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教えを実践すること『伊藤仁斎』

2023-05-29 07:56:37 | 歴史から学ぶ
徳川5代将軍以降の幕府思想がこの伊藤仁斎の儒学が重んじられた。基本は中国『論語』「孔子・孟子」の教えである。特に現代でも言われている「他人を思いやって行動すること」(事が思う様にならないときには振り返って考えよ)、「他人に厳しくするように自分にも厳しくあれ」(自分に甘いのであれば他人にも優しく接すること)は肝に命じるべきものかと思う。
『伊藤仁斎』澤井啓一
「概要」京都・堀川に生まれ、若くして朱子学に傾倒するもやがてそのあり方に疑問を抱く。朱子学による解釈を排して孔子や孟子のテクストに直接向き合う古義学という方法を確立、その学塾古義堂は多数の門人を集めた。本書は京都を中心とした文化人や公家衆との交流、さらには同時代の東アジアの思想空間の中で仁斎を位置づけ、その思想を立体的に浮かび上がらせていく。
伊藤仁斎 江戸時代の儒学者(1627~1705)京都商家、母方は豪商角倉一族
徳川5代将軍綱吉時代の思想家、旗本・書院番頭稲葉正休に献上した書物が「論語古義」「語孟字義」その後、稲葉は大老堀田正俊を刺殺する事件を起こす。萩生徂徠等が続く。
ー歴史認識 秀吉を秦の始皇帝の様に軍事的才能に恵まれたが、秀吉は「不仁の過ち」悪独非道の行為など民衆との同調ができず二代で滅したと評価(自暴自棄者)
仁斎の儒学、特に孔子と孟子の教え(論語)を実践することに結論づける
朱子学から陽明学、儒学へと学び「語孟字義」「童子問」「論語古義」「孟子古義」などの著書
陽明学では特に「心学」への関心、儒学は「心の修養」
「語孟字義」
上巻:天道・道・理・徳・仁義礼智・心・性・四端之心・情・才・志・意・良知良能
下巻:忠信・忠恕・誠・敬・和直・学・権・聖賢・君子小人・王覇・鬼神・詩・書・易・春秋・総論四経
    実徳としての仁(思想と正面から向かい合いその実想を捉えること)
    慈愛の心の行動で恩恵が与えられる
    他人を思いやって行動すること(事が思う様にならないときには振り返って考えよ)
    他人に厳しくするように自分にも厳しくあれ
        (自分に甘いのであれば他人にも優しく接すること)
    学問を志す人間はどこまでも謙虚であるべきだ(学問こそが日常の実践と考えるべき)
    学問が不十分では俸禄をもらうのは恥だ
ー「古義堂文庫」は天理大学附属図書館に保存
荻生徂徠「学問は歴史に極まり候ことに候」
歴史の中にこそ人間お知恵は宿されている。人間のオロサカもそこに露わだ。歴史を探り、歴史に学んでこそ、人間はようやく自らの正体を知り、いくらかは賢くなることができる。新しい勇気を得て未来にむかくことが出来る。



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