エイミー・アダムス主演、地球にやってきた異星人とのコンタクトを描いたSFドラマ。テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」を「ボーダーライン」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映画化。ジェレミー・レナ―、フォレスト・ウィテカーが共演しています。
ある日突然、地球の各地に正体不明の飛行物体が現れます。地球外からやってきた知的生命体の目的は何か。異星人との意思疎通を図るため、言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)が抜擢されますが...。
SF映画が苦手なので、本作も見るのを躊躇していましたが、Rotten Tomatoesでの高評価に期待して鑑賞。注目のヴィルヌーヴ監督作品でもあり楽しみにしていましたが、結論からいうと、少々もの足りなかった...映像や展開もやや単調で、時々うとうとしてしまいました。
異星人とのコンタクトに言語学者が抜擢されますが、そもそも言語というコミュニケーションが可能なのか、疑問を感じました。というのも、私自身は異星人との最初の知的コミュニケーションはおそらく数学(=論理)になるのでは、と信じているから。
ピエール・ブールの「猿の惑星」でも、猿が支配する惑星に不時着した人間が、自分が知的生物であることを証明するために、数学理論を絵に描いて見せていたことを思い出します。本作の序盤でも「フィボナッチ数列が通じたか?」というようなセリフがあったので、にやにやしながら見ていたのですが...。
ところが本作に登場する生物の言語は、まさかの墨絵。どうしてまた?と思いましたが、原作者が中国系アメリカ人と知って、なるほどと納得しました。どこか書の世界に通じるものがあり、アートとしても美しかった。でも地球人の言語、それも英語に意味を当てはめるというのは少々無理があるように感じました。
異星人の造形が、何十年も使い古されてきた姿だったのもがっかりでした。地球まで来れるということは、かなりの知能をもつ生命体であるはず。「宇宙戦争」のようにすぐに攻撃してきてもおかしくないのに、粘り強く地球人との話し合いに応じるものわかりのよさも、不自然に感じました。
とはいえ、すべてが円という閉じた図形であることや、12がキーナンバーになっていることは興味深い。そういえば、ストーンサークルの謎にも通じるものがあるような気がします。地球とは違う時間の流れ方があるということが、謎を解くヒントになるかも??
ところで本作の宇宙船が、おせんべいの「ばかうけ」に似ているというのが公開前から話題になっていました。たしかにシルエットだけ見ると”ばかうけ”ですが、実際に映像を見ると、私はポテトウェッジ(potato wedge)を思い出しました。(どうでもいい^^;)
他にそう思った人はいないかと探したら、約1名(イギリス人)しか見つからなくて残念。でもほかに、Terry's Chocolate Orangeに似ているという声や、バナナとのコラ画像などもあっておもしろかったです。
5 Movie Posters more threatening (and delicious) than ARRIVAL (Film Obsession)