海上撮影家が見た上海2

上海で撮影活動をしている海原修平のBlog。「海上」とは上海の逆で、新しい上海という意味。更新は不定期。

自分が住んでいる地名の履歴を知るべきだ。

2014-08-29 | 写真日記

 「あぶない地名」災害地名ハンドブック 小川 豊

日本の地名にはその土地の履歴があるというのは、前世紀後半に北海道の古平で崖崩れがあった時に、ある雑誌を読んで知った。昨年買った「あぶない地名」という本によると、この古平の場合の「平」の意味は、「土が崩れて地肌が表れている窪地、傾斜地、坂。山地では山崩れの起きやすい所と書かれている。

 そして今回の広島土砂災害の場合、広島市安佐区の「安佐」をこの本で調べるとやっぱり22ページに実住所として記載されていた。それを抜粋すると、アサ(イ)・アザ(イ)は、アズの転訛語で、崖崩れまたは地崩れ土砂によってできた所。また、地下水が浅く、山水がよく出るような湿地。地名として、阿佐や安佐……。そして、今回もっとも酷かった八木地区の八木を調べると、ヤギは岩の露頭や転石地があると書かれている。

この本で地名を調べるには新しくつけられた地名では意味がなく、古い地名を調べて検索しなければならない。例えば私の東京の住所は白金台2丁目なのだが、ここは昔「猿町」という地名だったので、「サル」で調べてみると、サル・ザルは、ズレルの転訛語ザレル・サレルからサレ・サルと転訛した窪状の地や地崩地。ザルは香川県では崩れるの意と書かれていた。ちょっと気になったので、港区のHPで調べてみると、急傾斜地崩壊危険箇所一覧表の中の自然斜面一覧に白金台2丁目が載っていたのでちょっとびっくり。そういえば、私の住んでいる場所の対面は急斜面にマンションが建っている事を思い出す。

日本は地震や台風も含め様々な災害が多い国だという事を自覚した方が良い。そして、今年の夏のような集中豪雨は今後ふえると私は思っているので、自分の身は自分で守るのだという意識を持ち、何事も自分の判断で行動するよう心がけるべきだと思う。

 旧地名は、図書館や一部ネットでも調べる事ができるので、自分の住んでいる場所や家を買う場合に土地の由来を調べ過去の履歴を知っておいて損はない。この「あぶない地名」の著者は「小川豊」という人で、元国土交通省の地方事務所に勤務されていた方なのだが、2007年に他界。読むだけでもとても面白いお勧め本。

☆古地図なども含め「日本地図センター」にアクセスすると様々な地図を購入する事ができる。

 
コメント (4)
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