2211冊目はこの本。
日本再建イニシアティブ『「戦後保守」は終わったのか 自民党政治の危機』(角川新書、2015年)
かつての自民党田中派や大平派のような「保守本流」あるいは「中道保守」の政治は、この十数年の新自由主義的諸改革の流れのなかで、その存立の基盤を脅かされ、衰退の一歩をたどっているのではないか・・・。
このような私の疑問にまるで「そのような節あり」と答えるかのように、民間シンクタンクの自民党政治研究のこの一冊が答えてくれた。
と同時に、それは自民党の政治がだんだん新自由主義的諸改革のなかで、多様な人々を包摂する力を失い、社会的不平等(格差)の是正や社会的弱者の救済などの機能を失っていくプロセスでもあるのだが。
もう一度この「中道保守」の政治を復権させることができるかどうか。そこに日本社会の「包摂」力の回復、社会的不平等の是正等々、いろんな課題の解決がかかっているのでは?