先ほどから私の小指の爪ほどに大きな蝿とにらみ合っている。
大きな蝿の羽音は全く五月蝿い。
台所に飛び込んだ隙にドアを閉め狂ったように飛び回る蝿を部屋の中央に緑色のハエ叩きを右手に持って仁王立ちとなり目で追う。
それは"こいつは完全に気が狂っている。。。”としか思えない飛び回り方で、ぶつかったら私だって痛いだろうという速度で飛んでいる。
絶え間ない羽音は私をいらいらさせるのでつい暴力的な気分になっている。緑の蝿叩きは蜘蛛の巣を模っておまけに蜘蛛らしきものも描かれているが、
実に頼りない代物で振り回した時の手ごたえが今ひとつなのだ。
ドアを開けて、窓を開けて外に追いやろうと試みても平和に戦いを終焉させる気は無いらしいので、膝元あたりを通過するその瞬間緑の蜘蛛の巣型蝿叩きを振ると、
命中して落ちた。
命中はしたが頼りない蝿叩きの威力は弱かったらしくふらふらと飛んで静かになった。
ところがどこを探しても姿が見えない。
とりあえず静かになったのでほっとして本を読み始めるが、3ページほど読み進むと同じ蝿なのかまた別の蝿なのか更に一匹増えて頭上に飛び回っている。
先ほど頂点に達していた戦意を失った私は緑の蝿叩きをほうり捨てヘッドフォーンを頭に被って知らん顔を決め込んで本を読みつづける。
すると今度は手や腕に止まってこそこそ歩き回ったり頭上すれすれに飛びまわって煩わしいといったらないのだ。
こいつらはわざと私をからかっているのだろうか?
一度捨てた緑色の武器を再び握り締めてむちゃくちゃにふりまわす。
蝿がますます増えているような気がして仕方ない。
この蝿たちは先ほどから私の頭の中で行ったり来たりしている"迷い"なのではないかという気もして来た。
ひょっとして私の頭の中から出てくるってわけでもなかろうけれど、ちょっと不安な気分でもある。
私はとりあえず部屋を出る事にしよう。
帰って来た時にもまだ、蝿たちは飛び回っているだろうか?
大きな蝿の羽音は全く五月蝿い。
台所に飛び込んだ隙にドアを閉め狂ったように飛び回る蝿を部屋の中央に緑色のハエ叩きを右手に持って仁王立ちとなり目で追う。
それは"こいつは完全に気が狂っている。。。”としか思えない飛び回り方で、ぶつかったら私だって痛いだろうという速度で飛んでいる。
絶え間ない羽音は私をいらいらさせるのでつい暴力的な気分になっている。緑の蝿叩きは蜘蛛の巣を模っておまけに蜘蛛らしきものも描かれているが、
実に頼りない代物で振り回した時の手ごたえが今ひとつなのだ。
ドアを開けて、窓を開けて外に追いやろうと試みても平和に戦いを終焉させる気は無いらしいので、膝元あたりを通過するその瞬間緑の蜘蛛の巣型蝿叩きを振ると、
命中して落ちた。
命中はしたが頼りない蝿叩きの威力は弱かったらしくふらふらと飛んで静かになった。
ところがどこを探しても姿が見えない。
とりあえず静かになったのでほっとして本を読み始めるが、3ページほど読み進むと同じ蝿なのかまた別の蝿なのか更に一匹増えて頭上に飛び回っている。
先ほど頂点に達していた戦意を失った私は緑の蝿叩きをほうり捨てヘッドフォーンを頭に被って知らん顔を決め込んで本を読みつづける。
すると今度は手や腕に止まってこそこそ歩き回ったり頭上すれすれに飛びまわって煩わしいといったらないのだ。
こいつらはわざと私をからかっているのだろうか?
一度捨てた緑色の武器を再び握り締めてむちゃくちゃにふりまわす。
蝿がますます増えているような気がして仕方ない。
この蝿たちは先ほどから私の頭の中で行ったり来たりしている"迷い"なのではないかという気もして来た。
ひょっとして私の頭の中から出てくるってわけでもなかろうけれど、ちょっと不安な気分でもある。
私はとりあえず部屋を出る事にしよう。
帰って来た時にもまだ、蝿たちは飛び回っているだろうか?
