海上撮影家が見た上海2

上海で撮影活動をしている海原修平のBlog。「海上」とは上海の逆で、新しい上海という意味。更新は不定期。

GFXのフルフォーマット4x3は映画のスタンダードサイズ

2021-03-01 | GFX+オールドレンズ

 

 

小津映画の東京物語から

 

昔の映画やテレビのフォーマットはスタンダードサイズだったので、フジフィルムの中判カメラGFXシリーズは4x3のスタンダードサイズという事になる。映画や写真は様々なフォーマットがあるが、今のデジタルカメラは、ライカが決めた24mmx36mmの2:3がフルサイズと言われて一般的なフォーマットになっているようだ。この2:3の比率は風景やスナップショットなどには向いているのだが、人を撮る場合は扱いにくいフォーマットなので私は仕事ではあまり使ってこなかった。例えば縦位置で人物の全身やウエストショットを撮る場合は、画面の左右が窮屈なのでモデルの動きが制約され被写体の動きの自由度を奪ってしまう事になるのだ。それを考えると人を撮影する時は4x3フォーマットの方が理にかなっているフォーマットだと言える。

小津安二郎の映画を観ていると、フィックスの場面が多く少し長いレンズを使っているので遠近感が自然で安心して観ていられる。小津映画や黒澤映画をずっと観続けた後に、最近の映画やテレビドラマを観ていると無駄なパーンやズームが多過ぎて落ち着きがないと思うのは私だけだろうか。それとも観る側は気にしてないのかなとも思う。小津や黒澤映画は長玉の使い方がとてもうまいが、セットが長玉用に作られカメラの引きが取れるように工夫されているので割り引いて観る必要はあるけどね。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする