西宮市議会議員 しぶや祐介の活動日記

「子育てするなら西宮」「文教住宅都市・西宮」「住み続けたいまち西宮」の実現を目指す西宮市会議員のブログ。

2019年度決算のご報告。 ~最大の問題は、人件費が高すぎることです!~

2020-10-06 12:36:50 | 市政全般に関連すること

議長室に設置されていた棚がなくなった結果、前にもまして部屋がすっきりしました。
これなら、余裕で懸垂バーぐらい置けるな。
いや、置きませんけどね。

【BEFORE】

 ↓
 
【AFTER】


この棚に収納されていたものの大部分が、友好都市であるブラジルのロンドリーナ市や中国の紹興市から頂戴した記念品等。
でも、これ趣旨から考えると、議長室に鎮座しているよりは、多くの方の目に触れるところにおいてある方が望ましいよな...と。
というわけで議会運営委員会での報告を経て、棚自体を議会棟の2階ロビーに移設してもらいました。
多くの方の目に留まる機会があるよう、願っています!

さて本題、本日は令和元年度決算のご報告など。
9月議会でも様々な話がありましたが、なんと言ってもメインとなるのは昨年度決算の報告でした。
というわけで、その内容をかいつまんで。

本市の2019年度決算は歳入総額2649億円、歳出総額2622.4億円、実質収支は19.8億円の黒字。
黒字とは言うものの、財源不足に対応するために、市の貯金である財政基金を53億円取り崩した結果の数字であり、きわめて厳しい内容だと言えます(財政基金の取り崩しは2014年度以来5年ぶり)。

役所の会計って、基本的には現金の入りと出しか見ないお小遣い帳的なものなので、基金を取り崩せば収入になるし、それも含めた歳入総額が、歳出総額より多ければ黒字となります。
ここら辺、甚だ違和感があるんですけどね。
貯金取り崩してやりくりしてるって、普通の感覚で見たら赤字でしょ???と思ったりもするわけで。

さて、も少し掘った話。
財政状況を示す指標のうち、とりわけ重要なものの一つが「毎年必ず出ていく支出」が「毎年入ってくる自由に使える財源」に占める割合を表す指標である経常収支比率です。
本市の場合、これが前年度の95.3%から99.6%と4.3%悪化しました。
この経常収支比率、家計に例えると「給料に占める、食費やローン返済などの使い道のきまった支払いの割合」的な感じになります。
なので、
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→比率が低ければ、「旅行などの自由に使えるお金が多くなり、家計にゆとりがあると言える!」的なイメージ
→比率が100%を超えると、「給料だけでは決まった支払いもできず、貯金の取り崩しや借金などに頼らなければ家計が成り立たない...」的なイメージ
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と言えるかと。
そう考えると、本市の99.6%という数字からは、ほぼ全く余裕のない状況がうかがえるし、実際、同じ中核市の平均に比べても著しく高い数字ですよね。
こうした点から考えても、本市の財政はきわめて硬直し、弾力性に欠けた財政構造だと言えるでしょう。
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こうした財政構造となっている最大の要因が、人件費の高さです。
なにせ、西宮市民1人が負担する年間の市職員人件費は72,123円と、人口・規模等が似ている類似都市の平均額57,923円と比較して約14,000円、25%も高い水準にあるのですから。
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上に示した通り、「毎年必ず出ていく支出」を意味する経常経費のうち、大きな割合を占める
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●扶助費(社会保障制度の一環として、児童・高齢者・障害者・生活困窮者などに対して国や地方公共団体が行う支援に使われる費用)
●公債費(過去に、市が借り入れたお金の返済に使われる費用)
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は、いずれも類似都市の平均より低くなっている
ことからも、本市の財政構造における最大のガンが人件費の高さにあることは明らかだと言えるでしょう。

本市財政には
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●公共施設・道路・橋梁・上下水道の維持・補修・更新など、老朽化対策に必要な費用の増大
●高齢化の進行に伴う、医療・福祉・介護等、社会保障関係費用の増大
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等の歳出増大要因があり、これまでも、到底、将来を楽観出来る状況にはありませんでした。
これに加えて、新たに、新型コロナ感染症の影響による市税の大幅な減少が危惧されるという要因が加わりました。
一方で、未来の世代を支えるために必要な保育・教育への支援強化等、本来、より強力な施策推進が必要な分野も多くあります。
改めて、様々な角度から歳出を見直し、必要なサービスへとお金を振り分けていく、そんな行政を実現することの重要性を痛感しています。

堅実な行政運営の推進を追い求めると共に、行政における課題・問題点の追及、改善策の提案に、今後も力を尽くしてまいります。
それでは今日のブログは、これにて失礼いたします。