クリスマスイブと第一クリスマスは友人のBを訪ねた。
彼女は中国人で私たちは日本人で、私たちにとってクリスマスに義務は無い。
近所の森を散歩したり、彼女の相方の眠るチャペルに行き蝋燭を灯したり、
家に戻って料理をして食べたり飲んだり、とりわけ彼女が最近イタリアから持ち帰った
今年の10月搾りのオリーブオイルの美味しさといったら無かった。
ぺリドットを溶かしたような美しい緑の液体はバゲットに塗るだけでとても美味しい。
2日間を美味しく過ごした。
その翌日、小雨の中を森に散歩に出掛けた。雨にぬれた美しい森を撮ろうと
傘をかぶりながら撮影する。
思うように写真は撮れないのだけれど矢鱈めったらに撮った。
ところで年末は休息がてら映画を観ることに決めた。
手始めに。。。
● mission impossible phantom protokoll
派手なアクションでスカッと出来るかもしれないという期待だけで見に行った。
この映画は兎に角アクションを眺めて楽しむだけの映画だと思っていたので、それ以外は期待しないでいた。
見終わって映画館を出ると世界一高いビルの窓を登る場面だの、色々出てくるスパイ小道具だのしか思い出さない。
後にはなんにも残らない潔さだ。これもまた良し。
● The Company Men(DVD)
大企業のエリート達は意気揚々に走りながらも日毎の競争に内心神経をすり減らし、
組織から突き放されてしまうと、一体自分の価値を見失い、方向感覚を見失う。
仕事を失って、その後の自分にどう解決をつけて行くか?
映画の中で主人公の義兄は大工職人で自分の手と汗と力で稼いでいるのだけれど、
この義兄の存在がなかなか重いポイントにもなっているのではないかと思う。
● Melancholia
トリーア監督の作品が好きかと聞かれたら嫌いと答えるかもしれない。
冒頭から陰鬱で耽美的な映像がとても魅力的だ。
タルコフスキーが透けて見える感じが無きにしも非ずだが、残念ながらタルコフスキーは超えられない。
物語の始まりに花嫁である主人公の一人が未来の夫と共にあきれるほど長いリムジンに乗って披露宴会場に向かっている。
蛇の通り道のようにくねる道をリムジンは上手く曲がりきれず立ち往生してしまう。彼らの寸分先の困難を暗示しているようだ。
晴れの舞台であるはずなのに心を病む主人公と、そこに集まった人々の持っている暗闇で、その場は少しずつ空気は重く沈み、
"期待”の上に築き上げようとした努力は見る見るうちに崩れてしまうのだ。
同時に物語の背景には飛んでも無いことがおきている。
大きな惑星が地球に接近中で、衝突すれば地球はひとたまりも無い。
惑星メランコリアは人の不安を翻弄するように近づいたり遠ざかったりしていたが、間違いなく地球に向かっていると確認した時に
或る人は自殺し、ある人はパニックに陥り、不確かな恐怖には混乱していた主人公は、むしろ状況を受け入れる。。。
最後の場面は気に入らなかったものの、全体にはなかなか面白かった。
もう一度見てもいいなと思っている。
さて次は何を見ようか。
原発事故後の政府の無能さと責任逃れの態度に改めてあきれ果てた。 ・・・・・> ★★★