今日もまた、橋下府知事関連の新聞記事から。
http://www.sankei-kansai.com/2008/10/20/20081020-003138.html (「朝日新聞は大人げない」 橋下知事が社説に反論=2008年10月20日付け産経関西ネット配信記事)
この産経新聞の記事では詳しいことは書かれていませんが、朝日新聞の朝刊(2008年10月20日付け)紙面によると、「僕は権力者だから批判してもらってもかまわない」という前置きをしたうえで、「一線を越えた批判や、からかい半分の批判には徹底して対抗しないといけない。僕にも家族はあるし事務職員も抱えている。弁護士資格を返上したら従業員はどうなるのか」といったとか。
「そんなに自分の弁護士事務所や家族が大事なら、あとあとのことも考えて発言すべきであって、調子にのって、そのときの思いつきで、マスコミなどで過激な発言するほうがおかしいのでは?」というのが、この府知事のコメントへの率直な感想。「あなたもたいがい、タレント弁護士時代、テレビなどで一線を越える発言などをくりかえしてきたのではないですか? 今もなお、府知事として、かなり言ってはならない発言をしているのではないですか?」とも言いたいです。
そもそもタレント弁護士時代の橋下氏が、家族や事務員がいるにもかかわらず、何か「勝算あり」と考え、光市母子殺害事件での弁護団への懲戒請求を、マスメディアを通じてアピールしたわけでしょう。しかし、そのことで逆に弁護団側から訴えられ、橋下氏側が訴訟で敗れたわけですよね。それは弁護士としての橋下氏のその時点における法解釈とか、情勢判断が何らかの形で問題があったことを示すものではないのでしょうか。そうしたら当然、この敗訴という事実をうけて、こういう法解釈や情勢判断で動いた弁護士としての橋下氏に、「この人で本当に大丈夫か?」と、「逆風」が向かってくることだってありうるわけです。それがたまたま、朝日新聞の社説という形で表面化しただけではないでしょうか。
それに、そもそも橋下氏には失敗したら自らに「逆風」が来るという、その覚悟があってあのときに懲戒請求のアピールをしたのでしょうか? 私などは朝日新聞の記事がどうこうというより、そもそも、そこが橋下氏に問われると思うのですが。
本当に「大人げない」のはどっちなのか? 弁護士であれば、法廷での争いで当然、自らが敗れることも覚悟して事案に取り組むのがスジで、「負けたときの対応」すらアタマに入れて動くのではないのでしょうか? 仲間の弁護士さんたちから、今回のこういった発言や対応がどう見られているのか、というところまで考えているのかな・・・・? 率直に、そう思ってしまいました。
それから、下記の記事ですが。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200810170026.html (橋下知事「園児の涙を利用、卑劣な行為」 第2京阪=2008年10月17日付け朝日新聞ネット配信記事)
この記事で展開されている知事側の理屈は、昨日、このブログで書いたテレビ番組「サンデージャポン」でのコメンテーターたちの発言内容とほとんど同じ。ここでも、「自分のしていることが相手側から見てどうなのか?」という目線は弱いですし、「自分は常に正しく、まちがっていたり、悪いのは向こうである」という理屈の立て方ですよね。
「僕は権力者だから批判してもらってもかまわない」とのことですから、今後は「お友だち」感覚で橋下府知事へのコメントをするのではなく、マスメディアはどんどん、彼の施策などにたいして批判すべきだと思いますね。そして、「批判してもらってかまわない」といった以上は、それがいくら厳しくても、「あんな○○新聞や○○テレビのような人にはなるな」と、二度と言ってほしくはないですね。それこそ、「大人げない」ですから。
ちなみに、こういうことを橋下知事が言い始めたところを見ると、そろそろ、マスメディアで彼のパフォーマンスを駆使して、「改革をすすめる橋下知事VS抵抗勢力」という図式が通用しなくなってきたのかな、とも思います。橋下知事が導入しようとするその改革の内実が、実は府民にとって生活向上につながるものどころか、かえって「子どもを泣かす」ものだということが見えてきたり、あるいは、過激な発言、強気の言動の裏が実に危ないものであったり、そういうこともだんだん、表面化してきたのだろうと思います。だからこそ、彼のなかで「あせり」がではじめて、自らに対する批判的意見をマスメディアに書かれ始めると、いらだちが隠せなくなってきたのではないかな、と思いますね。
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