても評判になってることがあるのです」と突飛に話を始めます。
「あのね、サントップっていう電気屋さんは、仕事が丁寧ですごい親切だと評判になってるのですが、国府ですねその電気屋さんは」、
「いい評判のうわさなんですよ」と話します。

ギョギョギョ、うちの事ではないですか。
『運転手さん、サントップは今はないの、アトムっていう店なんですよ。私がそのアトムです』、初めて会って話しかけた運転手さん、分かって喋ってたのか、そうでないのか分かりませんが、聞いてる私は、おかしいような嬉しいような、「評判よいうわさ」なんて、ホンマかいなとビックリします。


《ホントなら 嬉しいですね 良いうわさ》