一応、これまで2回続けて書いてきたことをふまえて、雑誌『解放』の608号と610号の2冊を読んでいて気づいたことをまとめておきます。
要するにこの2回で何を私が言いたかったのかといいますと、解放運動を含む人権を守るためのこの日本社会のさまざまな運動のなかで、今の「学校教育」の領域での取り組みがどんな位置に立っているのか、そのことをそろそろ検討したほうがいいのではないのか、ということになります。
例えば他の領域での人権を守るための運動が、貧困と社会的不平等の是正に向けての取り組みに相当、力を入れ始めたり、あるいは、市民の立場から国家・自治体(政府)に対して何か積極的にアクションを起こそうと考え始めているときに、今の「学校教育」の領域での取り組みは、そのほかの領域での取り組みを側面から支えたり、あるいは、何らかの連携をとりうるものになっているのかどうか。
特に、学校教育の領域での「効果のある学校」や「学校を核にしたコミュニティづくり」、あるいは「学力向上」に向けてのさまざまな研究・実践、これが、「貧困と社会的不平等の是正」や「市民の立場から国家・自治体に積極的にアクションを起こす」というほかの領域での取り組みと、どんな関係に立っているのか。そこを、そろそろ検討したほうがいいのではないか、と思うのです。
すなわち、「学力向上」といっても、そこで身につけようとする「学力」は、「市民の立場から国家・時自体に積極的にアクションを起こす」ための力になりうるものなのかどうか。あるいは、「貧困と社会的不平等の是正」という取り組みに対して、「学校を核にしたコミュニティづくり」は、どれだけ役にたつものなのか。そして、「効果のある学校」というときの「効果」は、、「貧困と社会的不平等の是正」という面から見たときには妥当なものであっても、「市民の立場から国家・時自体に積極的にアクションを起こす」という面から見たら有効なのかどうか。
私としては今後、「人権を守るためのさまざまな運動の連携」ということを意識しつつ、こういったことを検討して、学校教育の領域での取り組みを、他の領域での取り組みと連携させて、相乗効果を発揮させていく必要があるのではないか・・・・と思うわけです。
行政施策のたてわりや、既存の運動の諸領域にに対応する議論の立て方ではなくて、今あるさまざまな運動に共通して目指すべき方向性や、あるいは、今ある運動が直面している課題の共通性から、既存の枠組みにとらわれず研究テーマや議論を立ち上げていくという道筋もあるのかな・・・・。そんなことをふと、雑誌2冊を読みながら思ってしまいました。これが、この3回の「まとめ」ですね。
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