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ミッドナイト・スペシャル

2017年05月26日 | 映画

ラビング 愛という名前のふたり」(Loving・2016) がとてもすてきな作品だったので、ジェフ・ニコルズ監督を追いかけて、「テイク・シェルター」(Take Shelter・2011)、「MUD -マッド-」(Mud・2012) と過去作品を見てみました。

決して派手ではないですが、キャンベルのスープの匂いがしてきそうなリアルなアメリカが描かれていて、ニコルズ監督の作品、どれも好きです。登場するのが、ジェシカ・チャステイン、マシュー・マコノヒー、リース・ウィザースプーンなど、私の好みにどんぴしゃりの渋い実力派の俳優たち、というのもくすぐられます。

そしてすべての作品に出演しているのがマイケル・シャノン。どうやらニコルズ監督の世界を体現する、お気に入りの俳優さんのようです。今回取り上げたいのはアメリカでは2016年に公開された「ミッドナイト・スペシャル」。日本では劇場未公開作品ですが、先月DVDレンタルが始まったので早速借りてきました。

ミッドナイト・スペシャル (Midnight Special)

ほとんど予備知識なく見始めましたが、なんとも不思議な作品でした。サスペンス?スピリチュアル?と思いながら、流れに身を任せていくと、どうやらSFらしいということがわかってきます。一方、未知なる何かに導かれるようにして、我が子に与えられた使命を全うさせようと奮闘する、父親の物語でもあるのです。

舞台はテキサス。ロイ(マイケル・シャノン)と友人(ジョエル・エドガートン)が少年を誘拐し、車で逃亡するところから物語は始まります。実はロイは、この少年アルトンの父親。アルトンには不思議な力が宿っていて、その特殊能力に目をつけたカルト集団もアルトンを追っています。

そして、アルトンは特殊能力を使って国家の機密事項にもアクセスし、そのためにNSA(アメリカ国家安全管理局)からも追われる身となるのです。

お話はいってみれば、現代版かぐや姫といったところ。しかし、アルトンが何者か?どこから何のために来たのか?どうしてロイの妻(キルステン・ダンスト)から生まれたのか?そうした説明は一切ありません。でも私は、シミュレーション仮説を思い出して、なんとなく納得がいきました。

地球は「宇宙人がつくる動物園」であり、世界はシミュレーションなのかもしれない (WIRED 2016-07-02)

将来、地球外知的生命体からのコンタクトがあるとして、私たちになす術はあるのか。願わくは、”いい宇宙人”であることを祈るばかりです。

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