Tropaeolum tuberosum 南米(ペルー,ボリビア)原産 多年草
園芸品種の金連花(Tropaeolum majus)を食べてしまうことがある。
あの美しいオレンジや、黄色い花をサラダの中に散らせば目にも美しく、またちょっとピリッとした風味が良いのだ。
つぼみも若い種子も甘酢に漬けておけば、なかなかおいしくサーモンに一味添える引き立て役となる。
さて、先日この巨大なチョロギのような奇妙な形の芋を見つけて興味を持った。
店の女将さんに聞けば薄くスライスして塩コショウオリーブオイルをたらして食べるのだという。
ただ、とても辛いから気をつけるようにというのだ。初めて観る食材だった。
もちろん、私の好奇心がそれを買わずには帰ることを許さなかったので、試しに5,6個買った。
早速スライスして食べてみると、辛すぎる大根のような感じと、独特の青臭さが少々気になる。
本当にこうやって食べるものなのか?
次に湯がいてみると辛味と匂いが消えてマイルドな味は悪くない。
調べてみるとTropaeolum tuberosumをアンデス地方ではMashuaと呼び、痩せた土地でも作れることからジャガイモの育たない土地では代用として栽培し主食とする地域もあるらしい。
芋の持つ独特な臭いは一度霜に当てると消えるそうで、煮てピューレにしたり、焼いたりして食べる。
また、この植物は反媚薬として作用するらしくインカでは兵士たちにこれを処方したそうだ。
実際ラットによる実験でテストステロンを半減させることができるという話もあるようで面白い。
しかし、この芋はやっぱり生食にはむかない。
たくさん食べたら胃が痛くなりそうだ。
やはり煮て食べることをお勧めする。
ところでTropaeolum tuberosumは美しい花を咲かせる。
根芋を食べるとは知らなかったころ、この植物にあこがれていた。
機会があれば是非栽培してみたい植物のひとつなのだ。