「くそったれ!なんてことなの!」
といきなり喚き声が聞こえた。
「あたしは今電車がきたから荷物を取って乗ろうとしてとこなのに電車はあたしを置いて走って行っちゃったのよ!信じられない!そうじゃないっ!ちがう?!」
声の聞こえるほうを見やると、年のころは60台後半位の女性が地団駄を踏んでいた。
逆側の電車の停留所で電車待ちの人々さえをもねめつけるように睨んで仁王立ちになっている。
「そうじゃないっ?こんなひどい事って無いわよっ!そうじゃないっ?」
と同意を求めて視線が彷徨っている。
確かに乗ろうとしていた電車が自分をとり残して出てしまったら頭に来るけれどね。
「全くこんなッひどい街ったらありゃしないわよ、呪ってやる。 悪魔にやられてしまえばいい。 テロが爆弾仕掛けたり、飛行機が落ちたり、嵐が来て叩き壊してしまえばいい!こんなどうしようもない町は消えてなくなればいいのよ! ちがうっ?」
だんだんに彼女の怒りは少し尋常さを欠いて来た。
彼女の視線に取り押さえられてしまった女性が困った顔をして、時々何か受け答えをしている。
怒りの炎に包まれた女はまるで舞台役者のように行ったり来たりしながら、できる限りの大声で喋り続けている。
ものすごいパワーだ。私ならもうとっくに息が切れていることだろう。
「呪われればいいんだ、消えてしまえばいいんだ。警察だってこの町は駄目だ。XXX市の警察はいいけど、ここのは全くだめよっ!爆弾落ちてしまえ!」
電車においていかれる以前に怒る事柄があったのかもしれない。彼女の怒りはしばらく消える事がなさそうだった。
間もなく彼女の呪いの飛沫がかからぬうちに私の乗る電車が到着し、私は取り残される事無く電車に乗った。
空が一瞬暗くなった。

。。。。それでも、今日は小春日和。
久しぶりにオーバーを脱いだ。
辺りの空気にはレンギョウとマグノリアの香でいっぱいだ。
花の香は私の心を癒してくれる。
この香を封じ込めた壜をみんなに届けたいものだ。

といきなり喚き声が聞こえた。
「あたしは今電車がきたから荷物を取って乗ろうとしてとこなのに電車はあたしを置いて走って行っちゃったのよ!信じられない!そうじゃないっ!ちがう?!」
声の聞こえるほうを見やると、年のころは60台後半位の女性が地団駄を踏んでいた。
逆側の電車の停留所で電車待ちの人々さえをもねめつけるように睨んで仁王立ちになっている。
「そうじゃないっ?こんなひどい事って無いわよっ!そうじゃないっ?」
と同意を求めて視線が彷徨っている。
確かに乗ろうとしていた電車が自分をとり残して出てしまったら頭に来るけれどね。
「全くこんなッひどい街ったらありゃしないわよ、呪ってやる。 悪魔にやられてしまえばいい。 テロが爆弾仕掛けたり、飛行機が落ちたり、嵐が来て叩き壊してしまえばいい!こんなどうしようもない町は消えてなくなればいいのよ! ちがうっ?」
だんだんに彼女の怒りは少し尋常さを欠いて来た。
彼女の視線に取り押さえられてしまった女性が困った顔をして、時々何か受け答えをしている。
怒りの炎に包まれた女はまるで舞台役者のように行ったり来たりしながら、できる限りの大声で喋り続けている。
ものすごいパワーだ。私ならもうとっくに息が切れていることだろう。
「呪われればいいんだ、消えてしまえばいいんだ。警察だってこの町は駄目だ。XXX市の警察はいいけど、ここのは全くだめよっ!爆弾落ちてしまえ!」
電車においていかれる以前に怒る事柄があったのかもしれない。彼女の怒りはしばらく消える事がなさそうだった。
間もなく彼女の呪いの飛沫がかからぬうちに私の乗る電車が到着し、私は取り残される事無く電車に乗った。
空が一瞬暗くなった。

。。。。それでも、今日は小春日和。
久しぶりにオーバーを脱いだ。
辺りの空気にはレンギョウとマグノリアの香でいっぱいだ。
花の香は私の心を癒してくれる。
この香を封じ込めた壜をみんなに届けたいものだ。
