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京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

「9月入学」や「ICT教育」の話の前に、いま学校の「新型コロナ」対応について考えてほしいこと

2020-05-07 09:30:06 | 受験・学校

下記に書いていることは、5月1日(金)にツイッターでつぶやいたことを、いったんフェイスブックにまとめて手を加えたものです。こちらにも転載しておきます。

個人的には昨今はやりの「9月入学」移行の議論と、インターネットでの授業動画の配信を中心とした代替授業の話は、ほんと「ばかばかしい」としか思っていません。その理由がわかると思うので、あえてこちらに転載しておきます。

<以下、転載内容>

○あれかなあ。ICT普及と9月入学移行を柱に「惨事便乗」型の教育改革やりたがってる連中がいるような気配だなあ。まあ、コロナ対応には別に急いでやる必要ないだろうし、いまはそんなことしてる場合じゃないだろうから、無視するに限るけどね。

○そもそも生涯学習社会への移行とか言うてこの三十数年、若いうちに学べなかったことも年取ってから学べばいいと考えてきたわけじゃん。だったら9月入学の制度改革の前に、子どもや若者がこの機会にしか経験できないこと、いま考えるべき大事なことを最優先でやろうよ。

○自分が高校教員なら、各教科のワークブックやネット教材やらせていくよりも、毎月1テーマで「あなたは家にいるあいだに、人間や社会、文化、自然について何を見つめたか?」を問うていくようなレポート書かせたいなあ。もちろん体験的な活動のレポートもありで。

○その毎月1テーマで書かせたレポートの束というか、ポートフォリオの質や量、課題意識のありようで、今年は高校生の進級や卒業を判定するなあ、自分なら。また、大学入試に際しても面接時にそのポートフォリオを出させて判定資料に使ってもらうなあ。

○で、個々の生徒と3密をさけたかかわりやICT活用での接触を教員として定期的に行うなかで、高校生のポートフォリオ作成を支援して、この機会に本当にその子その子が本気で学びたいことを見つめる作業と教員として向き合いたいなあ。私が高校教員なら、そうする。

○コロナ流行で休校が続く状況は悲しい。でもその悲しみのなかで何か課題意識が子どもや若者に芽生えているなら、それを大事に育てたい。また、それは9月入学とか制度をいじらなくても、いますぐ、子どもや若者にかかわる人のアタマと心さえ変えたら始められること多数ありですよ。

○逆にいうと、従来通りの教科書や学習指導要領の中身をきっちりその学年単位で終えて、テストで学力測定して…なんていう学習観や教育観にはまればはまるほど、「9月入学で~」みたいな発想が強まるんじゃないかなあ。私みたいにそんな学習観や教育観自体を捨てちゃえば発想も変わるだろうけどね。

○そういえば3月の時点で私、全国一斉休校のどさくさにまぎれて、教職員と集まれる子どもとでフリースクールみたいなことやってしまえと言っていたかと。目の前の子どもに必要なことさえやっていれば「横並び」なんて無視。それさえ容認してくれたら、別に「9月入学」移行なんて制度改革は必要ない。


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