散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

2009-10-31 21:09:25 | 自然観察


昨日の茸観察

針葉樹の落ち葉や水蘚がふかふかの絨毯となって気持ちがよい。風が吹くと散り舞う葉が地上に落ちる音は思いのほか大きい音がする。
足の下に踏んでしまうかれた細枝が度々パキッボキッと音を立てる。
アカゲラが2羽威嚇しあっているのを見かけた。
うつむいて写真を撮っていると前方からやはりバキッボキッという音が近づいてきて、見ればビニール袋を片手に小さなナイフを反対の手に持った男がうつむきながら歩いてくる。
「こんにちは。何を採っているのですか?」と聞いてみると、肩をすくめながら
「茸」と言葉少ない。東欧人だった。
さらに質問を続けると
「ナラタケ」という。やっぱりねと思いながらどうやって食べるのかと問うと
「炒めたり。。。」と返事は短い。袋の中から茸を出して見せてくれる。
「ふうん、なかなかおいしそうですね。お邪魔しました、ありがとう」
と切り上げて私もうつむきながら彼とは逆方向に向かった。(私の探していたのはナラタケではなくムラサキシメジだった)

一人でうつむいて歩いていると方向感覚を失い、ふと自分がどの辺にいるものだか不安になる。
とはいえ街外れの小さな森であるから、たまたま森の妖気に惑いぐるぐる回りに歩き回ることさえ無ければ迷ったってたいしたことは無い。

迷っている自分を想像して楽しむ余裕はある。













2008
2008

写真乾板

2009-10-29 07:21:12 | 思考錯誤




ある日蚤の市で写真乾板を数枚買った。
ほとんど埃にまみれて何が写っているのかわから無かったものの、何是だかそれが欲しかった。
家に帰って乾板の埃を拭うとそれはグダ二スク(ポーランド)にあるマリエンブルク城の内部で天に向かって花開く如き美しい柱の写真だった。
マリエンブルク城はドイツ騎士団の城でありバルト海沿岸地方征服の拠点であった。
第二次世界大戦でドイツ、ロシア軍間の激戦の舞台となり、無惨にも破壊されたが現在では修復されている。
戦争によって、人の命はもとより美しい造形物が崩れ行くのは悲しいものだ。





トロリーバス

2009-10-27 19:50:36 | 移動記録
ゾーリンゲンの街にはトロリーバスが走っている。
街の路上を見上げて何だか電線がやたらに走っているなあと思ったすぐ後に走ってきたそれを見て納得した。
ドイツでは3箇所走っているということだ。
トロリーバスはこの架線から外れてしまう事故が無いのだろうか?









ところでトロリーバスの前身というと。。。




何だかとてものんびりした感じで良い。
これでどんな速さで走ったものだろう?
。。。犬の散歩を思い起こさぬでも無いけれど。



秋の散歩三文の徳

2009-10-25 04:18:01 | 自然観察
今日は穏やかな秋晴れだったのでベンラート城の庭を歩いてみることにした。
(ロココから新古典主義へ移り変わる建築様式のこの城は選帝侯カール・テオドアの離宮。)
久しぶりに暖かな明るい日であった為か何処も散歩者が多い。
あて無く歩いていると歩くつま先に丸い物が転がっていた。
実を拾って鼻先に持ってゆくとよい香りがする。
辺りを見ると枳殻の木が生えていて驚くほど沢山の実をつけていた。
珍しいので幾つか拾ってポケットに放り込む。

少し先に行くと覚えある匂いが鼻腔を刺激する。
見上げるとやはり公孫樹の木が立っていたのだ。
何枚か(!)具合よくビニール袋を用意してあったので拾わない手は無い。
このところ銀杏の実る木を何本も見つけている。意外にも結構あるものだ。

匂いに導かれながら秋の散歩は続く。

















ついでに植物園にも足を伸ばした。
植物園の入り口にクサギが一本植えられていて可愛らしい実が日差しを受けて光っていた。
今まで何度もその脇を通り過ぎていたのだが実を見るまでクサギだとは気が付かずにいた。
臭木の実で布を染めると美しい薄青が現れるというので一度試してみたいと願っていたものだ。
種を蒔いてみようかなと思い数粒失敬してきたが、上手く発芽するだろうか?

葉を触ると臭いということから臭木という名前を貰ったそうだが、花は良い香りがするらしいし、万が一上手くいったらこの実で色遊びができるかもしれない。

いずれにせよ気の長いはなしではあるのだけれども。





今日から冬時間になった。

マルメロの菓子

2009-10-20 18:57:19 | 飲食後記
丁度秋の紅葉黄葉のような色合いのゼリーができた。
甘酸っぱいお菓子になった。





もう少し乾かしてやらないとまだ少々やわらかい。昨晩鍋を掻き回し続け、あちこちにべとつく甘い水玉を飛ばし、まだかまだかと煮ていた。
ついでに今朝ももう一色作った。

。。。ふと、何でこんなことをしているのか。。。?と思ってはいけない。
ぐるぐる木ベラを回しながら鍋の中身のぶつぶつグツグツと煮つまらない様子が自分の頭の中のように見えてきて、いっそのこと私の脳みそもこんな風に掻き回せたら気持ちよかろうにと想像していた。







マルメロ・未熟トマトに銀杏

2009-10-19 08:37:28 | 飲食後記





いまどき街路樹の脇や公園を歩いていると銀杏が落ちていることがある。ゲーテの愛した公孫樹は結構あちらこちらに植わっている。雄木雌木を区別したか、しなかったか知らないが観察していると実る木をたまに見かける。
銀杏を食べる習慣の無い国の街の中でポタポタ落ちた実が踏みにじられてこの独特のニオイが漂えば、さぞかし近所の住人達は迷惑だろうし、そのうちに伐採されてしまうのではないかと私などは心配している。このにおいの強烈なことといったら無いから私でも拾うのを躊躇うくらいだが諦めるには魅力が強い。猫にマタタビの図。。。とはいえ、もちろんあのにおいに惹かれているわけではないということを念のために記す。
あの炒られた銀杏の実の美しい色を見るのも楽しいし、美味しい。
週末、エコ庭同人会の庭を持っている友人のマーガレットの庭のマルメロと未熟トマトを取りに行った。マルメロはジャムかゼリーにするつもりでいる。未熟トマトはグリーントマトとは違うけれどもジャムにしてしまえば割り合い美味しいものになる。(これが又チーズに添えていただくと実に美味しいし、カレー料理のお供にも美味しい)
私は彼女にしばらく前に銀杏の話をしていた。何でも試して見る精神旺盛の彼女は拾う気満々だった。
その夕方彼女から電話がかかって「ところで、あれはどうやって食べるの?」という。どうやら山ほど拾ってきた様子だ。
実は炒ると美しいヒスイのような緑になると説明すると「そうそう、割ってみたら薄緑だった。。綺麗ね、生で食べてもいい?」と聞く。それはやめたほうがいいと言うと、もう食べてしまった後だと言う、一粒試してみたのだが美味しかったともいう。即刻生食禁止令発令。。。。私だって生では食べたことは無い。
薬効の話なども受け売りをしていると、「よおし、又採りに行こう!」彼女は電話の前ですっかり張り切っている様子だった。
私ももう一度拾いに行くかなあ。。。



Unknown object No.0001の正体

2009-10-16 17:09:46 | 思考錯誤
音符

モヤシの芽
水滴
小さじ
毛根
ブズーキ
掬えないスプーン
自立マドラー
背伸び雨だれ
おしべ
カタツムリの目
固まった樹液
涙を掬うスプーン
天使の涙
何かの卵
超小さい人のゴルフのアイアン


私が何だか妙ななぞなぞを出してしまったので色々な答えを頂戴しました。
皆さんの答えがそれぞれ詩情あって楽しく、答えを書くとつまらなくなってしまいそうなのですが、それも不親切ですから白状します。

それはこれです↓




実は先日ホットメルトガンを使う作業をしていた時ぽつんと垂れたらしく、後に板の上に生えていたのを発見したのです。
1cmにも満たないくらいの小さな雫がしゃきっと立っているのがなかなか良かったので写真を撮っておきました。
ついでに作業中自分の指にもたらして痛い目にも遭いました。




Green

2009-10-15 04:59:17 | 美術関係









デュッセルドルフ NRW-Forumにて、友人が面白そうだといっていたので”Catwalk"という展示を見る。
ファッションショーの映像と、それらのイメージを作ったブースが繋がっている。
最近のファッションショーは非常に凝っているからショー自体は面白かろうけれど、この展示はあまり面白くは無かった。ファッション関係の勉強をするものには興味深いかもしれないが私には特に面白くなかったというべきかもしれない。メッセ会場の展示を思い起こさせる。
『???』を頭の上に乗せて歩き回った。

その後、隣の公園に大きなイチョウの木があって、銀杏が山ほど落ちていた。
残念ながら暴力的に臭気を放つ銀杏の果肉を集めて入れるものを持っていなかったし、それを抱えて電車に乗る気もなかったので、後ろ髪惹かれつつ帰宅。


上写真はDujardinから。。。
展覧会終了。入場者数5700人ということだった。快挙。



2009-10-09 08:15:57 | 散歩ゲーム






Krefeld-Uerdingenのはずれにあった、不思議な様子の建物。
よく見ると面白い作りだ。



寒くなってきた。
今朝は5度くらい。
昨日の晩久しぶりにムール貝を買って来て白ワイン蒸しを作った。これほど簡単なわりに美味しい料理は無いなあといただいた。
パセリと玉葱とにんにくと唐辛子を適当に刻み深鍋に油を熱して刻んだものを放り込み玉葱に香りが出てきたら洗った貝を入れてワインをドボドボと注ぐ。蓋をして鍋の前で、かすかに聞こえる煮える音にあわせて足踏みして待つ。待ちながら壜に残っているワインを少しいただいてもよい。もっとも貝が出来上がる前に自分が出来上がってはいけない。ほんの少しなめる程度。。。。
蓋を開けて貝が口を開けていたら出来上がり。煮過ぎてはいけない。
ムール貝を食べる作法:
山盛りのムール貝の中からできるだけしっかりした大きな奴を探してつまみ出し、すばやく中味を食べてしまう。親指、人差し指、中指でカスタネットのような具合に貝殻を支え空いている方の手は次の貝を物色する。先の貝殻をつまみ道具にして身を取り出しパクパク食べるという具合。当然両手はスープで無惨にも汚れるので大きな手拭が必要。鍋の下に溜まったスープ(ほとんどワイン)には貝の旨みが加わって実に美味しい。その汁をそのまま飲んでも良いが、スパゲッティに和えると美味しい。残り御飯があったらそれをぶち込んでもおいしい。

。。。というわけで、今日も買ってこようかなムール貝。一キロ3,99ユーロ




明日、明後日は景色の綺麗なEifel地方に出かけるので晴れて欲しいのだが、どうやら願いがかないそうに無い様子。
テルテル坊主を作ろうか。。。



そういえば、今年2月にEifelにアトリエを持つDanと一緒に2人展覧会を行なった。
画廊主のアイディアで売り上げの10%(画廊と我々と5%ずつ負担)を恵まれぬ子供への寄付とした。画廊主の知人(当人もアフリカ出身)が発起したケニアの孤児、エイズの子供達を助ける機関を通して行なわれている。
画廊主が援助している少女Mercyの手術をKrefeldのドイツ人医師が請け負うことに決まり、ヴィザ取得も完了し、10月中に来独する事ができる話までになったそうだ。手術は何度かにわたる為に長いドイツ滞在になる事になる。
Mercyはいずれ医学を勉強して、同境遇に在る子供達を助ける医者になりたいという夢を膨らませて間もなくドイツに到着する。






ケニアといえば。。。。今回のノーベル平和賞はB・オバマに授与されるそうだ。しばらく話題になりそうだ。