西宮市議会議員 しぶや祐介の活動日記

「子育てするなら西宮」「文教住宅都市・西宮」「住み続けたいまち西宮」の実現を目指す西宮市会議員のブログ。

病院問題特別委員会を傍聴して。

2011-07-07 17:14:08 | 市民に信頼される公正で効率的な行政と議会

今日で次男が生まれてから一ヶ月になりました。
妻に抱かれてでないと、絶対に眠らなかった長男とは違い、
次男は私に抱かれても、結構寝ていってくれるのが、実に、うれしい。
大変やけど、ほんま、癒されます。

と、それはさておき、本題に。
昨日のブログに書いたとおり、病院問題特別委員会を傍聴してきたので、
その、ご報告など。

中央病院を存続させるという前提に立つのであれば、
 ○中央病院を移転・整備し、
 ○「1次・2次救急(一般・小児)の強化」
  「5大がんや膵がん、前立腺がんなどに対する高度ながん診療」
  「災害・広域的呼吸器感染症の対応」
  に注力するべき
という検討委員会の答申は、一定妥当性のあるものだと
受け止めるべきなのでしょう。もちろん、
『「高度ながん診療」が必要な患者の多くは現状、
 阪大病院等、他の地域にある病院に行っている。
 その現状を変えるほどの診療能力を、
 中央病院が持つことが出来るのか?
 また、多大な力を注げば、持つことが出来るとしても、
 そもそも、そのような診療能力を、一公立病院である
 西宮市立中央病院が持つ必要があるのか?』
『伊丹の脱線事故のときになんの対応もできなかった
 (それどころか事故があったことに気付きさえしていなかった)
 中央病院に、本当に「災害・広域的呼吸器感染症の対応」等という、
 重要な役割を果たすことができるのか???」
など、つっこもうと思えば、つっこめるところは山盛りですが。

でも、それ以前に、考えるべきことは、やっぱり、
「で、本当に、公立病院を持つ必要があるのか???」
というところだと思うのですよ。
今回の報告案で示された話を、私流に解釈すると、
「西宮市に現在不足している医療機能のうち、
 黒字になりやすいものを拾ってきた」
という風に言える面もあるのかな、と。
でもね、ホンマに不足していて、
かつ、それをやることで十分採算が取れる医療分野であれば、
市が、わざわざ、やらんでも、民間が手を出しますよ。
百歩譲って、それが期待できんというのなら、今回明確にされたはずの、
西宮市に不足している医療分野を強化するために、
民間病院に対して補助金を出すという手段だってあるわけで。

資料では、
「1年目  用地購入 ⇒ 中略  ⇒ 5年目  開院」
というスケジュールも示されました。
一方で、同じ資料の中で、
「行政の体質から脱却するための改革を断行する覚悟なくして
 多額の投資を行えば、将来に禍根を残すことになるであろうということは
 強く指摘しておきたい。投資を伴う整備を行うからには、
 市民のニーズに応え、市民の安全・安心に寄与し、
 なおかつ黒字経営に転じることが条件となる。」
とも書いてあります。
これまでの西宮市政のあり方から考えると、用地を購入した段階で、
「病院の移転整備は、完全な規定路線になってしまうのではないか?」
という懸念はぬぐえません。
そんなこんなを考えると、そもそも、黒字経営に転じる目途も立たない段階で
用地を購入すると言うこと自体、どうなんや???という
疑問を、強く持たずにはいられません。

中間報告からの抜粋を並べていきますと、
『西宮市立中央病院は、平成15年度以降、2次に渡る経営改善に
 取り組んだが、いずれも「不良債務の解消」という目標を達成するには
 至らなかった。』
『平成22年度には、形の上では不良債務の解消という目標を達成する
 見込であるが、それは市の一般会計からの3ヵ年で19億円以上にも
 のぼる補助、貸付けを受けた結果であり、
 自力で経営改善を果たしたものではない。』
『健全化計画に取り組んだ平成15年度から平成22年度までに
 市が繰り入れた額は、救急医療に対するものなど国の基準に基づくもの
 約56億5千万円、病院経営支援のための基準外繰り入れが約50億円、
 長期貸付金21億円である。』
という、死屍累々とでも言うべき、
市の経営改善への取り組みの結果が見えてきます。
中央病院の年間の収入が、概ね約50億円ということから考えると、
これまで投入されてきた資金の多大さは際立ちます。
で、中間報告が言っていることは、
これだけ、悲惨な経営状況にある中央病院に対して、
「投資を伴う整備を行うからには」「黒字経営に転じることが条件となる」
と、はっきり示しているわけで。
でも、ここまで、「2次に渡る経営改善に取り組んだ」にも関わらず、
経営改善を果たすことができなかった中央病院が、
本当に自力で経営改善することができるのでしょうか?
それができるというのなら、
なぜ、これまでは経営改善できなかったのでしょうか?

今回の中間報告は、あくまで「移転整備等検討委員会」が
「移転整備する場合には???」ということについて、
検討した結果の報告という位置づけになっています。
次のステップは、この中間報告を受けて、
市長が8月から9月にかけて方針を示し、
それを受けての市当局案を市が提示するということになるそうで。
とは言うものの、ここまでの展開を見る限り、ほぼ間違いなく、
「病院を移転整備します!」という方向性が示されるんやろうなあ、と。

「とにかく、なにがなんでも、病院を移転するのだ!
 黒字化できる保証がなくても、そんなことは関係ないのだ!!」
という形で強引に進めようとするのであれば、到底のれません。
引き続き、この話の展開を注視すると共に、
気になる展開があれば、皆様に、ご報告します。
それでは、今日は、このへんで。