散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

野の草を喰らう:ワラビ

2012-05-15 07:23:19 | 野草を食べる








このところ食べる話ばかりになっている。
しばらくいろいろと忙しかったのでなんとなく反動で一直線にこちら方面に走っているのだ。

さて、今年もワラビの季節がやってきた。
見渡す限りの林の下ばえに羊歯の芽が地面から勢い良く突き出ている。
今年も少しおすそ分けしてもらうことにした。あたりに”お礼”を言いながらぽきぽきとワラビを手折った。
ドイツではワラビなどを人間は食べない。これを食べるのは鹿くらいなものだ。

熱湯に重曹を入れて蕨を入れ一晩置くと水は美しい緑色になっていて、これで布を染まらないのだろうか?といつも気になるのだが試してみたことは無い。緑には染まらなかったとしても、淡いグレーとかには染まりそうだなあ。
何度か水を取り替えて色が出ないようになったら調理をして食べる。

去年は塩漬けにもしてみたが、これもなかなか良い。しばらく保存するつもりならこの方法で下ごしらえしておくのが良いようだ。

おひたしにしてまず食べてみた。

おいしい。

今年も春のエネルギーをいただきました。













野の草を喰らう:タンポポ

2012-05-14 18:07:38 | 野草を食べる








タンポポが敷石の隙間からたくさん生えてきている。
タンポポだけではない、オダマキ、ひなげし、蓼、ヤナギラン、ボリジ、月見草、金盞花も生えてきた。
オダマキは黒に近い紫でとてもよいとは言えないその環境で立派な花をたくさん咲かせている。
どうせなら来年は敷石の間に種を蒔いてしまおうか?

今日はそのタンポポの葉を少しちぎって食べてみる。
葉を洗ってさっと湯がき、冷水につけてしばらく置くと苦味は多少和らぐ。
それをおひたしでも良いし、さっとバターでいためて付け合せるのもいいと思う。

コリアンダーの実とにんにく、ナツメグ、塩コショウで味付け、最後にレモン汁を絞りかけるのも美味しい。










野の草を喰らう:ホップ

2012-05-13 21:22:15 | 野草を食べる





あちこちでぴょんぴょんとはねるように伸びているホップの蔓を少しばかり採って来た。
本当はのびきった蔓の先端よりも、春先に根元に現れる新芽を摘んで食べるほうが断然美味しいらしいが、残念ながら私はいつも機会を逃している。
来年こそはとてぐすねを今からひいていても、その時期が来ると忘れていたり都合がつかなかったりしている。
「貧乏人のアスパラガス」と名づけられてもいるものの、今では逆にデリカテッセンとなっている。
今回はそのデリカテッセン「ホップアスパラガス」ではないけれども、齧るとホップ独特の苦味があり、確かにグリーンアスパラガスに感じるうまみに似た味も感じられる。
抗酸化、解毒、血液浄化作用がある。

今回はかき揚げにしてみた。
フライパンにオリーブ油をひき、焼いて塩をパラリとかけて食べるのもいいし、刻んでパンケーキに入れても良いと思う。
または湯がいてマヨネーズであえるのが一番簡単で無難だ。

来年こそは「ホップアスパラガス」を摘みに行こう。










春の野の草喰い:タンポポの蕾

2012-04-15 12:07:51 | 野草を食べる










緑の絨毯に黄色の星がちりばめられている。
黄色の星は美味しそうな蒲公英だ。。。と言ってしまうと蒲公英に嫌われるだろうけれど今日は蒲公英を食べる話。
私の一番古いタンポポ体験は子供のころの事、祖父に連れられて深大寺植物公園に出かけた時のことだった。
かなり昔のことだ。 
公園内には湯飲みに絵付けをさせてくれる店があったり、軽食を食べさせる店があった。
私が湯飲みに描いた絵がどんなものだったか(植物だったことだけは覚えている)すっかり忘れてしまったが、
軽食を食べさせる店には精進揚げがあって”タンポポの葉”の揚げ物もあった。。。ということはなぜかよく覚えている。
子供の口には苦くてあまり美味しいものには感じなかったものの、あの”たんぽぽ”が食卓に上がっていることはなんだかとても面白いことのように思った。
個人的にかなり印象的なことだったので、皿の上に乗った衣に包まれたタンポポの葉の姿を今だに覚えているのだとおもう。
その記憶に付随して、その日が良い天気だった事、祖父がベンチでタバコを飲んでいる姿、湯飲みに絵を描いた時の記憶の断片が散らばっている。
それから後、野草をちぎっては味を試す癖がついて、自分で料理をする頃にはタンポポの根っこを集めてきてキンピラや煮物にくわえてみたり、蒲公英は花をおひたしにして食べた。
若葉はサラダにも、おひたしにも良く、ほろ苦さが好きな人には美味しいはずだ。
昨日は散歩をしながらタンポポの蕾を摘んだ。あちこちのタンポポの株から蕾を1,2個ずつ摘むとまもなく両手に一杯ほど集まる。
家に戻ってから蕾をよく洗って水を切り塩を振りかけて2時間ほど置き水気を切り、その後塩がきつければ塩出しをし、食酢を軽く煮立てた中にさっと放り込んで火を止め、すぐにビンに移し変えて、1,2週間置くとタンポポの蕾の”ケーパーもどき”の出来上がりだ。あくが強いと感じられる場合は水に1,2時間つけておいてから作業すると良いらしい。
酢には他のハーブ(エストラゴンや胡椒など)を加えても良いし、少し甘みを加えても良いしそれぞれの好みで味を研究すると楽しい。
使い方はケーパーの酢漬けと同様で、サーモンの付け合せにしたりスパゲッティにあえて見たりしても美味しい。
タンポポは我が家のテラスにも広がってあちらこちらから芽が出てくる。葉も蕾も花も少しずつ摘んでいるが次々に伸びてくる、そして仕舞いにはふわふわの綿毛姿を楽しませてくれるのだから素敵だ。
花や蕾を摘み、その命をいただく。
野草達に、申し訳ない気持ちとともにお礼を言い、そして食べる。









タンポポの話










スイバとジャガイモのポタージュ









春の野の草喰い:スイバ

2012-04-10 13:55:19 | 野草を食べる






今年の春の野草喰い始めはラムソン(Bärlauch)、そしてイタドリだった。
そして昨日はスイバ Sauerampfer (Rumex acetosa)を摘んだ。

まだ初々しい柔らかな葉はサラダに入れて、さわやかな酸味を楽しむ。
そして春のスイバのクリームスープ
春の息吹を体に吹きこむつもりになって食べること。

生葉はレモンと同じようにビタミンCが豊富だがシュウ酸が多いので多量摂取しないほうが良い。とはいえ適度な量をとることで鉄分不足、食欲不振の改善される。生葉の汁は虫刺されによる痒みを抑え、浄血、増血を促す。 また便秘改善にはスイバの根と砂糖を煮詰めてそれを内服すると良い。






熊にらの話

5月ラムソンを食べて医者知らずといわれるが、春の力一杯の野草からエネルギーを頂くことにしよう。






摘み草後記

2012-03-29 08:18:32 | 野草を食べる




なかなか美味しいイタドリの煮物



みりん調味料としょうゆに漬けたベアラオホ



ナルコユリの新芽。 いつも芋虫が沢山ついてぼろぼろになるので、今年は私が芋虫の代りにこの草を食べる。
さっと湯がいて酢味噌和え、胡桃入り。美味。



イースターが近いのでウサギパンが並んでいたので、思わず買ってしまった。



大きなチョコレート玉子を頂いた。









memo

原子力発電は不経済になってしまった話 
















摘み草の季節

2012-03-27 18:43:05 | 野草を食べる
今年もベアラオホ(ラムソン)を摘みに出かけた。天気上々、20度。
地面に張り付いて積み草をしていると散歩の通りがかり人達が「あっちに沢山生えているわよ」「そっちにもあるわよ」と声をかけてくれる。
小さな袋に半分ほどずつ摘んで、とりあえず今日は終わり。欲張って駄目にしてしまったらもったいないことだ。また後日摘みに来るということにして、お茶でも飲みに行こうと立ち上がった。
紅茶にチーズケーキを頼んでちょうど具合の良い陽だまりでのんびりと小一時間過ごし帰り際に、ふと気がつけばイタドリの若芽が出てきていた。やっぱり、これも摘んでいこうということになり、がさがさボキボキもそもそしながら摘んだ。時々「痛い痛い」とか「ふうう~」とか合いの手が入る。あたりにはベアラオホの周りにイラクサが取り巻いていたりするのに、食い意地が私の目をふさぐ。
友人のMは畑仕事に馴れてたくましいつわものだから、ちょっとのイラクサなものともしない。
普通イタドリなどドイツ人は食べないわけで、友人は実験好きなドイツ人だから一緒にはりきって摘んだ。去年いくつかのレシピを書いて渡した記憶はあるのだけれど、彼女がこれをどう使うかは不明だ。

醤油とみりん調味料を合わせて煮立て、ベアラオホを投入し、速攻で壜に詰めた。
イタドリの皮をすっかり剥いで塩を大量に振りかけ、後に塩抜きをしながらごま油で炒め、そこに出汁をそそいで味を含めようと思っている。















メモ

福島第一原発4号機が壊れたら。。。

原発再稼動などというより前に、この危ない事態を何より早く処理して欲しい。






熊にら

2011-04-17 16:19:27 | 野草を食べる


Bärlauch  Allium ursinum




辺り一面のベアラウホ。

もうすぐ花が開いてしまうので、急いで少しばかり収穫をしてきた。
花が開いてしまうと葉の香が失せ、苦味が出て、その後間もなく枯れてしまう。
ベアラウホの間に西洋イラクサが潜んでいたが、ちくちく刺されてもそれごときの痛みには食欲は負けない。
蕾を摘んでおいてこれを塩と酢でつけておくと美味しいときいたので、少しだけ摘んだ蕾を試してみよう。
葉は醤油漬けにしておく。
刻んでバターに練りこんだり、ペストにするという人は多いけれども、やはり私には醤油漬けが一番美味しい。日本人だなあ。
熊韮の醤油漬けを白いご飯に乗せて食べようとか、熊韮入りの焼き味噌をおにぎりにつけて食べようとか、
熊韮とフェタチーズ入りのおやきなんかもう想像するだけで不気味に微笑んでしまうのだ。


この植物の薬効はにんにくや韮と同じようなもので以下の通りだ。

血圧を下げる
血液循環を強化
炎症を抑える
血液清浄効果
食欲増進
解熱
消化不良の改善
コレステロール低下
動脈硬化を防ぐ
新陳代謝を促す
春疲れを防ぐ
虫下し
整腸

もう一回ほど収穫できるかもしれない。





St. Nikolaus修道院の庭。。。。





先の日曜日はPalmsonntag 聖枝祭 だった。
街の中を小さな枝を手に携えた人々の行列が通り過ぎてゆく。












土曜日の散歩の収穫

2010-04-25 23:33:59 | 野草を食べる
土曜日
昼前に散歩をしてみようという事になった。
Ratingenの森(といってもアウトバーンの脇にあって最近森も少しずつ崩されかけているように見える)だ。
黄菖蒲の群生、大土筆やAdlerfarn (Pteridium aquilinum) つまり蕨の群生する場所がある。Adlerfarnはシアン化水素を含有するのでそのまま食べては危ない植物だがきちんとあく抜きをするか塩漬けにする事で食べられるようになる。飽くなき食への工夫の歴史が蕨入り山菜御飯の中に隠れているのだ。
もちろん(!)蕨を少し頂き、ホップの若い蔓、Japanische Staudenknöterich (Fallopia japonica)=イタドリ、イワミツバも一掴み収穫してきた。イワミツバ=Giersch (Aegopodium podagraria)は庭を持つ人々が毎年退治するのに苦労して泣き寝入りするというツワモノ野草でいかにこの草を憎むかという話がしばしば話題に登場する(憎むといったってもちろん笑いながらの話だけれど。。。)
黄菖蒲はこの時期、みずみずしい葉の並ぶのを見かけては、花の頃には是非観に来なければと心に誓うのだがどういうものだかなかなか花の時期にしかるべき場所に行く事ができないでいる。今年こそはと思ってはいるのだが、果たして黄菖蒲の花盛りに出会う事ができるだろうか?

蕨は重曹を使って一晩かけてあく抜きをし、イタドリも皮を剥がして熱湯にくぐらせ冷水につけて下処理をした。
イワミツバとホップの蔓は天麩羅にするととても美味しい。


この時期の散歩はとても美味しい。




Adlerfarn (Pteridium aquilinum) 和名:ワラビ
羊歯は美しい植物だと見る度に思う。



Sumpf-Schwertlilie (Iris pseudacorus)黄菖蒲
原産はヨーロッパ、シベリアだが日本でも帰化し野生化している湖沼もあるようだ。



土筆の並ぶ姿はいつみてもほほえましい。



Wiesen-Schaumkraut (Cardamine pratensis)
淡いピンクの花が野原や林の陽だまりに群生している。和名:ハナタネツケバナ。
若葉、花はサラダに入れて楽しむ。クレッソンのような風味だ。
人間ばかりではなくAurorafalter (Anthocharis cardamines)クモマツマキチョウもこの花を好むそうで、
確かにその周辺で何匹もが白地にオレンジ色のおしゃれな翅を羽ばたかせて舞い飛んでいるのを見かけた。



Waldsauerklee (Oxalis acetosella)和名:コミヤマカタバミ
花に開き始め、風がそよげば愛らしい小さな白い鈴のような頭を振る。



久しぶりにおたまじゃくしの大群に出会う。



Riesen-Schachtelhalm (Equisetum telmateia) 
大土筆はスギナに育って場合によっては1,5mほどにも育つこともあって、なかなかの壮観だ。



Huflattich (Tussilago farfara)フキタンポポ
原産中国、ヨーロッパ。鎮咳去痰作用あり。
この葉を食べる地域もある。例えば塩漬けにしたり、煮る。
ハーブ煙草の原料としても使うらしい。
また、”ハイカーの為のトイレットペーパー”という名も持っている。
まあ、これで代用するわけだろう。皮膚がかぶれてしまいそうに思えるが本当に試した人もあるのだろうね。





本日、日曜日
空気も具合良い程に温まり、太陽も雲の多い空ながら負けずに活躍した今日、太陽光を浴びに出かける誘惑を抑えながらもオープニングに足を向けてくださった方々に感謝、大勢の来客を得ることができ嬉しい事だった。

今年はやけに展覧会が続いてしまう。良いのかどうだかは実のところ疑問ではあるけれど、できるときにはやればいいということ。
そんなことを思いあぐねて時間をすり潰すより良いとおもう。

とりあえず2,3日休憩予定。

春の芽喰い

2010-04-20 08:53:45 | 野草を食べる
濃い赤紫のアケビの花が鈴なりに咲いている。
いつみても洒落たデザインと色だなとおもう。






かなり茂ってきていたので若い芽を少し採ってさっと湯がき水にしばらく放ち、だし汁をかけていただく。とても美味しい春の味だ。
毎年一握りのアケビの若芽を一度だけ味わう。





今朝からようやく飛行機が飛び始めた。
再びひっきりなしの騒音が空を走り始めた。