@一人の男が酒に酔ったギャンブルで大損、その金を返すために恋人を抱き込み様々な罪を犯していく。恋する人のためならと罪を負う姿は頷ける、だが嫉妬から裏切られたと思うことで人間の欲と恋心は一変する。その屋敷で「自殺」事件が起こり「殺人」事件へと展開する。更に本当に元恋人が犯人なのか、最後まで犯人像が変わっていく様は、一気に読み終えたくなる。
フレンチ軽視の言葉「決して望みを捨てず、どんなに不利な状況でもいつかは好転すると信じること」が印象的だ。
『フレンチ警視最初の事件』F.W.クロフツ
恋人の言うがまま詐欺を働いたダルシー。彼氏は貴族の秘書に納まって足抜けしたが、当の貴族が突如自殺。これは偶然か? 警視に昇進したフレンチが登板するや事件は一転……。
ー富豪貴族の老人が自殺をした。リュウマチで下半身が不自由となり車椅子の生活で気弱化していた。自殺は本人の拳銃で屋敷の森の一角で周りには誰一人姿を見たものはなく警察も裁判所も「自殺」と断定した。
ーところが1年前に屋敷に雇用されたハンサムで優秀な男が殺害したのではないかと、昔の婚約者が弁護士を通じて調査を願い出る。実はその婚約者相手はハンサムな男で、屋敷にいる相続人の一人娘と懇意になり結婚するのではと嫉妬していた。
ー一旦「自殺」だと断定された案件を警察が再調査することへの時間は単なる無駄だと思われたが、事件を功名な仕掛けで金を手に入れようとしていた犯人の企みだった。
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