一見どこにでもある郵便局のあるビルですが、
ここは、郵便事業発祥の地。
日本橋郵便局。
なぜか江戸橋の袂に建っております。
LINE、Twitter、Facebookを始め、SNS発達の余波で、すっかり需要が落ち込んだと言われる郵便事業。
が、
全国均一料金正確に普通郵便が届くって、どれだけすごいか実感ないくらい当たり前のこのシステム。
もとは大英帝国の郵便事業にいたく感心した明治の先人が構築したのだけれど、
そこには日本人の真面目さと江戸より続く飛脚事業の下地があっての結果ではないかしら。
なにより、明治維新以降国内紛争がないという歴史的背景も忘れちゃいけない。
郵便を捨てちゃう事件が大々的に報道されるというのも、それが如何に珍しいかという証拠。
昔、ロスに留学してた妹に日本からお菓子や文具やらを詰め合わせて送ったら、
ストライキとかで局留めに。
通知を受けて引き取り入行った妹に局員は
『I don't know.』の一点張り。
とうとう荷物を渡してもらえず、行方知れず。
そのままうやむやにされてしまったという苦い経験のある身としては、
こんな風に
ほぼ事故も無く離島にまでちゃんと郵便が届くということはなんてすばらしいことか!とあらためて思うのです。
その基礎を築いたのが一円切手で有名な前島密(まえじまひそか)氏。
そんな立派な人なのに、一円なんで安すぎる。という向きあります。
この方は、もと幕臣なので新政府での扱いは悪かったというウワサの真偽はともかく
日本郵便が発行している普通切手で唯一モデルが変わっていないのはこの一円切手のみ。
2014年12月改訂の普通切手(一部)左は旧、右は新タイプ。
コレだけは変えられない!と郵政省の弁にもあるように
郵政事業の父と言われた氏に敬意を表しているというのがもっとも有力説。
そして、どんなに郵便料金が変わっても、
端数調整に必要な最小単位の一円はなくならないから前島密も忘れられることはないという珍説まで。
さまざまな伝説を醸し出しているようですが、
今日まで続く郵便通信事業の初めの一歩を記した人としては、
額面ではなく1という数はもっとも相応しいのではないかと、考えるのです。
切手より若い。前島さん。
おまけ。
郵便局の隣りのビルにあったアメリカンな集合郵便受け
江戸遷都から教育まであらゆる分野での活躍は、はずかしながら初めて知るところです。
オネエさまの知識、いつも勉強になり、
ありがとうございます