西宮市議会議員 しぶや祐介の活動日記

「子育てするなら西宮」「文教住宅都市・西宮」「住み続けたいまち西宮」の実現を目指す西宮市会議員のブログ。

平成20年度の決算について。

2009-10-02 17:02:15 | 市政全般に関連すること

昨日、9月議会が終了しました。
9月議会のメインは、なんと言っても前年度決算の審査です。
というわけで、まずは、その概要についてご報告をば。

お役所の説明文書から、そのまま抜粋すると、平成20年度決算は、
「一般・特別会計をあわせた決算総額は、歳入2234億6千万円、
歳出2212億8千万円で、歳入歳出差引額は21億8千万円の
剰余となっています。
 この中には、翌年度繰越事業費に充当しなければならない財源が
含まれており、これを除いた実質収支額は、17億5千万円の剰余と
なっています。前年度の実質収支額を除いた単年度収支額は
20億7千万円の不足、また財政基金の積立金等の18億3千万円を加えた

実質単年度収支額は、2億4千万円の不足となっています」
ということになるのだそうです。
でも、これだけ見ても、一般の方には、
何のことやらさっぱり分からないと思うんですよね。
というわけで、市町村の財政分析によく使われる指標を使って、
私なりの切り口から、この決算について思うことを、
書きたいと思います。

まずは、「経常収支比率の高さ」に示されている、
著しく硬直化した財政状況について。
自治体の財政状況を判断する重要、かつ分かりやすい指標の一つとして、
経常収支比率があげられます。
経常収支比率は、
 ○「人件費・公債費(借金の返済と利払い)等、毎年必ず出て行く支出」が
 ○「毎年一定額が入ってくる自由に使える財源」
に占める割合を表す指標です。
この数値が高ければ高いほど、
財政の硬直度が高い(=自由に使えるお金が少ない)ということになります。
で、本市の場合、この数値が、なんと98.2%。
これは家計にたとえると、
「収入のうち98.2%が食費・水道光熱費・ローン返済・教育費等、
 生活に必要な支出で消えてしまい、残るのは、収入の1.8%だけ」
という厳しい状況にあることを示しています。
ちなみに、標準値は70~80%とされており、ここから考えても、
本市の収支状況が、非常にバランスの悪いものであることは明らかです。
本来であれば、現在の「毎年必ず出て行く支出」を精査するべく、
職員待遇の見直し・事業の取捨選択等に必死で取り組むべきところです。

ところが。
という状況にも関わらず、本来、取り組むべき課題に対する姿勢は?
と言いますと、なんともトホホなものです。
例えば、職員待遇という面から見ますと、
西宮市職員の給与は、こうした収支状況にも関わらず、
非常に高い水準にあります。
国家公務員の給与を100とした場合の、地方公務員の給与水準を示す
「ラスパイレス指数」という指標がありますが、本市の場合103.4。
これ、自治体の規模等が似通った中核市・全38市中2位という高さです。
また、自動車運転手・清掃職員・給食調理員・用務員等に代表される
いわゆる技能労務職に至っては、ラスパイレス指数は137.5!!!
・・・こうした待遇については、早急な見直しが必要です。

事業・施策の取捨選択についても、
大いに見直すべき余地があります。
やらなくてもいいような事業・費用対効果が著しく低い事業を
数多く実施・推進している一方で、
保育所の待機児童解消、生活保護運用の見直し、
介護事業の充実といった、本来、もっと力を入れてしかるべき分野への、
注力の仕方が弱すぎると思うのです。
私は、地方自治体の本来の責務は、突き詰めれば、
福祉と教育・子育て支援に集約されると考えています。
厳しい財政状況を鑑み、地方自治の原点に立って、
事業全体の見直しを行うべきだと思うのです。

9月議会では、こうした視点から、所属する厚生常任委員会で、
多くの意見を述べるとともに、指摘・提案を行ってきました。
次回以降、それらの内容を中心に、
いろいろとブログで書いていきたいと思います。
それでは、今日は、このへんで失礼します。