散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

日曜日の収穫

2009-11-30 17:54:47 | 思考錯誤



この黄色っぽく見えるところは銀杏の実だ。
当然この木の足元は実が敷き詰められた状態だ。
踏みにじられている。
少し拾ったが袋が不足で諦め心残りに引き上げた。





この様子を大襖にでも写したら迫力だろうなと思って眺めた。







相変わらずこんな空。







土手にはまだあざみの咲き残りがたっていた。






第一アドベントの蝋燭の火が一本灯った。




好きな形

2009-11-27 17:40:34 | 収集物品
不思議な形をしている。





羊の角。。。ではない。

変形アンモナイト。。。でもない。

巨大化したぜんまい。。。でもない。







昨日のこと。
訪ねてくれた友人が「これを見つけた時にね、これはSだな、と思ったんだよね」といって綺麗な黄色の薄紙に包んで、手渡してくれた。

(ありがとう)



そして正体を突き止めた。

Carludovica palmata Ruiz の実の鞘が裂けたところを乾燥したらしい。




日曜日

2009-11-23 00:58:16 | 移動記録


朝はずっと雨が窓を叩いていたが9時過ぎには少しばかり雨雲は遠のいた。
Eifel地方のある村に芸術愛好家がサロンを開いており定期的に展覧会を企画していて友人のダンがそこで展覧会をするという。
私は彼から貰わねばならないものもがいくつかあったので、必ずオープニングには出かける約束をしていたから、嵐にならない限りは出かける覚悟であった。
しかし雨は上がり徐々に青空も見えはじめ、雲はまだ空の大半を覆っているとはいえ、散歩だってできそうな気配である。

サロンは気持ちのよい明るい部屋で、展覧会を楽しみに訪ねてくる常連達がいるようだった。展覧会として大きな仕事ではないけれども、こんな風に日常の中にアートを取り込んで行くのは喜ばしいことだと私は思う。

しばし彼の作品を楽しんだ後、相棒と私は近くを探索することに決めた。何しろEifel地方には素敵なハイキングコースが沢山ある。ほんの少し走るともうベルギーとの国境で湿原が広がっているはずなのだが、まだそこまでたどり着いたことが無い。春には原生の水仙が咲き乱れる、アイリスが咲き乱れる原があるがまだそこまで辿り着かない。(どんなわけだか道に迷ってたどり着かないのだ)来年こそはと毎年唱えている。地図も持たずに何処を歩こうかと迷っていると古そうなダムがあった。





ダムの横に傾斜は30度くらいの一本道があった。(気分的には45度か!と思うほどだった。何しろ場所によっては脇に生えている木の根をつかみながら昇った。)
こんな風に写真を撮るとあまりたいしたことは無さそうだけれど、昇り始めて中ほど山登り用の靴を履いてこなかったことを後悔。雨の後でもあって結構すべるのだ。胸突き坂だ。


昇り切るとダムを一望できる。

山の中はブルーベリーも生えて(もちろん今は坊主になっている)この辺りなら茸も色々ありそうである。

うっそうとした針葉樹の一角はかなり密に茂って暗い。まず一人では迷いそうで怖い。

どういうわけでかポップコーンのようにパカッとはじけていた茸

今回は用意不備でもあるのでしばらく適当に泥濘を避けながら歩き回って降りる。
冷たい風が強くて手が悴んだ。

Eifel地方の建物は石造りだ。

可愛らしい石積みの家が並ぶ町。素材の統一が町に落ち着いた表情を与える。
(上の写真とは違う町)






裸になった林檎の木に実が残っているのを度々見かけた。
木守りだ。これが日本なら柿の実が赤く生えているだろうなあと思いながら眺める。







散歩が第一目的ではなかったし天気も悪かったけれども思いがけず歩くことができて得した気分で機嫌よく帰路に着いた。今度こそ木道のある湿原に辿り着きたいものだ。






温い11月

2009-11-22 08:14:48 | 思考錯誤
ニュースによれば記録的に暖かい11月なのだそうだ。
妙な感じだ。

金曜日は壊れてしまったメモリーカードを買いに街に出かけると11月下旬に差し掛かったというのにセーターを着てダッフルコートを羽織ってなぞいたら、暑くてぼおっとしてしまった。17度もあったようだ。これでまたいきなり気温急降下されると参ってしまうが、これから急激に寒い冬が来ると脅かす人もいる。
まあ、寒い冬でも太陽が出てくれるとよいのだが、今日日曜日は雨で始まった。

メモリーカードを買ったついでにDVDのコーナーをみると観そびれていた「Gran Torino」がもう4,99ユーロに下がっていたので購入。最近ブルーレイに移行するためかDVDはすぐに値が崩れるようだ。
市場に出かけていつもは手を出さない幾つかの食材を買い入れた。
少し予定外の収入があったので気が大きくなっている。
組み合わせといったら全く合っていないのだけれど飛び切り大きな帆立貝とか、新鮮な白身魚(Sebastes marinus 和名は知らない)、Steinpilz(ポルチーニ茸)。
ポルチーニタケは傘部分に詰め物をして焼き、足の方はスライスしてから粉をふってから揚げ、白身魚は塩をしておいたものをムニエル、帆立貝は味噌を塗っておいたものを焼く。組み合わせなんかどうでもいい、それぞれを楽しんで見るのもいいじゃないかという勢いだった。そして満足。



土曜日の森

















久しぶりに一寸天気

2009-11-19 19:18:02 | 写真
少し前に歯の治療を始めてそれが長引いている。
昨日は歯がずう~~んという感じに痛んでいた。
歯が痛いのは惨めな気分だ。頭痛と肩こりもおまけだ。
その所為でなのかひょっとして風邪気味なのか、熱っぽいので早々ベットに飛び込んだらすぐに眠ってしまったが3時半頃歯顎が疼くので目が覚めた。
仕方なく起きてふと手当たった本を読むことにした。
J.G.バラードの溺れた巨人。
この短編集結構気に入っている。

そうして浜に打ち上げられた巨人を思い描きながら間もなく又眠った。

夢を見た。

何だか取り留めないストーリーの無い夢だった。
海の中に私は運んでいた作品を落としてしまった。
拾い上げて見ると額は水を吸ってひしゃげている。
額の中に納まっていたオブジェやドローイングも変形しているが
なるほどこうしてしまえばこれがもともとの姿だったようにも思えてくるなあ、と思う。これはこれでなかなか良い。
私はそこに漂う流氷にしがみついて兎に角乾いた場所に移動をしようとしている。
するといきなり現れた歯医者が「僕には神経を抜く許可が下りないんだよ」という。そこに女医が2人出てきてそのうちの一人が「そういうわけで私が代行するわ」といった。
場面移行。
夜道を歩いている。
私が背にしているのは先ほどの流氷のある海で目の前は街だ。
空を見上げると見渡せる空の半分を覆うほどに巨大な飛行物体がゆっくり移動していたので、驚いて眺めていると携帯電話が鳴って海に戻らなければならなかった。

というような、まあ、取り立てて書くまでも無い夢を見た。

海に落としてしまった作品を新鮮に思いそれなりに納得したというところで、失敗は成功の元と解釈し、よい夢であったと受け取ったわけなんだけれど、それよりも夢の中の女医はちゃんと治療をしてくれたらしく、目が覚めると私の歯の痛みはほとんど消えていた。







いってみれば私の頭の中身。ガラクタが一杯だ。





ある画廊でカタログを作るので作家ポートレートが必要だとの電話あり。
(これは夢の話ではない)
自分が写っている写真はめったに無いので、さっと差し出すことが出来ない。
仕方ないのでセルフタイマーで撮ることにした。
リモートレリーズを持っていないのでタイマーで撮るのだが、これがやけに忙しい。ピントを合わせてからあわててカメラの前に走ること何十回も繰り返し、いい加減草臥れた。
終いに面倒になって適当に"少々難あり”の一枚選んだ。
しばらくしてCFカードをカメラに戻すとエラー表示が出て動かない。
カードリーダーに入れても動かない。
ということは、なんだ。。。珍しく私の写る写真が何枚も書き込まれて壊れるっていうのは一体どういうことなんだ?
私の毒気にすっかり参ってしまったのか?
CFカードのあえない最後を私の出来損ない顔写真が見送るわけだ。

やれやれ。。。。お気の毒に。




ネットワーク

2009-11-13 00:20:39 | 写真






今日の音楽





血管のように
網目のように

縦横無尽に増殖し

菌糸は植物から求められる養分を与え
菌糸は過去の森を消化する

何処までも広がって行くから
私の立っているところにも
貴方の立っているところにも
聞こえないか?
声?
感じないか?
鼓動を?

ふかふかと
落ち葉に
小枝に
苔が積もる
下に
脈打つ








きのこのもり

2009-11-09 04:59:51 | 散歩ゲーム
もう少し茸にこだわって見ることにした。
直径が10mくらいもあるような魔女の輪を見つけた。灰色シメジの輪でなかなかの圧巻だ。輪の中を見ると他の茸が小さなコロニーを作っている。
どんよりと今にも雨粒が落ちてきそうな空の土曜日の昼前に森に出かけた。
きっと散歩者も少なかろうと見込んでのことだが、雨でも雪でもしっかり散歩をするドイツ人は多いのだ。このくらいの天気では散歩者はくじけない。
しかしいつもの土曜日よりは少ないのは事実だった。
ハイイロシメジの傍にはムラサキシメジも群れていたし、その間間にナラタケも背を伸ばしている。
いつもならほんの少し一握りだけ収穫して帰るのだがこの日はハイイロ、ムラサキシメジのほかナラタケ、オニナラタケがふんだんに揃って頭を出していたので遠慮なく摘んだ。
茸の魔法にかかったか、あっという間に時間が経って気が付くと訪ねる約束していた友人の展覧会のオープニングの時間が迫っていた。あわてて切り上げていったん帰宅し、紙の上に茸を仕分けしてから支度をするのももどかしく髪の毛に絡んでいた枯葉を払って出かけた。
展覧会は電車で12,3分したところの駅の傍にある美術館で無事間に合い、一通り作品を鑑賞し数人の知り合いと話をし、美味しい珈琲屋でカプチーノを一杯楽しみ、珈琲豆を買って帰路に着いた。(この店の自家焙煎珈琲は美味しい)
家に戻ると机の上に茸の山が待っていたので、刷毛で綺麗に汚れを落とし湯でこぼしをして、塩漬けと醤油煮を作ってみた。
こうしておけば後で御飯に放り込んで炊き込むだけで美味しく食べられるという手筈だ。
一仕事して美味しい珈琲を淹れ、歩き疲れた足を投げ出すのは快いものだ。


 Clitocybe nebularis ハイイロシメジ
可食だ非可食だと色々意見の分かれる茸の一つだけれども結構美味しい。反応は個人差もある。私は食べてしまうが今まで問題が起こった事は無い。もっとも御飯に炊き込んだりする程度の少量しか食べない。
 Lepista nuda ムラサキシメジ
若い茸のほうが味がよく紫色も濃い、育ちすぎると埃臭いような匂いが少し気になることもある。
 Armillaria ostoyae オニナラタケ
オニナラタケ、ナラタケ両方とも茹でこぼしをしてから料理をする。なかなか美味しい茸なので山ほど集める人も多い。香もよく歯ごたえもよい茸だ。土曜日にも籠一杯に摘んでいる人の姿が見えた。固まってごっそりと生えるのですっかり坊主にされた跡の姿はかなり目だって気の毒でもある。
 Pleurotus ostreatus?
私がこの茸をじっと眺めていると近づいてきた三人あり、一人がこれは食べられるヒラタケじゃないか?という。彼女は茸図鑑を鞄から取り出して早速調べたがはっきりせず、別の一人が自信が無ければやめたほうがよいと力説するので皆手を出さなかった。そんな視線集中する中私は調べるために採集することもし辛くなってその場を離れたが、帰り際やはり気になってもう一度見ようと茸が生えていた倒木を見ると、すでにすっかり消え去っていた。これは本当にPleurotus ostreatusか?傘の径は大きいもので6,7cmあった。
 Strobilurus esculentus
調べると、この茸も食べられるというがよほど集めなければ歯に挟まるくらいで食べた気がしないだろうと思うくらいに小さい。食べるよりも眺めて楽しむほうに向いている。
 森の中にばら撒かれたボタン。
よく見かける茸たちだがまだ正体を突き止めていない。傘の径2,3cm。
 怪しげに地に咲く白い花という様子。

 まだ正体不明。

 Fomes fomentarius?
この手の茸にも色々ある。傘の縁に連なる水滴がまるでガラスビーズを飾ったようでとても美しかった。
 Xerocomus badius
ドイツ名:Maronenpilz(栗茸)傘の色からその名を貰ったのか?ヤマドリタケ、アンズタケなどの上等な食菌に続く人気茸である。かさ裏はスポンジ状でクリーム色だが固体が古くなったりまたは傷つくと緑色に変色する。実に美味しい茸で今回はフライにしていただいた。もう一度くらい会えないものかとほんの少し淡い期待を抱いているが今年はもう駄目かもしれない。


時には森からの美味しい恵みをありがたくいただいて森と同化する気分を味わうのも素敵なのだが、そればかりでなく菌糸類は本当に興味深い生命体だし、美しい。
上の写真のオニナラタケなどアメリカで巨大なコロニーが見つかり、その菌糸で繋がる茸たちを単体とすれば世の中でもっとも巨大な生命体とされるほどに重量があるというからすごいものだ。
私は森の中で茸の菌糸網の上を歩いているのだなと思いながら歩く。ひょっとして茸は私の足音を体重を感じてあたりに警告を発しているかもしれない。
大きな生命体の上を歩いているのだとおもうと面白いね。思わず妄想に走ってしまう。
変形菌の世界になると又それも楽しいけれど、それは次の機会にまとめることにしよう。




茸茸と騒いでいて、茸が頭の天辺や耳から生えてくるような夢を見てしまいそうだから今日のところはこれくらいでお終いとする。


今日はドイツを東西を分けていたベルリンの壁が消えた20周年記念日だった。
壁の崩れた日、そのニュースを聞いて私は冗談かと思ったものだった。あれからもう20年もたってしまったのか、と個人的には時の流れの速さに驚いている。


昨晩は音楽を。。。

2009-11-06 22:38:20 | 思考錯誤
11月5日

友人の誘いでバロックコンサートを聴く。
聞いた事の無いアンサンブルだったのでどんなもんかな?と思いながら聞いて見ると結構これが楽しかった。
得をした気分だ。




Balthasar-Neumann- 合唱団 と アンサンブル
Thomas Hengelbrock指揮

Campra, Grand Motet "Notus in Judea Deus"
Händel, Chandos Anthem Nr. 11 HWV 256
Vivaldi, Magnificat RV 610a
Bach, Messe F-Dur BWV 233

どれも素晴らしい曲だ。
何だか頭の中の汚れが濯がれるようだった。

残念ながらホールは古楽期の楽器には今ひとつ合わないように感じたけれども、これは素人の私が好みで言っていることだからあてにはならない。



バロックはいいなあ。又しばらくの間バロック漬になりそうだ。

今日の一曲 Corelli








ところで、このブログに乗せるために写真を適度な大きさに縮小してアップロードすると必ず写真がぼけている。これって直らないものなのだろうか?




土曜の散歩

2009-11-01 17:53:42 | 自然観察
金曜日の茸観察が思いがけなく楽しかったので、土曜日は相棒も共に早めに出かけてSolingenとRemscheidのの中間にある森に出かけた。
森といっても散策路となっていて手入れがよく行き届いている。しかしかなり広いのとちょっとした山なので”ここから滑り落ちたら怪我じゃすまないな”と言う道がある。深秋の空気が心地よく時間が早かった所為もあって出会う人も極まれであった。
籠を片手に下げた男二人を先方に見かけて、あれは茸狩りだなと思った。
今頃はたいした食菌は無いとはいえ一体何を探そうとしているのかひどく気になったが足早に遠ざかっていった彼らを追いかけて聞く程のことも無い。
桜色のコムラサキシメジらしき茸やハイイロシメジが目立つくらいで取り立てて面白い茸は見かけなかった。

ゾーリンゲンとレムシャイドの間にある谷にかけられた鉄橋は1893年に着工された。
橋の両端から作業が始まり、その測量は正確で中央でめでたく1897年6月5日に開通した。
計算違いで両端から中ほどまで仕事が進んだが中央で測量ミスに気づき解体せざるを得なかったという様な話がいまだ語られているが、そんなことは無かったようだ。
もう一つの伝説はこの橋の基礎の何処かに純金のリベットが使われているという話だ。この伝説のおかげで随分宝探しをする者があったらしい。
実際にはカイザー ウィルヘルムを讃えて1897年3月22日に”金メッキのリベット”が何処かに一つ打ち込まれたというのが事実のようでそれを見つけるのは藁山の中の針を探すようなものだ。しかし夢を追う人々は後を絶たないし、それはそれで心楽しい。
3時間ほど山を歩き回って筋肉もきしみ始めたところで鉄橋のふもとにたどり着いた。数年前にもこの辺りに来た事があって、当時はハイキング者の為の小さなキオスクがあるきりだったのだが、その辺りは最近公園化していて綺麗なのだが少々残念に思わないでもない。回りに溢れている自然のなかに突然芝生が敷き詰められてモダンなカフェが建てられ様としているところだった。






Diederichstempel

Müngstener Brücke






もうひとしきり歩こうとすると、例の籠を下げた男達が前から獲物をさげてやってきた。籠にもビニール袋にもぎっしり詰まっている。
見ればどうやらハイイロシメジのようだった。やっぱりそれくらいなんだな、と思わず安心した。(。。。?)
ハイイロシメジに関しては色々言われている。店に並んでいることもあるようだ。実に美味しい茸だというものから中毒すると言う話まであるので、まあ手を出さないでいたほうが良いかと思っている。

。。。と思ってはいるのだが、実は金曜日に灰色シメジの比較的若い菌を見つけたので少し採ってきたのだ。
茹でこぼしてから甘辛く煮てみたらとてもよい香りで美味しそうなのだ。もちろん食べてみたら美味しい。早速炊き込みご飯にもしてみた。

そして私はまだ生きているし、お腹も痛くは無い。