できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

3月17日(火)午後、子ども情報研究センター・子ども人権部会のご案内(定員充足、受付終了)

2020-02-17 20:14:58 | 学問

※3月5日(木)追記

下記の子ども情報研究センター・子ども人権部会のご案内ですが、おかげさまで定員を充足しました。

また、新型コロナウィルス性肺炎の感染拡大防止の観点から、これ以上の参加申込の受け付けはしないでおこうと考えております。

なので、大変申し訳ありませんが、今後の申し込みはお断りさせていただきます。

なお、同じ内容での学習会の企画をご希望の方は、別途、私の方までご連絡ください。

<子ども情報研究センター 子ども人権部会のお知らせ>


○テーマ
編者といっしょに『「いじめ防止対策」と子どもの権利』を読む

○今回取り上げる本
鈴木庸裕・住友剛・桝屋二郎編著
『「いじめ防止対策」と子どもの権利』(かもがわ出版、2020年2月)

○報告者:住友 剛(京都精華大学)

○日時:2020年3月17日(火) 13時~15時

○場所:子ども情報研究センター事務所
 〒552-0001 大阪府大阪市港区波除4丁目1−37
 HRCビル5階 
 地下鉄中央線「弁天町」駅4番出口より 700m(徒歩10分)

○定員:10名(先着順)
※場所の関係で参加可能な人数に上限があります。
 参加予定の方は下記までご連絡ください。
 子ども情報研究センター事務所 
 FAX:06-4394-8501 電子メール:info(アット)kojoken.jp (「アット」の部分は@を入れてください)

○座長からひとこと
みなさま、おひさしぶりです。この何年か、子ども人権部会は子育ち連携部会と合同で公開学習会を行ってきました。今回は久しぶりに子ども人権部会単独での開催になります。
さて、このたび『「いじめ防止対策」と子どもの権利』という本を、私が編者のひとりになるかたちで、研究者・医師・弁護士・スクールソーシャルワーカー・養護教諭、そして遺族の方との共著でまとめました。この本は、いじめの重大事態が起きた時の対応、特に調査委員会運営のあり方や、未然防止・再発防止策の実施のあり方などについて、「子どもの権利擁護」の視点から考えてみたものです。なお、この本は2月末には書店に並ぶと思いますし、Amazonなどでは予約注文が可能です(当日も会場で販売します)。
今回の子ども人権部会では、編著者のひとりである私の方から、どのような思い・内容でこの本をまとめたのかについて概説した上で、あらためて今後のいじめの重大事態対応のあり方などについて議論をしてみたいと思います。
場所の関係で参加者の上限が設定されていますが、どうぞご参加ください。(文責:子ども人権部会座長 住友 剛)

※追記:同様の学習会の開催を希望される方は、私のところまでご一報ください。この日も参加できる方の数に限りがあります。ご希望の方が多いようでしたら、二度目、三度目の学習会の開催を考えます。


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去年秋の「大騒ぎ」の内実を今こそ問う報道を(神戸・教員間いじめ関連)

2020-02-17 19:22:27 | 受験・学校

兵庫)東須磨小教員間暴力問題 調査急ぐ外部委、焦点は(朝日新聞デジタル、2020年2月17日配信)

こちらは今朝の朝日新聞の記事(有料記事)ですが。

一時期に比べて、かなり論調が落ち着いてきた感じです。

少なくともこの記事からは、次のことがわかります。

(1)兵庫県警は市教委の処分、その前提としての弁護士主体の調査チームの出した結論をみて、加害教員の刑事事件としての捜査の動きを決める見通しだということ。だとすると、この件、警察側の判断として、刑事事件として書類送検等を行い、立件できるかどうか自体が「あやしい」レベルの事案だった、ということかもしれない。(ついでにいうと、「いじめは犯罪だ」的な論調があちこちでよく言われますが、肝心のその犯罪の捜査をする警察の側は、たとえば調査チームの報告や市教委の処分等々、実は「世論」の動きを見て「落としどころ」を考えて動いている、ということですね)

(2)その加害教員の行為についても、4人の行為の内容や関与の度合いには軽重があったり、互いに示し合わせて加害に及んだかどうか怪しかったりする。したがって、ほんとうに去年10月末の加害教員4人まとめての分限休職・給与差し止め等の措置が必要だったのかどうか。あらためてその是非が問われることになる。当然ながら、この分限休職・給与差し止め等の措置を行うため、条例改正を積極的に推進した市長や一部市議らの対応も、今後、問われることになる。

(3)一方、加害教員の行為を止められなかった管理職の動きについても、前任の校長と今の校長、そして市教委の関係を問う方向に動いている様子。また、この記事には、「神戸方式」なる人事の話が今は出ていないことに注目すべきかと。なにしろ他の都道府県・政令市でも同様の教員間いじめ問題が起きているという実情が生じているのだから、議論の方向性がちがってきて当然かと。そうすると、やはり去年の10月頃、さかんに「神戸方式、神戸方式」と連呼していた市教委幹部や市長、一部市議、そしてマスコミのあり方が問われることになる。

(4)さらに、激辛カレーの動画を配信して以来の学校や市教委バッシングの経過、さらには市教委の係長の自死の件にも、この記事では触れている。「インターネット上では臆測に基づくうわさや根拠の乏しい情報も出回った」ことや、「対応する職員は疲弊」ということにも触れられている。だとすると、やはり「憶測に基づくうわさや根拠の乏しい情報」を流した人々や、それにもとづいて市教委や学校に苦情電話をかけたりしてきた人々、さらにそれを煽った人々のあり方が当然、問われてしかるべきだということになる。

(5)そして、この記事では最後のところで、市教委係長の自死に対して、教育長のメンタルヘルスに配慮できなかったことを申し訳なく思う気持ちが表明されている。そのことはまずは大事にすべきとして、「では、神戸市長はこの件、どう思っているの?」という疑問がどうしても生じる。なにしろマスコミやSNSを通じて、市教委や当該の学校、さらには加害教員らへの怒り等々をくり返し表明して、世論を煽ってきた側に、神戸市長自身も居たのではないかと思われるから。また、そのことが市教委職員や市立学校教職員のメンタルヘルスを悪化させるところにまで、さまざまな問題を生じさせたのではないかと思われるから。

(6)あと、もうひとつ思うのは、この記事でもまだそうなのですが…。当該の小学校の子どもや保護者、地域住民への配慮や、その当該の小学校の教育再建にいま、しんどい思いをしながら取り組んでいる教職員への気配りが、まだまだ感じられないということ。あくまでもこの記事もこれまでの「事件報道」の「中間総括」的なもので、「今後、神戸の教育界の再生をどうすすめるか?」「当該の学校の再建にどうとりくむか?」のような議論には、まだまだほど遠いということ。そのことも感じました。

(7)こんな風に考えますと…。やはり「あの去年の10月の大騒ぎはいったい、なんだったのか?」を、今の時点できっちりとふりかえり、総括しておかないといけないのではないかと思います。それこそ、あの頃、文科省の副大臣なども神戸にやってきて、市教委の教育長がアタマ下げた映像をマスコミに撮らせたりしていたわけですが…。「あんなことにいったい、何の意味があったのか?」「いったい文科省の副大臣や役人は、なにをしに神戸までわざわざでてきたのか?」ですね。

<追記>

ついでにいうと、これから先のマスコミでの識者コメントは、最低でもこの朝日新聞の「中間総括」的な記事を読んだことを前提にして行うべし、でしょうね。去年10月頃の情報をもとにして識者コメントしていると、とんでもないことになります。


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