冬場は凍ったりもして、心配していたメダカ甕が、むっちゃいい感じになってきました。
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てゆうか、ちょっと茂りすぎですね、こりゃ。
ほんま自然の力って素晴らしい!
さて本題。
市は「高齢者の社会参加を促し、介護予防につながる健康づくり・生きがいづくり等を促進するために外出を支援する」「高齢者交通助成事業」を実施しています。
具体的な内容は「電車・バス・タクシー会社が発行しているプリペイドカード・回数券を購入する際やICカードにチャージをする際にその料金の一部を助成する割引購入証(1,000円分の割引購入証が5枚綴)を対象者に年1回郵送にて交付している」というものですね。
(「 」内は、いずれも事務事業評価より引用。)
この事業については過去に、
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●市が議会に対して、助成金額の減額を提示した
●が、議会はその内容を認めなかった
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という一幕があったのですよ。
ただ、これ必ずしも「助成金額を減額するなんてけしからん!」という話ではなく、「多くの市民に影響がある話であるにもかかわらず、あまりにも唐突&必要な内容についての調査・検証が浅すぎる」という面が多分にある話でして。
以下、5/16の健康福祉常任委員会で配布された資料から引用。
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1.経緯
市は、平成27年3月の予算特別委員会厚生文化会において、平成27年度の一人当たりの助成額を従来の5千円から3千円に減額した案で上程しましたが、「この利用率の高い事業を安易に減額で片づけてしまうのも、乱暴な印象を受ける。まずは事業の仕組みを協議すべき。また、市民に十分に周知すべき」とのことから従来の助成額5千円とする修正案が出され修正可決されました。
また、平成27年度の健康福祉常任委員会施策研究テーマにおいても高齢者交通助成事業が取り扱われ、「事業を廃止・変更するなら、高齢者施策全体の再構築を考える中で行うこと」「事業の目的について、今一度協議検討すること 」「あらゆる手段を講じて、目的外使用を低減させること」「もう一度実態調査を行うこと」の4つの具体的な意見が盛り込まれた提言を受けました。
また、実態調査を実施する場合は統計学手法に基づき、設問作成も回答集計もこれに沿って行われるよう具申されています。
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ちなみに「目的外使用を低減」が特記されているのは「ICカードにチャージをする際にその料金の一部を助成する」といったところに代表される使い勝手の良さが理由ですね。
この方式だと、誰が何に使っていても分からないわけで。
そんなこんながありまして、市はその後、アンケート調査や使用状況の分析を実施。
その結果が5/16の健康福祉常任委員会で報告されたという次第です。
ちなみに、その内容はザックリ言うと
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●調査を依頼した関学の教授から、健康の保持等本事業の目的を果たしているとの報告を受けた
●よって、今後も本事業を現行制度のまま実施する
⇒事業内容を改める場合には、実態調査などを実施し、ニーズや効果を検証していく
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というものだそうな。
でもね、私、この調査手法と報告結果に違和感を感じておりまして。
実態調査・分析を依頼された教授の意見は
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買い物、通院は健康の保持等福祉の増進に役立つもので、目的にかなうものであると分析されているため、本事業の目的と一致する。
また、助成額については「希望助成金額」が5,000円が最も多く、割引購入証の使用状況からも5,000円の助成額は適当と考えます。
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というもの。
でも「買い物、通院は健康の保持等福祉の増進に役立つ」というのは、あくまで一般論ですよね。
その話と『高齢者交通助成事業が、事業の目的である「介護予防につながる健康づくり・生きがいづくり」に貢献しているのか?』という話は、分けて考えるべきでしょ、と。
また「利用者が希望する金額は5000円だから5000円が適切!」的なまとめも、それってそうなの???と思うわけで。
突き詰めて考えると、この事業は「介護予防に役立っているのか?」という一点で評価されるべきだと思うのですよ。
そういう意味では、「高齢者交通助成事業を利用している人と利用していない人で、数年後の介護状況に差はあるのか?」という点をこそ調べるべきではないんかいな、と。
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●各人×高齢者交通助成事業の利用状況
●各人×経年的な介護状況の変化
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の両方を把握可能な市なら、こういうことだって出来るはず。
そして、こういうのこそが先日のブログでも取り上げた「エビデンスベースの考え方」だと思うのですよ。
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【ご参照】
エビデンス(=科学的根拠)に基づいた行政運営。これこそが今後、自治体の目指すべき方向性だと思うのです。@2018年5月のブログ
この話はあくまで一例ですが、市が行っている事業には目的・効果等が不明確なまま行われているものが多数存在しています。
そういう事業についてエビデンスに基づいた検証を進め、事業の見直しや取捨選択を進めていくべきだと思うんですよね。
それこそが合理的で効率的な行政運営だと思うわけで。
てな方向からの指摘・提案等、今後も続けてまいります。
それでは今日のブログは、このへんで失礼します。