ライン川の岸辺でうつむいて石を物色していた時の事。気配を感じて顔を上げると鴨の家族がこちらに向かってやって来た。
何処まで近づくかとじっとして見ていると、私のすぐ足元までやって来た。その勢いは突かれるのではないかと思うほどでちょっと怖いくらいだったが、しばらくくわっくわっと鳴いてから、踵を返して川に向かって歩き始めた。
行ってしまったなあ、、と少し名残しい気でまた石を眺めていると、一回りした彼等がもう一度、やはり結構な勢いで近づいてくるのが見えた。
また私の目の前でくわっくわっと言う。
私のいる場所に何か問題があるのか? 邪魔なのか?(私は彼らが二度目に近づいて来たとき、数メートル移動していた)
ひょっとして、私は旅に誘われているのか?
「私は空を飛べないよ」と言ってみると、それを了解したのかどうだか彼らは私を置き去りにしてもう二度とは帰ってはこなかった。

シロツメクサが道の傍に沢山生えていたので四つ葉が見つからないものかと立ち止まった。
しばらく見つからずに視線を泳がせていた。
去年の夏、母と甥がドイツに遊びに来ていた時、母は散歩中にシロツメクサの群れを見るたびに四つ葉探しをはじめた。そして毎回沢山見つけるのだ。
それで私はいたずらに「お母さん出番です」と声に出して言って見ると、間も無く四つ葉と六つ葉を見つけたのには笑ってしまった。
力のある呪文らしい。
ちなみに昔、シロツメクサの花を乾燥させてガラス製品の緩衝材として使われたのだそうだ。「詰め草」と言う名はそこから来ている。

時々歩きながら日本語の朗読を聴いている。
語りのリズムに引っ張られて私の歩調も変わってゆく。
耳の中で『危ないから。。』と声が聞こえた時、『Achtung!』という声が被さった。
私がのんびり、ふらりふらりと道を歩いていたので、後ろから走ってきた自転車乗りを邪魔していたらしい。
驚いたものの、思いがけなく同じ意味の二つの言葉が私の耳の中でぶつかったのが面白くて、私がにんまり笑っていると、向かいから来る人もつられて笑った。

何処まで近づくかとじっとして見ていると、私のすぐ足元までやって来た。その勢いは突かれるのではないかと思うほどでちょっと怖いくらいだったが、しばらくくわっくわっと鳴いてから、踵を返して川に向かって歩き始めた。
行ってしまったなあ、、と少し名残しい気でまた石を眺めていると、一回りした彼等がもう一度、やはり結構な勢いで近づいてくるのが見えた。
また私の目の前でくわっくわっと言う。
私のいる場所に何か問題があるのか? 邪魔なのか?(私は彼らが二度目に近づいて来たとき、数メートル移動していた)
ひょっとして、私は旅に誘われているのか?
「私は空を飛べないよ」と言ってみると、それを了解したのかどうだか彼らは私を置き去りにしてもう二度とは帰ってはこなかった。

シロツメクサが道の傍に沢山生えていたので四つ葉が見つからないものかと立ち止まった。
しばらく見つからずに視線を泳がせていた。
去年の夏、母と甥がドイツに遊びに来ていた時、母は散歩中にシロツメクサの群れを見るたびに四つ葉探しをはじめた。そして毎回沢山見つけるのだ。
それで私はいたずらに「お母さん出番です」と声に出して言って見ると、間も無く四つ葉と六つ葉を見つけたのには笑ってしまった。
力のある呪文らしい。
ちなみに昔、シロツメクサの花を乾燥させてガラス製品の緩衝材として使われたのだそうだ。「詰め草」と言う名はそこから来ている。

時々歩きながら日本語の朗読を聴いている。
語りのリズムに引っ張られて私の歩調も変わってゆく。
耳の中で『危ないから。。』と声が聞こえた時、『Achtung!』という声が被さった。
私がのんびり、ふらりふらりと道を歩いていたので、後ろから走ってきた自転車乗りを邪魔していたらしい。
驚いたものの、思いがけなく同じ意味の二つの言葉が私の耳の中でぶつかったのが面白くて、私がにんまり笑っていると、向かいから来る人もつられて笑った。
