誰の仕業か?
静岡での事である。
今回の個展の展示にはたっぷり2日間をかけた。
写真は“Keimzelle = 発芽細胞"という作品である。Keimzelleは直径13cmほどの半球で、中には螺旋状に書かれたテキストが螺旋状にちぎられて、くるくると巻かれて入っている。それは、まだ作動していない遺伝子情報の様に可能性を秘めながらもひっそり、半球の中で待機中なのだ。うがたれた穴にはレンズが嵌っていて、覗くとテキストのチラッと切れ端が見えたりする仕掛け。。
展示一日目の晩、“Keimzelle"を壁に6個並べてから、東京の展示の為に一点を箱の中に残して引き上げた。
翌朝展示の続きを始めようとしたとき、箱の中の“Keimzelle"を見ると、なんと何者かにかじられた様な穴が開いていた。
そこで私は、思わず画廊の美人黒猫のパメラちゃんの仕業にしてしまった。他に犯人が思いつかなかったかったからである。
こんなものを?このように?とは思ったが他に誰が居る?
パムちゃんは自分で引き戸も開けてしまうという”器用者”だから、その日は鍵をかけていただいた。
しかし、しかしである。
翌日その穴は更に広がっているではないか!
しかもパムちゃんはドアの外。
(パムちゃん、濡れ衣着せて御免なさい。)
ではいったい誰がこんなことをするのか?
こんなポリエステル系の樹脂を好んで食べるやつが居るものか。。。?
少なくとも齧ろうと思いつくやつが居るのか。。。?
それはどんなやつなのだろう?
齧り跡を見ると昆虫の仕業かもしれないがそれらしき輩は見当たらない。一匹の小さな蜘蛛がうろついているだけだ。不用意にも接着テープに足をとられている米粒の半分くらいの黒い虫を発見したが、そいつなのか?
捜査は難航し、打ち切られ、結局迷宮入りとなった。
いったい食べようとしたものか?
それとも住処を求めたのか?
ひょっとして
“Keimzelle = 発芽細胞”の中から生まれてきた何かが、壁を食いちぎって何処へと飛び立ったのかもしれない。
そんな風に思ってみたら、それも楽しい。
静岡での事である。
今回の個展の展示にはたっぷり2日間をかけた。
写真は“Keimzelle = 発芽細胞"という作品である。Keimzelleは直径13cmほどの半球で、中には螺旋状に書かれたテキストが螺旋状にちぎられて、くるくると巻かれて入っている。それは、まだ作動していない遺伝子情報の様に可能性を秘めながらもひっそり、半球の中で待機中なのだ。うがたれた穴にはレンズが嵌っていて、覗くとテキストのチラッと切れ端が見えたりする仕掛け。。
展示一日目の晩、“Keimzelle"を壁に6個並べてから、東京の展示の為に一点を箱の中に残して引き上げた。
翌朝展示の続きを始めようとしたとき、箱の中の“Keimzelle"を見ると、なんと何者かにかじられた様な穴が開いていた。
そこで私は、思わず画廊の美人黒猫のパメラちゃんの仕業にしてしまった。他に犯人が思いつかなかったかったからである。
こんなものを?このように?とは思ったが他に誰が居る?
パムちゃんは自分で引き戸も開けてしまうという”器用者”だから、その日は鍵をかけていただいた。
しかし、しかしである。
翌日その穴は更に広がっているではないか!
しかもパムちゃんはドアの外。
(パムちゃん、濡れ衣着せて御免なさい。)
ではいったい誰がこんなことをするのか?
こんなポリエステル系の樹脂を好んで食べるやつが居るものか。。。?
少なくとも齧ろうと思いつくやつが居るのか。。。?
それはどんなやつなのだろう?
齧り跡を見ると昆虫の仕業かもしれないがそれらしき輩は見当たらない。一匹の小さな蜘蛛がうろついているだけだ。不用意にも接着テープに足をとられている米粒の半分くらいの黒い虫を発見したが、そいつなのか?
捜査は難航し、打ち切られ、結局迷宮入りとなった。
いったい食べようとしたものか?
それとも住処を求めたのか?
ひょっとして
“Keimzelle = 発芽細胞”の中から生まれてきた何かが、壁を食いちぎって何処へと飛び立ったのかもしれない。
そんな風に思ってみたら、それも楽しい。