月曜日に更新した、学校のオンライン化推進に関するブログ。
色々とご意見等頂いており、やはり多くの方が興味と関心をお持ちの内容であると実感しています。
というわけで前回告知しておりました諸々感じたことについて、ご報告します。
前回ブログでは、利用頻度がきわめて低い事例が多く存在することを取り上げたわけですが、その背景には
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●スペックが低く、起動に時間がかかるなど不具合が起きることが多い
●充電やタブレット自体を忘れてくる児童が存在する
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等、様々な課題もあるようです。
こうした問題にも、きちんと対応していくことが重要だと思いますし、そうした姿勢は一定示されているように思います。
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一方で、非常に大きな問題だと思うのが
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●導入されているソフトの使い方が分からない(34%)
●ソフトやコンテンツをどのように活用するとよいかわからない(32%)
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といったように「どない使えっちゅうねん...」的な感想を、約1/3の教師が感じているということ。
これ、かなり深刻な問題だと思うんですよね。
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繰り返しになりますが、この調査は全員を対象としたものではありません。
そのため現実より、かなり良い方向にバイアスがかかった答えが示されている可能性が高いと思っています。
にも関わらずの結果ということもあり、かなり深刻に受け止めるべきだと感じています。
こうした現状について、市は「これらを授業でどのように活用するのか、具体的な授業の場面を想定した研修を計画しています」としています。
もちろん研修も重要なのでしょう。
一方で「研修を受けて、一人一人が技量を高める必要があると感じるが、授業でスムーズに使えるようになるまでの研修の時間数となると難しいと感じる」という意見も、現場の教師の声として、資料中で示されていました。
やっぱり研修だけで、全ての問題が良い方向に向かうとは到底思えない...
私、重要なのは
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●どの教科で、どのように利用するのか?
→その場合に利用するツールをどうするのか?
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といったあたりを定型化し、「それを全校で推し進めていく!」という姿勢を教育委員会が明確に示したうえで、具体的な取組を学校が進めていくことだと思っています。
そして、その進捗管理に適宜、教育委員会が関わっていくことがポイントだとも考えています。
今回、常任委員会で示された資料の中には「実践事例集」として、その参考になりそうな個別の学校における取組も挙げられているんですよね。
例えば、こんなのとか。
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こういう考え方をベースに、もっと掘って深めていくと、いい取組ができると思うんですよね。
せっかく良い事例があるのに、ただ、それを示して終わりにしているのは勿体ないというか、なんというか...
加えて、それを進めていくための手順なんかも定型化すればいいのに…と思います。
実際、そういった取組を、きちんと進めている学校の例が、事例集でも示されています。
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そして、なんなら、その過程で教材も、そのまま使えるものを作ってしまえないものなのかな…と。
アンケートでも「自分の授業で使うときに一から教材を作成することに、多大な時間と労力をかけている現状があると思います」という声も上がっています。
市内であれば教科書も一緒ですし、使いたい教材は、そんなに変わらないはず。
なら定型的なものを用意して、それをだれもが使えるようにすれば、相当、現場での手間も減らせるのでは???と思うんですよね。
もちろん「是が非でも、自分で教材を作りたい!」という先生もおられるのでしょうし、そこはそうしていただけばいいと思いますが。
今回、示された「GIGAスクール・セカンドパッケージ」には評価できる点も複数あると考えています。
少なくとも事例集や、困った時の辞書的な意味では、一定の意義があるのだろうと感じました。
一方で、最大の問題点は前回同様、
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●やる気のある学校・学級はどんどん前に進むこともできる
→でも、じっと首をすくめて「嵐が過ぎるのを待とう…」と思っている学校・学級はそのまま
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という構図に対する問題意識も対応策も示されていないことだと感じています。
でも、それじゃダメなんですよ。
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【ご参照】
このままだと学校ガチャ・担任ガチャが頻発し続ける。重要なのは、全ての学校が一定水準以上のオンライン教育を実施することです!@2022年2月のブログ
前に進もうとしている学校・学級に対しては、よりそうした取組が進めやすいように。
首をすくめて嵐が過ぎるのを待っている学校・学級に対しては、活用せざるを得ないように。
そう組織として持っていくことこそが、組織としての教育委員会の責任だと、私は考えています。
アンケート結果でも
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●ICTを活用することにより、児童生徒が意欲的に学んだり、授業に対する興味・関心度が高まった
●ICT活用は、子供たちが理解度を高めることにつながっていると思う
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という意見が多数を占めています。
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活用している学校・学級では一定の前向きな効果があることを実感しているということだと思います、これ。
ならば当然、全ての学校で活用できるようにしていくべきですよね。
それができないなら、市の教育行政の大好きな「公平性・平等性」だって、ただのお題目になってしまうわけで。
得意の「学校の自主性!」に任せていたのでは、いつまでたっても活用が進まないのは火を見るよりも明らかです。
だからこそ、これまでとは違う形での取組が必要だと思っています。
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前回ブログでも書いたとおり、第6波の大きな影響が顕在化する中、十分な対応ができなかったことは痛恨だったと感じています。
だからこそ、組織として、責任を持った対応を進めるべき。
そうした姿勢で、引き続き、この問題に取り組んでまいります。
それでは今日のブログは、このへんで失礼します。
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私の主張は、「ICTを利用することで効率的・効果的な教育が実現できる部分について活用すべき!」というものです。
デジタル教科書への置き換え等も含め、とにかく全面的に移行を進めるべき!という原理主義的なICT化推進論者ではありませんので、そこについては誤解のないようお願いします。
教科書自体をデジタル化すると、かえって学習効果が下がるという検証もあるようですし、子供たちが長時間デジタル教科書を利用し続けることによるメリット・デメリットには未知の部分が多くあり、まだまだ検証が必要な面が多々あると考えています。
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市内で確認された新型コロナウイルス感染症の患者数は以下でご確認いただけます。
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市内の感染状況@西宮市HP
市立学校・幼稚園・保育所や市立病院等での新型コロナ感染者確認状況、市内でのクラスター発生等、最新の情報は以下でご確認頂けます。
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記者発表資料・市長記者会見@西宮市HP
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